それでも私は生きていく ― 2023/06/01
「それでも私は生きていく」 シネスイッチ銀座
シングルマザーのサンドラ(レア・セドゥ)は、通訳の仕事をしながら8歳の娘とパリで暮らしている。父ゲオルグ(パスカル・グレゴリー)は病気もあって、視力と記憶を失いつつある。哲学の教師だった父が変わっていくのが辛い。頻繁に訪ねては父の世話もしなければならない。子育て、仕事など日々忙しさに追われているが、旧友のクレマン(メルヴィル・プポー)と再会し、恋に落ちる。
レア・セドゥが、パリに暮らす等身大の女性を演じていて、ピッタリです。すごく普通っぽいのに、さすがはボンドガールも演じるカリスマ女優、美しいです。ファッションはカジュアルだけど、オシャレです。すごい悲劇的な内容ではないと思うけど、主人公の辛い気分が、伝わってきます。頑張っているけど、ままならない父の状況や、恋愛模様、娘との関係は良好で愛情をかけている事がわかります。モンマルトルに出かけたり、オランジェリー美術館にデートに行ったり、さすがはパリ、羨ましいです。
★★★★☆ 4+
東京珈琲ロール ― 2023/06/02
友人と有楽町イトシアの“珈琲茶館集”でケーキとコーヒー。東京珈琲ロールとコーヒーはブラジル。珈琲ロールの周りの茶色のはコーヒーゼリー。白いステック状のはメレンゲ。
蒼路の旅人 ― 2023/06/03
「蒼路の旅人」 上橋 菜穂子・著 新潮文庫
新ヨゴ国のチャグム皇太子は、若者に成長。帝との対立もあり、祖父を助けるために、罠かもしれないと思いつつ、大海原へ飛び出していく。強国のタルシュ帝国が迫りつつあり、隣国のサンガルはどうなるか、新ヨゴ国の未来を模索する。
まだ少年だったチャグムは、命を狙われてバルサと共に旅をした過去が、チャグムを大きく変えた事がわかります。国の外を知らなかったひ弱かった男の子が、立派になって、応援したくなりました。この話は、ドラマでもありましたが、タルシュ帝国は残忍で強大で、とても敵わないと思えました。このシリーズは、旅人と言うタイトルは、チャグムが中心でバルサが出てこないのですね。
気になりところで終わったので、チャグムの次なる成長も見守りたいです。
アフターサン ― 2023/06/04
「アフターサン」 ヒューマントラストシネマ渋谷
離婚した妻と暮らしている11歳の娘ソフィ(フランキー・コリオ)と父カラム(ポール・メスカル)は、ひと夏の休暇を過ごす為に、トルコへ。ビデオで撮影しあったり、海に行ったり、ビリヤードをしたりする。何気ないけど、濃密な時間、大好きな父、最愛の娘、切なくも儚さが漂う忘れない夏。
大きくなったソフィが、振り返るシーンもありました。説明はほとんどなく、淡々と映像を見ていく感じでした。カラムは腕にギブスをしているし、どうしたんだろうと思いつつ、だんだんわかってくる事もあります。でも想像にお任せと言うところも多かったです。ソフィ役の女の子、可愛いいです。少女から大人になりつつある思春期の複雑な心情が伝わってきます。
★★★★☆ 4
ハンバーグライス ― 2023/06/05
東銀座の“AOI(エーオーアイ)”にてハンバーグライス。ハンバーグも美味しいけど、付け合わせのサラダも良いです。ドレッシングやポテトサラダなど。ハンバーグのソースは生姜とすりおろし玉ねぎが入っていると思われる和風ソース、さっぱりして好きです。
苦い涙 ― 2023/06/06
「苦い涙」 ヒューマントラストシネマ渋谷
映画監督のピーター(ドゥニ・メノーシェ)は、助手のカール(ステファン・クレポン)を使用人の様に扱いながら暮らしている。ある日、親友の大女優シドニー(イザベル・アジャーニ)が一人の青年アミール(ハリル・ガルビア)を紹介する。若く美しいアミールに心奪われたピーターは、自分のアパルトマンに住まわせ、映画界で活躍できるように面倒を見るが……。
