人質カノン2020/05/28


人質カノン

「人質カノン」 宮部 みゆき・著 文春文庫
深夜に立ち寄ったコンビニで、ピストル強盗に遭遇。犯人はなぜか赤ちゃんのガラガラを落として逃走。すぐに容疑者が浮かび上がってくるも、疑問を感じる……。
7編の短編集。都会の片隅で起こるちょっとした事件や、人間模様。いじめの話もあって、ちょっと暗めですが、読みやすくて、通勤電車で読むにはプッタリでした。

落花は枝に還らずとも 会津藩士・秋月悌次郎 下2020/05/21



「落花は枝に還らずとも 会津藩士・秋月悌次郎 下」 中村 彰彦・著
中公文庫
会津藩を救うため、秋月悌次郎は左遷の地より復帰、戊辰戦争の苦難が始まった…。
主人公はそれほど表舞台には立っていないのかもしれませんが、時代に翻弄されて、数々の苦難を乗り越えていることがわかります。出世や陰謀とは無縁で、懸命に生きるサムライの生涯が描かれていました。真面目で、温かい人柄です。
敗戦の儀式や、藩を救うための奔走で、功労者です。後年にはラフカディオ・ハーンと交流があり、神のような人と評されています。
難しい内容でしたが、時代が大きく変わっている時に、こういうことがあったのかと思いました。

夢にも思わない2020/05/10


夢にも思わない

「夢にも思わない」 宮部 みゆき・著 角川文庫
毎秋行われる“白河庭園”の虫聞きの会。憧れのクラスメイトのクドウさんが、家族で行くというのを聞いて、主人公の僕も、行ってみることにした。偶然を装って会うはずだったが、庭園で殺人事件が発生。クドウさんと縁がある人が、被害者だった。事件は思いがけない方向へ、僕はクドウさんを守り、親友の島崎と真相を究明しようとするが……。
今夜は眠れない」の続編。頭脳明晰で将棋部エースの親友・島崎が、事件の謎をを解いてくれるのかと思ったら、2人の仲がしっくりいかない、隠し事のない2人だったのに、何があるのかと思って読みました。
等身大の中学生が主人公で、ありえるような事件で、身近に感じました。虫聞きの会といえば向島百花園だけど、清住庭園をイメージしていると思います。両方を混ぜた架空の庭園なのかなぁ。中学生らしく淡い恋や、苦みなどがありました。

今夜は眠れない2020/05/02


今夜は眠れない

「今夜は眠れない」 宮部 みゆき・著 角川文庫
中学1年、サッカー部の僕、ごく普通の平和な我が家。ある日、謎の人物から母に5億円の財産が遺贈された。生活が一変、家族の絆を取り戻すため、僕は親友の島崎と、真相究明に乗り出す。
宮部みゆきさんの現代もの。近所の人や同級生たちの、態度がかわり、見ず知らずの人からも、脅迫電話がかかってきます。両親は仲互い、どうして母に大金が遺されたのか。頼りになって、信頼のおける親友は、シャーロック・ホームズのような聡明さでした。いったいどんな方向へいくのか、わからないまま読みましたけど、しっかりミステリーになっていました。

ヘンタイ美術館2020/04/23


ヘンタイ美術館

「ヘンタイ美術館」 山田 五郎、こやま淳子・著 ダイヤモンド社
ルネサンス、バロック、新古典、ロマン、写実、印象派まで。12人の天才画家たちの話。美術に造詣が深い山田五郎さんが、コピーライターのこやま淳子さんに、説明しながら、対話形式で書かれています。
こやま淳子さんは、有名な画家や絵は知っているのですが、山田五郎さんが、マニアックな知識で教えてくれます。わかりやすく、興味を持つような語り口です。
美術に興味がなくても、絵を見せられると、教科書や印刷物などで、見たことあるというような有名な絵がたくさん出てきます。絵に隠された背景もありますが、どちかというと画家本人のことを知ることによって、どうしてこういう絵を描いたのかということがわかってきます。知ってから実物の絵を見ると、観点が変わると思います。見たことある絵も、もう一度見たくなりました。私はどちらかというと、フランスの画家たちのことが面白かったです。フランス革命の頃から、印象派へいたるまで、知らないことも多かったし、知ってることも更に勉強になりました。
初心者から、美術好きな人まで、面白く読めると思います。

落花は枝に還らずとも会津藩士・秋月悌次郎 上2020/04/18


落花は枝に還らずとも 上

「落花は枝に還らずとも 会津藩士・秋月悌次郎 上」 中村 彰彦・著
中公文庫
時代は幕末。会津藩が京都守護職に就任すると公用方として、任にあたる秋月悌次郎。「日本一の学生」と呼ばれた勉強熱心なサムライである。
薩摩と結び長州排除に成功するも、直後、謎の左遷に遭う…。
真面目で、藩のためを思って任にあたっているのに、こころよく思わない者もいます。裏方的な主人公、時代の流れもあって、翻弄されていくのか、下巻を読まないとまだよくわかりません。登場人物が多くて、誰が誰か、私はよくわからなくなっています。複雑に感じますが、幕末好きな人は面白く感じるのかな。

