おばあちゃんと僕の約束 ― 2025/06/22

「おばあちゃんと僕の約束」 シネスイッチ銀座
タイ・バンコク。大学を中退してゲーム実況者を目指すエム(プッティポン・アッサラッタナクン)は、従妹のムイが祖父から豪邸を相続したことを知り、自分も楽をして暮らしたいと考えるように。そんな中、お粥を売って生計を立てているひとり暮らしの祖母(ウサー・セームカム)が、ガンに侵されていることが判明。おばあちゃんの家へ行って、信頼を得ようとする。慎ましく生きる姿や考えに触れていく。
ちょっとネタバレしますので、知りたくない方は、鑑賞後に読んでください。
まずタイの映画を久しぶりに観たので、街並みや慣習など、興味深かったです。他のアジアにも似ているけど、独特なところもありました。
話はハートウォーミングな内容で、おばあちゃんの子や孫を思う気持ちが深くて良かったです。
中心となるエムは、設定上ですが、ちょっと嫌な奴です。不真面目で、おばあちゃんの遺産目当てで、慎ましい祖母にはそんなに遺産もないけど、家を狙っているし、主人公なのに、好きになれない状況が長いです。そうは言っても、おばあちゃんと暮らすうちに、成長していくのですが、母に言わないように言われていた事も言ってしまうし、お世話になった祖母に対して失礼なところがありました。でも憎めないキャラクターで、変わっていく姿は、上手いです。タイではミュージシャンでもあるスターなんだそうです。祖母役の人はこの映画で俳優デビューと言うのは驚きです。こちらも好演でした。祖母の子ども達・エムのおじたちも、問題を抱えていて、自分の母親に対して、あんまりじゃないかなと思うところもありました。終わってみたら、良い話でしたが、途中はモヤモヤしました。
はじめのシーンと、最後のシーンが繋がっていくのも、見事でした。
★★★★☆ 4
ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング ― 2025/06/15

「ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング」 TOHOシネマズ新宿 字幕
前作の続きで、世界の命運を握る鍵を手にしたイーサン・ハント(トム・クルーズ)。その鍵によって導かれていくイーサンとそのチーム。望むと望まざるも、人類が滅亡するかもしれない事態を前に、阻止すべく、少ないチャンスに賭ける。
スピーディーなアクションで、いつものように楽しめました。巨大な敵があって、それを利用しようとするもの、政府の人間、警察関係と、いろいろ登場人物がいるし、敵なのか味方なのか、ちょっと複雑でした。もっと単純で、スカッとするだけのアクションでも良いのになぁと思ったりします。
しかし、深海のシーンや飛行機のチェイス、どうやって撮影しているのか、相変わらずのトム・クルーズ映画でした。
★★★★☆ 4
サンダーボルツ ― 2025/06/06

「サンダーボルツ」 TOHOシネマズ上野
姉を失い空虚ない日々を送っていた暗殺者のエレーナ(フローレンス・ピュー)は、CIA長官ヴァレティーナからの指令を受けて、ある施設に向かう。そこには同じくヴィレンティーナから集められた者たちと謎の男ボブもいた。思わぬ危機が訪れた事で一同は協力して窮地を脱出する。エレーナの父とヴァレンティーナを探っていたバッキーが合流し、即席のチームを組み、ニューヨークに起こる脅威に立ち向かう。
上映が終わりそうなので、急いで観に行きました。アメリカでは大ヒットしても、日本では上映が少なくなっています。謎の男ボブは、記憶喪失で一般人っぽいが、何者なのか、他のメンバーは暗殺集団みたいな、猛者たちなのに。中心となるエレーナは、父に向かって感傷的だし、どういう心理なのかよくわからなかったです。マーベルのシリーズを全部観ているわけではないから、関連があってもよくわからなかったです。気楽なアクション映画を観に行ったつもりだけど、なんだか精神的に病んでいる人を救おうとしたり、はっきりした敵がわかりにくい、更に悪い奴が裁かれないような気もして、面白いけど、モヤモヤするところもありました。
★★★☆☆ 3+
秋が来るとき ― 2025/06/01

