彼女の人生は間違いじゃない2017/08/01

彼女の人生は間違いじゃない
「彼女の人生は間違いじゃない」 新宿武蔵野館
福島の仮設住宅で父(光石研)と2人で暮らすみゆき(瀧内公美)は市役所に勤務しながら、週末は高速バスで渋谷に向かい、デリヘルのアルバイトをしている。父には東京の英会話教室に通っていると嘘をついている。震災の被害に遭って、やりきれない毎日、心の持って行き方がわからない。父は毎日パチンコばかりしている。先が見えない暮らしの中で、答えの出ない今を、模索している。
「さよなら歌舞伎町」「ヴァイブレータ」の廣木隆一監督作品。出身地の福島の人々のことを描いた自身の小説を映画化しています。「さよなら歌舞伎町」がとても良かったので、見に行ってきました。今回は新宿じゃなく、渋谷が多く登場しました。渋谷と福島の暮らしが対象的でした。高速バスがそれをつないでいます。主役の瀧内公美さん、透明感のある美人でした。デリヘルの会社の人が高良健吾さんで、この人が出ているだけで、ピリっとしています。家族を失ったり、放射線量が高くて、家に帰れなくなった人たちの気持ちは、計ることができないです。無責任にこうしたらとも言えないです。そういうやりきれない気持ちの人々に寄り添って映画が作られていると思いました。

★★★★☆ 4

公式サイト
  ↓
http://gaga.ne.jp/kanojo/

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊2017/08/02

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊
「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」 TOHOシネマズみゆき座
ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)に恨みを持つ「海の死神」サラザール(ハビエル・バルデム)が、魔の三角海域から解き放たれた。サラザールの復讐を阻止するには、秘宝のポセイドンの槍を手に入れなければならない。かつてジャックと冒険したウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)の息子ヘンリー(ブレントン・スウェイツ)も、父への呪いを解くために、ポセイドンの槍を探していている。その場所の鍵を握るのは天文学者カリーナ(カヤ・スコデラーリオ)。協力してポセイドンの槍のある場所を目指すが、サラザールの魔の手も迫っている。
かつてオーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイの役柄が、その息子と新しく出てきたカリーナに変わって、世代交代?と思いました。オーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイも出てきましたけど。
話は毎回同じような感じがしてしまう。そこが良いのかもしれないけど、かれこれ5作目となる。次々と危険な目に遭いながらも、相変わらずの幸運で、危機を回避していきます。
でも、一番のみどころは、ジャック・スパロウと亡霊となったサラザールの因縁シーン。若きジャック・スパロウがかっこいい。まだ、うらぶれてない若者です。ジャックの雰囲気に似せています。いかにして、ジャックが船長になったか、過去がわかります。

★★★☆☆ 3+

ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦2017/08/03

ハイドリヒを撃て!
「ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦」 ユーロライブ(試写会)
第2次世界大戦直下、占拠地域をヨーロッパのほぼ全土に広げていたナチスで、ヒトラー、ヒムラーに次ぐ、第3の男ラインハルト・ハイドリヒは、ユダヤ人大量虐殺の実権を握っていた。ハイドリヒ暗殺計画を企てたイギリス政府とチェコスロバキア亡命政府は、ヨゼフ(キリアン・マーフィ)、ヤン(ジェイミー・ドーナン)らの暗殺部隊をパラシュートによってチェコ領内に送り込む。潜伏しているレジスタンスの協力を得て、ハイドリヒを狙撃する機会をうかがう…。
チェコ・イギリス・フランス合作で、実際のハイドリヒ暗殺計画=エンスラポイド作戦を、史実をもとに描いています。
この計画のことをこれまでも、2度映画化されているのだそうです。「死刑執行人もまた死す」1943年、「暁の七人」1975年。
とにかく緊迫感がずっと続く映画でした。ナチスの冷酷さが、際立ちます。拷問や激しい銃撃戦、壮絶な報復があったこと。気がつくと、息をひそめて見てしまいます。そんな中でもロマンスなどもおりまぜてありました。キリアン・マーフィいっぱい出ていて大活躍です。ジェイミー・ドーナンは、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」の人だそうです。
戦争の理不尽さが伝わってきました。楽しくはありませんが、重厚で見応えのある映画です。