リターン2020/03/28


リターン

「リターン」 五十嵐 貴久・著 
高尾で発見された手足と顔がない死体は、十年前ストーカー・リカに拉致された本間だった。警察官を殺し、雲隠れしていたリカを追い続けてきたコールドケース捜査班の尚美は、同僚の孝子と捜査に加わる。捜査が難航する中、孝子の恋人、捜査一課の奥山の連絡が途絶えた。彼の自宅に向かった二人が発見したのは…。
「リカ」を読んだのが、かなり前でしたが、まだ話がいろいろ続いているのですね。
陰惨すぎる殺人を次々とやってのけるリカという女性が、とにかく気味悪いのです。感情を持っていないようです。女性だからとあまく見ていると、大変なことになります。しぶといし、妄想癖があります。多重人格なのかもしれません。どうなるのかとハラハラはしますが、なんかスカッとはしないのです。

米中開戦 42020/03/26


米中開戦 4

米中開戦4」 トム・クランシ―・著 新潮文庫
“センター”からアメリカ本土へのサイバー攻撃は苛烈を極めていた。都市インフラを始め、金融システム、原子力発電所、軍事偵察衛星に到るまで、次々と加えられ、アメリカは麻痺寸前で、パニックになりつつある。香港のCIA工作員と共に敵の正体を追いかけていた“ザ・キャンパス”は、ついに尻尾をつかまえる……。
3巻目まで読んで、最後の4巻目を読むのをすっかり忘れていました。全部読んだ気になっていました。新型コロナウィルスの世界的流行で、アメリカと中国の関係はギクシャクしていて、軍事大国がぶつかったら、どうなるのか、想像するだけで恐ろしいです。中でもサイバー攻撃は、人工衛星や原子力など、なんでも操作できる状況で、他国の仕業にみせかけて攻撃することもできるのです。
3巻目から間がちょっとあいてしまったので、諜報機関のメンバーの特徴を忘れてきましたが、それでも最後に向かって、畳み掛けるような展開なので、あっという間に読み進みます。1~2巻あたりの内容が、次々とつながっていくので、面白かったです。どうなるのだろうと心配していたことは、結果が出て、一応の大団円でした。

ダンスシューズが死を招く2020/03/18


ダンスシューズが死を招く

「ダンスシューズが死を招く」 メアリ・H・クラーク 新潮文庫
右足にダンスシューズ、左足はブーツという奇妙な死体が発見された。15年前にも同様の事件があり、犯人は捕まっていない。一方、TVプロデューサーのノーナは、デート相手を募集する個人広告の実態を探る番組を企画し、友人のエリンとダーシーに頼んで個人広告に申し込んでもらっていた。彼女たちは様々な相手と時を過し、結果を報告しあうが、宝飾デザイナーのエリンが姿を消してしまう…。
たくさんの登場人物が出てくるので、初めはゴチャゴチャしましたけど、だんだんわかってきて、誰が怪しいかと思いながら読みました。いかにも怪しい人は違うので、予想通りでしたけど、楽しく読めました。
いつも美しい人が出てきて、ロマンスとサスペンスが絡み合っています。裕福な人が必ず出てきますし、だいたいおしゃれです。おそらく作者がおしゃれな方なんだろうなぁと思います。
今年(2020年)の1月31日に、作者のメアリ・ヒギンズ・クラークがお亡くなりなりました。
たくさんの本を書いて、多くの人が楽しんだと思います。私も結構読んだつもりですが、まだ読んでいない本を、これから大事に読んでいきます。

死者の囁き2020/03/07


死者の囁き

「死者の囁き アドリアン・イングリッシュ2」ジョシュ・ラニヨン・著 
モノクローム・ロマンス文庫
シリーズ第二弾。前作で知り合った刑事のジェイク・リオーダンとの関係に悩むアドリアンは、小説執筆のため、祖母が遺した牧場へ向かうと、道ばたで死体を発見する。だがその死体は保安官が来た時には跡形もなくなっていた。敷地内では、学者たちによる発掘作業が行われており、謎の事件が起こりはじめる。アドリアンを追ってジェイクも牧場へやってくる……。
前作に続き、事件に巻き込まれる主人公。どんどん謎が増えてきて、その間にアドリアンとジェイクの関係にも変化が生じていきます。挿絵が時々入っていて、BL(ボーイズラブ)なイラストなので、電車の中で読んでいたら、ちょっと恥ずかしいです。事件は、なかなか解決せず、ちょっと長ったらしい感じもしましたけど、その間に2人の気持ちを確認しあう内容なのかなぁと。刑事がそんなに休暇を取っていられるのかと疑問ですが、郊外の牧場でも、殺人事件の調査をしていました。