リターン2020/03/28


リターン

「リターン」 五十嵐 貴久・著 
高尾で発見された手足と顔がない死体は、十年前ストーカー・リカに拉致された本間だった。警察官を殺し、雲隠れしていたリカを追い続けてきたコールドケース捜査班の尚美は、同僚の孝子と捜査に加わる。捜査が難航する中、孝子の恋人、捜査一課の奥山の連絡が途絶えた。彼の自宅に向かった二人が発見したのは…。
「リカ」を読んだのが、かなり前でしたが、まだ話がいろいろ続いているのですね。
陰惨すぎる殺人を次々とやってのけるリカという女性が、とにかく気味悪いのです。感情を持っていないようです。女性だからとあまく見ていると、大変なことになります。しぶといし、妄想癖があります。多重人格なのかもしれません。どうなるのかとハラハラはしますが、なんかスカッとはしないのです。

米中開戦 42020/03/26


米中開戦 4

米中開戦4」 トム・クランシ―・著 新潮文庫
“センター”からアメリカ本土へのサイバー攻撃は苛烈を極めていた。都市インフラを始め、金融システム、原子力発電所、軍事偵察衛星に到るまで、次々と加えられ、アメリカは麻痺寸前で、パニックになりつつある。香港のCIA工作員と共に敵の正体を追いかけていた“ザ・キャンパス”は、ついに尻尾をつかまえる……。
3巻目まで読んで、最後の4巻目を読むのをすっかり忘れていました。全部読んだ気になっていました。新型コロナウィルスの世界的流行で、アメリカと中国の関係はギクシャクしていて、軍事大国がぶつかったら、どうなるのか、想像するだけで恐ろしいです。中でもサイバー攻撃は、人工衛星や原子力など、なんでも操作できる状況で、他国の仕業にみせかけて攻撃することもできるのです。
3巻目から間がちょっとあいてしまったので、諜報機関のメンバーの特徴を忘れてきましたが、それでも最後に向かって、畳み掛けるような展開なので、あっという間に読み進みます。1~2巻あたりの内容が、次々とつながっていくので、面白かったです。どうなるのだろうと心配していたことは、結果が出て、一応の大団円でした。

ダンスシューズが死を招く2020/03/18


ダンスシューズが死を招く

「ダンスシューズが死を招く」 メアリ・H・クラーク 新潮文庫
右足にダンスシューズ、左足はブーツという奇妙な死体が発見された。15年前にも同様の事件があり、犯人は捕まっていない。一方、TVプロデューサーのノーナは、デート相手を募集する個人広告の実態を探る番組を企画し、友人のエリンとダーシーに頼んで個人広告に申し込んでもらっていた。彼女たちは様々な相手と時を過し、結果を報告しあうが、宝飾デザイナーのエリンが姿を消してしまう…。
たくさんの登場人物が出てくるので、初めはゴチャゴチャしましたけど、だんだんわかってきて、誰が怪しいかと思いながら読みました。いかにも怪しい人は違うので、予想通りでしたけど、楽しく読めました。
いつも美しい人が出てきて、ロマンスとサスペンスが絡み合っています。裕福な人が必ず出てきますし、だいたいおしゃれです。おそらく作者がおしゃれな方なんだろうなぁと思います。
今年(2020年)の1月31日に、作者のメアリ・ヒギンズ・クラークがお亡くなりなりました。
たくさんの本を書いて、多くの人が楽しんだと思います。私も結構読んだつもりですが、まだ読んでいない本を、これから大事に読んでいきます。

死者の囁き2020/03/07


死者の囁き

「死者の囁き アドリアン・イングリッシュ2」ジョシュ・ラニヨン・著 
モノクローム・ロマンス文庫
シリーズ第二弾。前作で知り合った刑事のジェイク・リオーダンとの関係に悩むアドリアンは、小説執筆のため、祖母が遺した牧場へ向かうと、道ばたで死体を発見する。だがその死体は保安官が来た時には跡形もなくなっていた。敷地内では、学者たちによる発掘作業が行われており、謎の事件が起こりはじめる。アドリアンを追ってジェイクも牧場へやってくる……。
前作に続き、事件に巻き込まれる主人公。どんどん謎が増えてきて、その間にアドリアンとジェイクの関係にも変化が生じていきます。挿絵が時々入っていて、BL(ボーイズラブ)なイラストなので、電車の中で読んでいたら、ちょっと恥ずかしいです。事件は、なかなか解決せず、ちょっと長ったらしい感じもしましたけど、その間に2人の気持ちを確認しあう内容なのかなぁと。刑事がそんなに休暇を取っていられるのかと疑問ですが、郊外の牧場でも、殺人事件の調査をしていました。

珈琲店タレーランの事件簿 42020/03/03


珈琲店タレーランの事件簿4

「珈琲店タレーランの事件簿4 ブレイクは五種類のフレーバーで
岡崎琢磨・著 宝島社文庫
珈琲店タレーランの庭にあるレモンの樹は、バリスタ美星にとって、亡き大叔母との、思い出がある。短編形式で5つの事件やエピソード。
立場が違う人たちが語り手となっていて、気軽に読めて、良かったです。タレーランの猫・シャルルの話など、事件と言うほどでもなくて、身の回りの謎を解きほぐしてくれます。