★★★☆☆ 3+

ブランカとギター弾き2017/08/04

ブランカとギター弾き
「ブランカとギター弾き」 シネスイッチ銀座
フィリピンのスラムに暮らすブランカ(サイデル・ガブテロ)は、ストリートチルドレン。盲目のギター弾きのピーター(ピーター・ミラリ)と知り合い、歌でお金を稼ぐことを教わる。ブランカは、お金を貯めて、母親を買えないかと思う。そんな少女に、危険が迫る…。
演技は素人っぽいけど、ブランカの表情やまなざしが、とても良かったです。ちょっと勝手なところもあるけど、母を求める気持ちはけなげでした。そんなブランカに、いろいろなことを諭すように教えるピーター。言葉は少ないけど、いつも良いことを言います。ちょっと達観していて、温かい人柄です。お店で歌って、稼げるようになるのだが、足をすくわれるようなことが起きます。スラムの現実をのぞかせながらも、ファンタジックなところがありました。街頭に立つ、オカマのお姉さんも、いい感じでした。
この映画はイタリア映画なんだけど、フィリピンが舞台で、監督は日本人です。写真家として活躍する長谷井宏紀の監督デビュー作なのだそうです。ベネチア国際映画祭でソッリーゾ・ディベルソ賞、マジックランタン賞(どんな賞なのか、名前からはよくわからないけど)。他にもいろいろな映画祭に出品されて、グランプリや監督賞をいただいているようです。

★★★★☆ 4

公式サイト
  ↓
http://transformer.co.jp/m/blanka/

十字架を持つキリスト・ミケランジェロ2017/08/05



「レオナルド×ミケランジェロ展」三菱一号館美術館
追加展示の《十字架を持つキリスト》を見に行ってきました。
7月に行った時に、追加展示の分だけを見れるチケットをくれたのです。

ミケランジェロ・ブオナローティの未完成作品で、17世紀の彫刻家の手で完成したもんだそうです。
このような大きなミケランジェロの大理石彫刻を、わざわざ日本に持ってきて展示してくれるなんて、珍しい機会です。持ってくるのも、大変だと思います。
長く行方不明になっていたようですが、2000年になって、ミケランジェロが手がけたものと明らかになりました。


写真撮影OKになっていました。でも写真ではわかりにくい部分もありますので、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか?
この写真、顔の右側がほうれい線みたいな線が入っているのですが、彫っている時に、黒い疵(きず)が現れたために、制作途中で放棄されてしまったそうなんです。
そういう疵は大理石特有のものなんでしょうけど、どこの位置にどのくらいの濃さで出るか、彫ってみないとわからないものです。注文主であるローマ貴族が、未完成のままもらいうけて、その後子孫によって売却され、他の彫刻家が仕上げていると推測されています。

川端龍子ー超ド級の日本画ー2017/08/06

川端龍子展
「川端龍子(かわばたりゅうし)ー超ド級の日本画ー」 山種美術館
川端龍子(1885-1966)は、大衆に訴える作品を描き続けた日本画家で、若い頃は新聞や雑誌の挿し絵画家をしていたそうです。西洋画の勉強のために、渡米するものの、帰国後は日本画家となったそうです。漢字の名前で見ると女性かと思われるかもしれませんが、男性の画家です。
ダイナミックで、勢いのある絵を描きます。絵や屏風など、大きい作品が多かったです。