「秋が来るとき」 TOHOシネマズシャンテ
80歳のミシェル(エレーヌ・ヴァンサン)は、パリで生活を終え、いまは自然豊かなブルゴーニュの田舎でひとり暮らし。近所に親友のマリー=クロード(ジョジアーヌ・バラスコ)がいて、しょっちゅう会っている。休暇を利用して娘(リュディビーヌ・サニエ)と孫がミシェルのもとを訪れるが、ミシェルが振る舞ったキノコ料理が引き金となって、それぞれの過去が浮き彫りになっていく。
ミシェルにとっては最愛の孫、しかし、母娘の関係はうまくいってない様子です。ミシェルの過去に、問題があるようですが、愛情は持っているはずです。マリー=クロードの息子のヴァンサンが絡んで、物語はあらぬ方向へ。どうなるのかと最後までハラハラしました。ブルゴーニュの美しい自然で、人生の晩年を穏やかに暮らす話を望んでいたけど、フランソワ・オゾン監督は、そう簡単にはいきません。人生の悲哀に満ちた話でした。
孫のルカくん、美形でした。フランスのおばあさんは、ファッションがおしゃれです。家の中や、お料理も素敵でした。ヴァンサンは良い人なのか、悪い人なのか、よくわからなかったです。あえて観客に考えさせているのかも。それぞれが、どうするべきか選択を迫られました。
★★★★☆ 4
クィアQUEER ― 2025/05/17

「クィアQUEER」 ヒューマントラストシネマ有楽町
1950年代メキシコシティ。退屈な日々を酒や薬でやりすごしていたアメリカ人ウィリアム・リー(ダニエル・クレイグ)は、美しくミステリアスな青年ユージーン・アラートン(ドリュー・スターキー)を見かけ、一目で恋に落ちる。ユージーンも応えてくれるものの、リーの想いはつどっていくばかり。やがてリーはユージーンを誘って人生を変える体験をしようと、南米
の旅に出る…。
007のダニエル・クレイグが、若い男にメロメロになっていく様子が意外です。ユージーン役のドリュー・スターキーが細マッチョでカッコイイ。いつも涼しい顔をしていて、ちょっと何を考えているか、わからないんだけど、クールな魅力が爆発しています。
「裸のランチ」などの作者ウィリアム・S・バロウズの自伝的小説だというので驚きます。だいたいお酒飲んでベロベロになっていて、タバコをスパスパしていました。
監督は「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ。後半になってくると、いったい何を見せられているんだろうと思いつつ、幻想的な映像になっていきます。メキシコシティが絵になり、バーやファッションがオシャレでしたが、好みは分かれそうな映画でした。
★★★★☆ 4
パディントン 消えた黄金郷の秘密 ― 2025/05/13

「パディントン 消えた黄金郷の秘密」 TOHOシネマズ日比谷 字幕
パディントンは老グマホームで暮らすルーシーおばさんに会いに、ブラウン一家とともに故郷ペルーへやって来る。しかし、ルーシーおばさんは眼鏡と腕輪を残して失踪していた。パディントンたちは、おばさんが残した地図を手がかりに、インカの黄金郷があるというジャングルに向かうが、そこにはパディントンの秘密が…。
シリーズ3作目。パディントンの毛並みや瞳などは、リアルでよく描かれています。実際はどのように撮影しているのかは知らないですが、パディントンが本当にいるように演技していますし、絡んでいます。
パディントンを観る理由はロンドンの街並みを見る事が好きだから、でも今回はペルーが中心でしたが、自然豊かで遺跡も良かったです。蜘蛛嫌いな人は怖いかもしれません。今回はアントニオ・バンデラスも出演、あと今回からブラウン家のお母さん役が変わっていたそうで、サリー・ホーキンスから、エミリー・モーティマーになっています。どちらも良かったけど、続けて観たら、違和感あるかもしれません。私は期間があいているから、気にならないです。老グマホームのシスターはオリヴィア・コールマンで、「エンパイア・オブ・ライト」や「ファーザー」のようなシリアスな演技とは違って、コメディタッチでした。パディントンはいつも危険な目に遭いますが、なんとかなってしまうので、安心して観ることができます。ゆるめな展開だけど、楽しめました。
★★★★☆ 4-

