はなとゆめ2020/02/23


はなとゆめ

「はなとゆめ」 冲方 丁・著 角川文庫
清少納言は28歳にして帝の后・中宮定子に仕えることになる。内裏の雰囲気に馴染めずにいたが、定子に才能を認められていく。やがて藤原道長と定子一族との政争に巻き込まれ……。
ちょっと内容が想像するのは難しい話ではあったけど、女性の立場から、いろいろな考えが描かれていて、作者は男性だけど、女性が書いたような雰囲気がしました。清少納言がまだそのように呼ばれていない頃から、枕草子を描く背景や、人間関係、政治に翻弄される様が、美しい文体で描かれていました。この時代は、本当に歌の意味を理解する読解力が必要だし、古い歌もたくさん知っていて、その時の自分の気持ちを歌で表さないとならないので、すごい大変に思いました。
歌だけを送って、気持ちをくんでもらうって、正しく理解しない人もいるのではないかと思っていまいます。通じ合っている人とは、それだけで深く理解できるようです。逆にだらだらと書くよりも、真意がわかってもらえるのです。
清少納言が、ずーと昔に書いたものが、今でも読まれているのですから、すばらしい表現者だったと思います。その才能を見出してくれた方が、若いのに崇高な人です。今となっては真実はわからないですけど、これを読むと藤原道長を嫌いになります。

珈琲店タレーランの事件簿 32020/02/15


珈琲店タレーランの事件簿 3

「珈琲店タレーランの事件簿3 心を乱すブレンドは」
岡崎琢磨・著 宝島社文庫
関西バリスタ大会に出場した珈琲店タレーランの切間美星は、競技中に起きた異物混入事件に巻き込まれる。出場者同士が疑心暗鬼に陥る中、付き添いのアオヤマと犯人を突き止めるべく奔走する……。
1、2巻とは違って、舞台がほとんどバリスタ大会でした。名探偵・美星が解き明かす推理となって、出場者だったのに、犯人探し役になってしまって、なんか残念です。バリスタとしての実力を発揮するところをもっと読みたかったです。
つまらないわけでもなかったですが、事情が入り組んでいましたので、サッパリしませんでした。

珈琲店タレーランの事件簿1~22020/02/08




「珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら。あなたの淹れた珈琲を」
「珈琲店タレーランの事件簿2 彼女はカフェオレの夢を見る」
岡崎琢磨・著 宝島社文庫
京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店「タレーラン」。恋人と喧嘩した主人公は、偶然入ったこの店で、長年追い求めた理想の珈琲と出会う。
女性バリスタ・切間美星は聡明な頭脳で、店に持ち込まれる日常の謎を、解き明かしていく。
デビュー作がシリーズ化されているのだそうです。短編連作形式で、推理の時のルーティンがあったりして、連続ドラマになりそうな内容でした。
1巻も2巻もバリスタの過去が関係している話がありました。
語り手のアオヤマのことも、バリスタのことも、まだよくわからず、疑問を持ちながら読み進めました。2巻になると、関係性や背景がわかってきました。えっ、どういう事?と驚いたり、納得したりします。あまり恐ろしい事件は起きませんが、ソフトなミステリーでした。
タイトルの副題が、読み終わってみるとこういうことだったのかと思いました。
読みやすくて楽しかったです。表紙の絵がかわいらしいですね。
コーヒーが飲みたくなりました。

燃えよ剣 下2020/01/29



「燃えよ剣 下」 司馬 遼太郎・著 新潮文庫
池田屋事件以来、新選組は京都で活躍する日々。やがて鳥羽伏見の戦いが始まり、薩長の大砲に挑んだ新選組は破れ、江戸へ逃げのびる。しかし、戦いに憑かれた歳三は、剣に導かれるように会津若松へ、函館五稜郭へと戊辰の戦場を血で染めてゆく。
土方歳三の半生を通して、新選組の歴史がわかりやすく語られていました。土方歳三の有名な写真が残った経緯など。
近藤勇や沖田総司の関りなど、新選組の話が人気があるのも納得です。映画ではどのようになっているのか、楽しみです。

燃えよ剣 上2020/01/16



「燃えよ剣 上」 司馬 遼太郎・著 新潮文庫
武州石田村の百姓の子“バラガキのトシ”は、生来の喧嘩師と組織作りの天性によって、浪人や百姓上りの寄せ集めにすぎなかった新選組を、当時最強の集団へと作りあげていく。
新鮮組の話は何度も映画やドラマになっていますが、今度また岡田准一クン主演で映画ができるということで、原作を読んでいます。土方歳三役はイメージではなかったけど、きっとかっこよく演じてくれることでしょう。
上巻は新選組ができる過程や、池田屋事件などです。土方歳三は頭も良くて、直観も働くタイプの人のように思いました。戦うシーンも小説でも迫力やスピードを感じます。