はなとゆめ2020/02/23


はなとゆめ

「はなとゆめ」 冲方 丁・著 角川文庫
清少納言は28歳にして帝の后・中宮定子に仕えることになる。内裏の雰囲気に馴染めずにいたが、定子に才能を認められていく。やがて藤原道長と定子一族との政争に巻き込まれ……。
ちょっと内容が想像するのは難しい話ではあったけど、女性の立場から、いろいろな考えが描かれていて、作者は男性だけど、女性が書いたような雰囲気がしました。清少納言がまだそのように呼ばれていない頃から、枕草子を描く背景や、人間関係、政治に翻弄される様が、美しい文体で描かれていました。この時代は、本当に歌の意味を理解する読解力が必要だし、古い歌もたくさん知っていて、その時の自分の気持ちを歌で表さないとならないので、すごい大変に思いました。
歌だけを送って、気持ちをくんでもらうって、正しく理解しない人もいるのではないかと思っていまいます。通じ合っている人とは、それだけで深く理解できるようです。逆にだらだらと書くよりも、真意がわかってもらえるのです。
清少納言が、ずーと昔に書いたものが、今でも読まれているのですから、すばらしい表現者だったと思います。その才能を見出してくれた方が、若いのに崇高な人です。今となっては真実はわからないですけど、これを読むと藤原道長を嫌いになります。

珈琲店タレーランの事件簿 32020/02/15


珈琲店タレーランの事件簿 3

「珈琲店タレーランの事件簿3 心を乱すブレンドは」
岡崎琢磨・著 宝島社文庫
関西バリスタ大会に出場した珈琲店タレーランの切間美星は、競技中に起きた異物混入事件に巻き込まれる。出場者同士が疑心暗鬼に陥る中、付き添いのアオヤマと犯人を突き止めるべく奔走する……。
1、2巻とは違って、舞台がほとんどバリスタ大会でした。名探偵・美星が解き明かす推理となって、出場者だったのに、犯人探し役になってしまって、なんか残念です。バリスタとしての実力を発揮するところをもっと読みたかったです。
つまらないわけでもなかったですが、事情が入り組んでいましたので、サッパリしませんでした。

珈琲店タレーランの事件簿1~22020/02/08




「珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら。あなたの淹れた珈琲を」
「珈琲店タレーランの事件簿2 彼女はカフェオレの夢を見る」
岡崎琢磨・著 宝島社文庫
京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店「タレーラン」。恋人と喧嘩した主人公は、偶然入ったこの店で、長年追い求めた理想の珈琲と出会う。
女性バリスタ・切間美星は聡明な頭脳で、店に持ち込まれる日常の謎を、解き明かしていく。
デビュー作がシリーズ化されているのだそうです。短編連作形式で、推理の時のルーティンがあったりして、連続ドラマになりそうな内容でした。
1巻も2巻もバリスタの過去が関係している話がありました。
語り手のアオヤマのことも、バリスタのことも、まだよくわからず、疑問を持ちながら読み進めました。2巻になると、関係性や背景がわかってきました。えっ、どういう事?と驚いたり、納得したりします。あまり恐ろしい事件は起きませんが、ソフトなミステリーでした。
タイトルの副題が、読み終わってみるとこういうことだったのかと思いました。
読みやすくて楽しかったです。表紙の絵がかわいらしいですね。
コーヒーが飲みたくなりました。

燃えよ剣 下2020/01/29



「燃えよ剣 下」 司馬 遼太郎・著 新潮文庫
池田屋事件以来、新選組は京都で活躍する日々。やがて鳥羽伏見の戦いが始まり、薩長の大砲に挑んだ新選組は破れ、江戸へ逃げのびる。しかし、戦いに憑かれた歳三は、剣に導かれるように会津若松へ、函館五稜郭へと戊辰の戦場を血で染めてゆく。
土方歳三の半生を通して、新選組の歴史がわかりやすく語られていました。土方歳三の有名な写真が残った経緯など。
近藤勇や沖田総司の関りなど、新選組の話が人気があるのも納得です。映画ではどのようになっているのか、楽しみです。

燃えよ剣 上2020/01/16



「燃えよ剣 上」 司馬 遼太郎・著 新潮文庫
武州石田村の百姓の子“バラガキのトシ”は、生来の喧嘩師と組織作りの天性によって、浪人や百姓上りの寄せ集めにすぎなかった新選組を、当時最強の集団へと作りあげていく。
新鮮組の話は何度も映画やドラマになっていますが、今度また岡田准一クン主演で映画ができるということで、原作を読んでいます。土方歳三役はイメージではなかったけど、きっとかっこよく演じてくれることでしょう。
上巻は新選組ができる過程や、池田屋事件などです。土方歳三は頭も良くて、直観も働くタイプの人のように思いました。戦うシーンも小説でも迫力やスピードを感じます。