トランスフォーマー 最後の騎士王2017/08/07

トランスフォーマー 最後の騎士王
「トランスフォーマー 最後の騎士王」 TOHOシネマズ新宿
地球上に存在するあらゆるマシンに変形する金属生命体トランスフォーマーが、太古の時代から地球の歴史に干渉してきた。トランスフォーマーの起源であり「創造主」と呼ばれる謎の異星人たちが、惑星サイバトロンの再生と地球侵略を計画。それを阻止すべくオプティマス・プライムはひとり旅立つ。オプティマスのいなくなった地球では、バンブルビーがオートボットの新たなリーダーとなり、復活を果たしたメガトロンに対抗していた。そこへオプティマスが帰還するのだが、正義の戦士だったはずのオプティマスは、人類を滅ぼそうとする破壊者へと変貌していた。
シリーズ5作目。4作目から出演のマーク・ウォールバーグが主人公。アンソニー・ホプキンスが新たに登場し、人類とトランスフォーマーの秘密の歴史を知る英国紳士バートン卿役。地球滅亡を阻止するための、道を示します。その秘書というか執事のトランスフォーマーのキャラクターが面白くてよかったです。他にも2頭身ぽい新しいトランスフォーも出てきます。なんか見た目は「スター・ウォーズ」のC-3POやR2-D2っぽい。
壮大で精密なアニメーションを見ているような気分。どっちが敵でどっちが味方なのか、話の内容もよくわからないところがありました。こういう映画は大きいスクリーンで見ないと、迫力が感じられないだろうなぁ。

★★★☆☆ 3

伝統文化の世界の特印2017/08/07



グリーティング切手「伝統文化の世界」の特印


「SURPRISE TRIP LETTER 2017」の小型印 

君の膵臓をたべたい2017/08/08

君の膵臓をたべたい
「君の膵臓をたべたい」 TOHOシネマズ日本橋
高校時代の僕(北村匠海)は、人と関わるのが嫌いな、目立たない生徒。クラスの人気者・桜良(浜辺美波)は、膵臓の病を抱えていた。僕が桜良の闘病日記を見つけ彼女の秘密を知ってしまったことで、彼女に強引にふりまわされるようになる…。
大人になった主人公を小栗旬が演じていて、過去を回想する形で語られる。高校時代役の2人は、なかなか魅力的。女の子は笑顔がかわいいし、男の子の方も、かっこよかったです。
病気と青春、想像できる話かもしれないけど、意外な展開もありました。全体的には高校生の恋物語が、ちょっとこそばゆいです。はじめは、ひっぱりまわされて迷惑なんだけど、一緒にいることが楽しくなってきます。彼女の本意はわからないし、病気のことが心配です。お互いに気持ちが動いていくところが、伝わってきます。

★★★☆☆ 3+

夜明けの祈り2017/08/09

夜明けの祈り
「夜明けの祈り」 ヒューマントラストシネマ有楽町
1945年ポーランド。赤十字で医療活動に従事するフランス人女性医師マチルド(ルー・ドゥ・ラージュ)のもとに、ひとりの修道女が助けを求めに来る。彼女に連れられて修道院を訪れたマチルドは、ソ連兵の暴行によって妊娠した7人の修道女たちが、すでに臨月が近く困り果てていた。マチルドは修道女たちを救うため仕事の間を縫って修道院に通うようになり、孤立した修道女たちの唯一の希望となっていく。
第2次世界大戦末期の悲劇的な事件によって傷ついた修道女たちを救うべく尽力した、実在の医師をモデルにしています。
映像は美しいけど、内容は重いです。報酬もなく、仕事も大変なのに、困っている修道女たちを助けていく女性医師の話でした。
宗教観がまた難しい。彼女たちに起きたことが、神の思し召しで、自分に与えた苦難なのかと思い悩んだりするのです。信仰と現実の間で苦しみ、妊娠して子どもを産むことが知れて、修道院が閉鎖されることを恐れているのです。秘密を守ってくれる医師が必要だったのです。
同僚医師役にヴァンサン・マケーニュが出ていて、フランス映画好きな人だと知っている方もいると思うけど、なさけない感じの役が多いのに、ヘアスタイルで雰囲気が違っていました。
主役のルー・ドゥ・ラージュはとっても美しかったですし、修道女たちも皆、美人ばかり。でも、僧衣を着ているので、主要なマリアと院長以外はあまり区別がつかなかったです。

★★★★☆ 4