阿佐ケ谷姉妹ののほほんふたり暮らし2022/01/18


阿佐ケ谷姉妹ののほほんふたり暮らし

「阿佐ケ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」 阿佐ヶ谷姉妹・著 幻冬舎文庫
40代・独身・女芸人の同居生活はちょっとした小競合いと人情味溢れるご近所づきあいが満載。エアコンの設定温度や布団の陣地で揉める一方、ご近所からの手作り餃子おすそわけに舌鼓。白髪染めや運動不足等の加齢事情を抱えつつもマイペースな日々が続くと思いきや……。地味な暮らしと不思議な家族愛漂う往復エッセイ。
お二人とも文章が上手で、面白かったので、すぐに読めました。NHKでドラマにもなっていましたね。阿佐ヶ谷姉妹を大好きと言わなくも、そんなに嫌いという人はいないのじゃないかと思います。タイトルのように「のほほん」という言葉が合うし、一部の芸人と違ってガツガツとしていないところが、私は大好きです。庶民的ではあるけれど、そこはかとなく品があって、間違っても失言などしそうにないです。それは基本的な考え方がちゃんとしていて、裏表がない2人だからです。阿佐ヶ谷の町は、ご近所づきあいも良いというけど、人柄からみんなが親切にしてくれるのではないでしょうか。しかし、この本を読んで、ドラマも見て、2人の性格がもっとよくわかりました。ミホさんは一人が好きで、マイペースだし、エリコさんは人懐っこい感じがしました。今は別々の部屋で、同じアパートを借りて住んでいるそうですが、ちょうど良い距離ですよね。仲は良くても、仕事でも家でも一緒だと大変かも。ミホさんは一人っ子のせいか辛いようで、エリコ過多になるのが苦しいそうです。
エッセイも面白かったですが、ドラマもうまく内容を取り入れていて良かったです。それぞれが短編小説も書いているのですが、面白かったです。

火の華 橋廻り同心・平七郎控22022/01/14


火の華

「火の華 橋廻り同心・平七郎控2」 藤原 緋沙子・著 祥伝社文庫
生き別れになった母への切ない慕情。都落ちし、再起を誓った男女を襲う悲劇。殺された許嫁の仇を狙う男と、その男をひたむきに想い続ける娘の純情。
稲荷橋、なさぬ仲の父と子の絆を結ぶ…。江戸の百二十余橋を預かる橋廻り同心・立花平七郎が、剣と人情をもって悪を裁く、シリーズ第2弾。
藤原緋沙子の本は隅田川御用帳シリーズ以来ですが、短編連作で似ています。でも、こっちのシリーズの主人公の方が魅力的な気がします。情に熱く、剣の腕も立ちます。そこは同じでもありますが、閉職の役割ながら、出しゃばらず、自分の時間を割いています。まわりの協力もかなりあります。特に同僚の秀太がいるから、本来の仕事をまかせて、自分は探索に行ったりしています。平七郎と仕事がしたい船頭もいるし、読売屋のおこうと手代も協力して情報が集まってきます。
哀しい結末もありますが、感動も多い話でした。

恋椿 橋廻り同心・平七郎控12022/01/06


恋椿

「恋椿 橋廻り同心・平七郎控1」 藤原 緋沙子・著 祥伝社文庫
永代橋―桜の季節、愛しい男を待って橋の袂に佇む女。生きる希望を与えてくれた母子のために、命をなげうつ男。島送りになった夫のために春をひさぐ女。仇と追われながらも、清冽な愛を貫く男と女…。北町奉行所の橋廻り同心である立花平七郎と、読売(瓦版)屋の女主人・おこうの人情味あふれる活躍を描く時代小説。
橋廻り同心というのは初めて知りましたが、町奉行所の中で、江戸に125ある橋とその下を流れる川を管理する部門。木槌を用いて、橋桁や欄干などを叩いてチェックします。主人公の平七郎は、師範代を務めた腕の剣客で、元は「黒鷹」と呼ばれ敏腕の定廻り同心だったが、過去の事件の責任を一方的に負わされて、左遷され橋廻り同心となりました。事件に積極的に関与することはできないが、近くで起こる許しがたい事件に首を突っ込んでいきます。平七郎を慕っている読売屋の女主人おこうやその使用人辰吉らと共に事件を追います。ちょっと頼りなさそうだけど、同じ橋廻り同心の秀太も、次第に平七郎を尊敬してきて、協力してくれるようです。シリーズ1巻目で、面白かったです。続きが楽しみです。