若い男に恋した太った中年男が、翻弄されまくり、悶え苦しむ映画。ピーターもアミールも自分勝手で、あきれてしまうが、歪な関係が、ほぼ1つの部屋の中で展開していきます。私が気に入ったのは、助手のカール、甲斐甲斐しく働いて、身のこなしが美しいです。ちょっと何考えているかわからないけど、良かったです。イザベル・アジャーニを久しぶりに見ました。大女優役に、ピッタリです。アミールは、カラバッジヨの絵画に出てきそうな美少年でした。ちょっと顔が濃いです。
ピーターはだんだん支離滅裂な行動や言動をしていき、家族にも冷たい態度をとります。恋とは困ったものです。
★★★☆☆ 3+
活版印刷三日月堂 星たちの栞 ― 2023/06/07
「活版印刷三日月堂 星たちの栞」 ほしお さなえ・著 ポプラ文庫
埼玉県の川越、蔵造りの街並みの中に、古びた印刷所「三日月堂」がある。店主夫婦亡き後は、閉まっていたが、孫娘の弓子さんが、戻って来て再開する事になった。活字を拾って手作業で言葉を印刷する昔ながらの活版印刷。いろいろな悩みを抱えたお客様が、活版印刷によって、心を解きほぐしていく。
活版印刷の事がよくわかります。古い方法だけど温かみがあり、ショップカードや栞など、アイデアを駆使して、お客様の望むものを一緒に考えます。
語り手は、店主の弓子ではなく、依頼者になっていて、それぞれの想いを形にしていき、迷いや悩みも解決していきます。弓子は学生時代から手伝いをしていだそうで、一つの依頼を受けた事をキッカケに、三日月堂を復活させる事になります。周囲の人達の人間関係が良かったです。
豆漿鶏湯麺 ― 2023/06/08
“春水堂”銀座店にて、豆漿鶏湯麺(トウジャンジータンメン)、豆乳と黒酢の温かい汁麺。パクチーが合います。美味しかったです。
怪物 ― 2023/06/09
「怪物」 TOHOシネマズ日比谷
大きな湖のある郊外の町。息子と暮らすシングルマザー、生徒思いの教師、平穏な日常が、次第に壊れていく。学校でのケンカ、謝罪してすまそうとする教師たち、すれ違う主張。次第にメディアも巻き込んだ大事へと発展していく。
タイトルから想像しても、どんな話なのか想像がつかず、泣けるのかと思ったら、私は泣けるところはなかったです。でも面白かったです。何が起こっているのか、子ども達も、先生達も、不可解でした。繋がりが少しずつしかわからないから、ミステリアスです。でも次第にそれぞれの立場から見た情景がわかってきて、点が線となって繋がっていきます。子ども達の気持ちがわかると、納得できました。是枝裕和監督作品は、いつも子役が光っています。学校という場所は、残酷だったりしますが、純粋さも垣間見えます。同じ女性のせいか、安藤サクラの立場だったら、辛いなぁと思います。子どもを心配しながらも、意味がわからないからです。子ども自身が説明がつけられないし、変な態度をとってしまう気持ちはわかるけど、学校側の対応にもびっくりです。永山瑛太や田中裕子、いつもの是枝監督作品とは出ている人も違いました。坂本龍一の音楽も良かったです。
★★★★☆ 4
銀座「四宝堂」文房具店 ― 2023/06/10
銀座「四宝堂」文房具店 上田 健次・著 小学館文庫
銀座のとある路地の先に、天保5年創業の文房具店「四宝堂」がある。店を1人で切り盛りするのは、まだ若い青年・宝田硯。様々な悩みを抱えたお客が、店を訪れる。両親に代わり育ててくれた祖母に、感謝の気持ちを伝えようとする青年。今日中に退職願を書かなければならない女性など。文房具と店主のアドバイスで、心を解きほぐしていく。
作者は違うけど「活版印刷三日月堂」の設定に似ていました。手紙が多く出てくるし、文房具が好きたから、面白かったです。近くに素敵な喫茶店もあるようです。悩める人に文房具屋の店主は親切過ぎます。美味しいお茶とお菓子を振る舞ってくれます。文房具もいろいろ出てきました。これは続きはないのかな。店主が何考えているかわからないところがあり、話としても、まだ続きそうな気がします。
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