2019年本ベスト102020/01/01



1位 月とコーヒー 吉田篤弘 徳間書店
2位 希望荘 宮部 みゆき 文春文庫
3位 マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ 古内 一絵 中央公論社
4位 あきない世傳金と銀 6~7巻 髙田 郁 ハルキ文庫
5位 はだれ雪上・下  葉室 麟 角川文庫
6位  紅雲町珈琲屋こよみシリーズ5~6巻 吉永  南央 文春文庫
7位  古手屋喜十 為事覚え1~2巻 宇江佐 真理 新潮文庫
8位 天国でまた会おう上・下    ピエール・ルメートル 早川文庫
9位 大川契り 善人長屋 西條 奈加  新潮文庫
10位英雄の書上下・悲嘆の門上中下  宮部 みゆき 新潮文庫

58冊読んだ中で決めました。2018年より10冊少なかったです。

天使の影2019/12/27


天使の影

「天使の影 アドリアン・イングリッシュ1」 ジョシュ・ラニョン・著 
モノクローム・ロマンス文庫
LAでミステリ専門の書店を営みながら小説を書くアドリアン・イングリッシュの元をふたりの刑事が訪れる。従業員であり友人のロバートが惨殺されたのだ。前日レストランで口論して別れたアドリアンに、殺人課の刑事・リオーダンは疑いの目を向ける。アドリアンも調査するのだが、犯人の深い憎悪と狂気はやがてアドリアンに向かう。
シリーズ1作目です。外国の小説にしては日本のライトノベルのような味わいでした。ミステリーが中心だけど、ゲイの話でもあります。なかなか展開していかないので、遅く感じましたけど、読みやすくて良かったです。話は一段落しましたが、まだ1冊目なので、次はどうなっていくのか、気になります。

花ひいらぎの街角2019/12/18


花ひいらぎの街角

「花ひいらぎの街角 紅雲町珈琲屋こよみ」  吉永 南央・著 文春文庫
珈琲豆と和食器の店「小蔵屋」を営むおばあさん、お草さん。
ある日、草のもとに旧友の初之輔から小包が届く。中身は彼の書いた短い小説に、絵を添えたものだった。
これをきっかけに初之輔と再会した草は、彼のために短編を活版印刷による小本に仕立て贈ることにした。そんな中、本作りを頼んだ印刷会社が個人データ流出事件に巻き込まれ、行き詰まる印刷会社を助けることに。その過程で、お草は印刷会社周辺の人々の過去に触れ、ある女性の死にまつわる〝不可解〟を解きほぐすことに……。シリーズ第6弾。
「小蔵屋」で働く体育会系女性の久実にも、縁談があったりしました。
シリーズにすっかり馴染んで、性格もわかるので、その周辺でどんなことが起きているのかと、興味が湧きます。人間関係はちょっと複雑で、つながりが多いです。小蔵屋のディスプレイや出てくる部屋の様子などを想像しながら読むのが楽しいです。サンドイッチ屋さんの焼き豚レタスサンドや、お草さんが作るホッとできるような家庭料理など、おいしそうです。
近くで起きる小さな事件の、絡まった糸を解きほぐしていくようなストーリー。

恋のゴンドラ2019/12/13


恋のゴンドラ

「恋のゴンドラ」 東野 圭吾・著 実業之日本社文庫
浮気旅行で訪れたスキー場のゴンドラで、同棲中の彼女が偶然同乗してくる。ゴーグルを付けているし、バレないままでいけるか……。
真冬に集う男女8人の恋愛模様短編連作。
東野圭吾さんにしては、それほどミステリーではないけど、軽薄で口がうまい人や、朴訥過ぎて恋愛がうまくいかない人など、特に男性たちの性格の違いが際立ちます。殺人や推理はないけど、恋愛のあれこれ、意外に狭い人間関係で、面白く読めました。浮気がバレるかバレないか、ある意味サスペンスでした。

米中開戦32019/12/06


米中開戦 3

米中開戦3」 トム・クランシ―・著 新潮文庫
サイバー空間で強大な力を誇る“センター”とは何なのか。組織なのか。人なのか。その目的は?調査する“ザ・キャンパス”のメンバーたち。そんな中、中国は一方的に南シナ海を封鎖。インドの航空母艦が海域に侵入したとたん、対艦ミサイル四発を発射……。
このシリーズは全4巻なので、3巻はクライマックスなのか、この後、もっといろいろあるのか、とにかくアクションが多かったです。緊迫した状況が続き、映画を見ているような展開でした。まだあっちこっちの出来事で、自分の中では、うまく収集できていないけど、話は盛り上がってきました。
サイバー攻撃や監視など、なんでもできてしまう時代で恐ろしいです。主要な人たちは生き残ってほしいと思います。