ファミレス 上・下2022/01/03




「ファミレス 上・下」 重松 清・著 角川文庫
中学校教師の宮本陽平は、子どもたちが家を出て、妻・美代子との初めての二人暮らし。ある日陽平は、美代子の署名入りの離婚届を見つけてしまう。しかし、彼女に問いただす事もできず、困惑する。
唯一の趣味である料理を通じた友人の一博と康文は、様子のおかしい陽平を心配するが、彼らの家庭も順風満帆ではなく……。
映画「恋妻家宮本」の原作なので、主人公の宮本が、阿部寛を想像して読んでしまいます。でも、内容はかなり違っていました。宮本夫妻の事は似ているけど、友人達の話や設定がかなり違いました。料理教室の仲間は、映画では女性だったし、小説の方は男たちのドタバタ友情物語という感じでした。いろいろなお料理が出てきて美味しそうでした。作者も料理好きなのかなぁと思いました。映画もすごく面白かったですが、原作も個性的な友人達が、良かったから、原作通りで、連続ドラマにしても良さそうです。

2021年本ベスト102022/01/01



1位 立場茶屋おりきシリーズ16~25 今井絵美子 ハルキ文庫
2位 大奥づとめ 永井紗耶子 新潮文庫
3位 隅田川御用帳シリーズ1~18 藤原緋沙子 光文社文庫
4位 猫の傀儡 西條奈加   光文社文庫
5位 荒野の古本屋 森岡督行 小学館文庫
6位 蟻の楽園-アントガーデン  柚月裕子   角川文庫
7位 看取り医 独庵 根津潤太郎 小学館文庫
8位 あきない世傳金と銀8  髙田郁 ハルキ文庫
9位 そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ 文春文庫
10位 キッド 相場英雄 幻冬舎文庫

本は73冊読みました。時代小説が多くなってきました。

火花散る おいち不思議がたり42021/12/20


火花散る

「火花散る おいち不思議がたり」 あさの あつこ・著 PHP文庫
不思議な能力を持つ娘おいちは、父・松庵のような医師になるべく、努力を重ねていた。そんなおいちの前に突然現われ、赤子を産み落として姿を消した女が殺される。その女の、聞こえるはずのない叫びを聞いたおいちは、岡っ引・仙五朗らと力をあわせ、下手人探しをするのだが…。
少し間があいてしまったけど、シリーズ第4弾。
不思議な能力というのは、霊感に近いのかな、説明が難しいけど、危険を察知したり、関係する人の過去が見えたりするのだけど、コントロールするのは難しく不意に体験するような感じです。それで何かを解決してくというわけでもないのですが、人の強い気持ちや想いなどを知ることができたり、隠していることが何かあるのではと、感じるのです。
おいちは、お年頃なので、結婚とかは、どうなるのかな。思い合っていそうな人はいるけど、なかなか進みません。仕事も忙しいし、医師になる事の方が大切なのかもしれませんが、近くで父の手伝いもできるなら、結婚しても良さそうです。今回は、お家騒動に巻き込まれてしまった女性が、産んだ子どもを守るために、身を賭して、その想いを受けて、おいちが悩みながら行動します。岡っ引の仙五朗は、おいちの能力を理解しているようです。父ももちろん理解していて、優しく見守っています。女の医者がほとんどいなかった時代、おいちが、どのように成長していくのか、知りたいです。

ここに立つために 26歳で大腸がんになったプロ野球選手2021/12/16


ここに立つために 26歳で大腸がんになったプロ野球選手

「ここに立つために 26歳で大腸がんになったプロ野球選手」 原田 文仁・著 ベースボール・マガジン社
26歳での大腸がんの宣告。目の前が真っ暗になり、生まれて初めて死を意識した。それでも必死に前を向き、再びグラウンドに舞い戻ってきた男に訪れた奇跡。
阪神タイガースの原口文仁選手の著書です。アフラックのCMで嵐の桜井君と出ていた時があるので、知っている人も多いでしょうか。阪神ファンなら、もちろん知っているでしょう。若くしてがんの宣告を受けて、プロの世界にカムバックしてきたので、阪神ファンは、すぐ目頭が熱くなってしまいます。戻ってきていきなりホームラン打って活躍したり、チャンスに強い選手です。最近は代打での出場が多いです。ポジションはキャッチャーですが、試合によってファーストでの出場が多いです。そのルーツは巨人の阿部慎之助選手に憧れていたようです。原口選手は、埼玉県出身、東京ドームへよく試合観戦に来てきたようです。小学生の頃に、阿部選手と握手している写真がのっていました。
とにかく野球が大好きな少年が、すごい努力するのだけど、楽しくて努力とも思っていないのかもしれないです。横田元選手の本を読んだ時もそうでしたが、プロになる人は、本当に努力家ですね。そうでないと、活躍できない世界でしょう。
秋山、梅野、岩貞、岩崎、陽川と同学年らしく、今活躍している阪神の中心世代です。奥様とのなれ初めも書かれていました。仲が良さそうで、家族を大切にしています。順調に進んでいたプロ生活で、急転直下、人間ドックで大腸がんがみつかるのです。奥様の支えが本当に強かったと思います。
矢野監督や、二軍の平田監督や、掛布監督なども、良い人だなぁと、この本を読んで伝わってきます。他チームの選手との関りも面白いです。広島の鈴木誠也選手も好印象でした。同じく広島の大瀬良とは同い年で、親交はなかったけど、すぐに連絡してきてくれたそうです。野球が大好きで、尊敬する選手たちがいて、原口の人柄も良いから、応援してくれる人がいっぱいいると伝わってくる内容でした。

キッド2021/12/11


KID

「キッド」 相場 英雄・著 幻冬舎文庫
上海の商社マン・王のボディーガードを任された香港在住の元自衛隊員・城戸。王の秘書も連れ降り立った福岡空港で、こちらを見張る刑事の存在に気づく。想定外の事態を訝り始めた矢先、秘書が王を射殺して自死、城戸は殺人の濡れ衣を着せられてしまう。警察は秘密裏に築く監視システムを駆使して城戸を追うが……。
城戸を追う警察、真相を追求しようとする城戸と記者たち、いったい何が起きているのか、城戸が退官した自衛隊で何があったのか、ミステリー仕立てのハードボイルドという感じ。特に前半は、城戸のスキルで警察の裏をかいていくのが面白かったです。後半になってくると敵対する者の姿が見えてくるけど、まだ途中のような気もしました。シリーズなのかな。
人間関係が絡んで、ドラマや映画にしたら、良さそうです。城戸は、香港在住なんだけど、香港の描写が良いです。混沌とした昔の香港らしい地域の良さが、懐かしく読みました。観光で行った事あるだけですけど。

流浪の月2021/12/05


流浪の月

「流浪の月」 凪良 ゆう・著 東京創元社
両親と別れ、母方の叔母の家に引き取られた主人公の家内更紗は、9歳の時、誘拐事件の被害者となった。公園で更紗に声をかけ、一緒にマンションで2ヶ月ほど暮らした19歳の青年・佐伯文はその犯人として逮捕され、誘拐された小学生が警察官に抱えられ泣き叫ぶシーンは居合わせた人の携帯電話で撮影・拡散されていった。実際の状況は違ったものであったが、デジタルタトゥーとなって、勝手なレッテルを貼り続けられる。そして15年が過ぎ、24歳になったある日、更紗は偶然文と再会する。
2020年の本屋大賞受賞作。広瀬すず主演で映画化もするそうです。
主人公の更紗の小さい頃は、幸福に暮らしていたと思うのです。変わっているけど、素敵な両親です。それが崩れてしまうのです。
映画になったら面白いのかもしれませんが、どうも主人公の更紗の行動も納得できないです。恋人への対応の仕方とか、文へ傾倒していくのは良いけど、もっと整理が必要だと思います。みんなが心に傷を負った人たちばかりの話でした。そのせいか、ちょっと暗かったです。でも面白く読めました。映画もどのように映像化するのか、気になります。

新・御宿かわせみ 青い服の女2021/12/01


青い服の女

「新・御宿かわせみ 青い服の女」 平岩 弓枝・著 文藝春秋
大嵐で屋根瓦を吹きとばされ、休業していた旅宿「かわせみ」。修理も終わり、一ヶ月ぶりの店開き、古くからの常連客が今まで通り戻ってきてくれるかと、不安を抱えていたるいだったが…。
第300話を超えたそうです。江戸から明治になって、時代の移り変わりも面白いのですが、そろそろ完結しても良い気もします。自分が読むのが間があいてしまって、思い出すのに苦労しました。新・御宿かわせみになって、どこで終わりを迎えたら良いのか、まだ話は途中な感じがします。今作では、かわせみの次の世代として育ってきた番頭や女中が、困ったことになって、終わり方が中途半端でした。それで良いのかなぁという終わり方で、不満が残りました。まだ続きの展開があるのだと思います。