映画館にあったフォトスポット。
来し方 行く末 ― 2025/05/09

「来し方 行く末」 シネスイッチ銀座
脚本家デビューが目指しながら、夢がかなわなかったウェン・シャン(フー・ゴー)は、不思議な同居人シャオイン(ウー・レイ)と暮らしながら、葬儀場での弔辞の代筆業で生計を立てている。丁寧な取材に基づいた弔辞は好評だが、本人はこのままで良いのかと、自問自答していた。同居していた父と交流が少なかった男性や、ともに起業した友人の突然死に戸惑う男性、余命宣告を受けた女性が、自分で弔辞を予約するなど、様々な依頼人と交流していく……。
中国映画、とってもゆったりとしていました。弔辞の内容は詳しくは紹介されないけど、もの静かな主人公が、悩みつつも、いろいろ考えます。依頼人の事や、自分の将来など。同居人がかわいい男の子だったけど、冒頭から違和感がありました。ちょっと退屈でもあるけど、何とも言えない雰囲気が良くて、癒し系の映画でした。亡くなった人と真摯に向かいあって、遺された人の事まで、配慮しているのでしょう。真面目に仕事をしていきます。あまりお涙頂戴にはしていないのです。
★★★★☆ 4-
ベテラン 凶悪犯罪捜査班 ― 2025/05/06

「ベテラン 凶悪犯罪捜査班」 角川シネマ有楽町
ベテラン刑事ソ・ドチョル(ファン・ジョンミン)と、凶悪犯罪捜査班の刑事たち。法では裁かれなかった悪人が連続して殺された。不条理な司法制度に憤っていた世論は、伝説の生き物“ヘチ”と呼び、正義の英雄ともてはやすようになる。新人刑事パク・ソヌ(チョン・ヘイン)が加わり、事件は解決に近づくかのように見えたが……。
「ベテラン」の続編、相変わらずのスピーディーなアクション、展開が早くて飽きさせません。痛そうなシーンが多かったです。シリアスな状況の中にも、ちょっとした笑いも入っています。ファン・ジョンミン、いつも良いですね。まだ続くのかもしれないです。
★★★★☆ 4
メイデン ― 2025/04/27

「メイデン」 シアターイメージフォーラム
カナダ・カルガリー郊外に住む高校生カイルとコルトン。住宅街をスケボーで疾走したり、渓谷で水遊びに興じたりと、気ままに過ごす日々。そんな日がずっと続くと思っていたが、取り返しがつかない悲劇に見舞われる。その頃、同じ高校の少女・ホイットニーは行方不明になっていた。人間関係に悩み、切実な心情を日記に綴っていた。
孤独と喪失感に苛まれる少年、少女の物語。
カイル役のジャクソン・スルイターが、「スタンド・バイ・ミー」当時のリバー・フェニックスに似ています。おまけに線路を歩いたりするから、何か意識しているのかな。青春映画なんだけど、死の影が漂っています。喪失と再生の物語なのかもしれないけど、再生はどうなんだろう。友情、孤独、喪失の悲しみが描かれています。コルトンの辛い気持ちが中心になっているけど、不思議な現象もありました。
わかりやすくはないけど、印象深い映画でした。なんといっても、構図が秀逸です。粒子の粗いフィルムで、青春のみずみずしさやカナダの自然は良かったです。でもちょっと眠気を誘いました。
★★★★☆ 4
ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今 ― 2025/04/16

「ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今」TOHOシネマズ日比谷
弁護士のマーク(コリン・ファース)は4年前にスーダンの人道支援活動中に命を落とし、2人の子供の母親ながらシングルになったブリジット(レネー・ゼルウィガー)。立ち直れない日々を過ごしていたが、親友たちや元カレのダニエルにも支えられ、仕事に復帰。更に公園で出会った若い男性といい感じになるのだが……。
9年ぶりで4作目らしい。いつも観てきたから、一応観に行く。亡くなった設定のコリン・ファースは出てこないのかと思ったら、意外に出演シーンがありました。よく見ると過去作品のファッションを意識したものが多かったです。チラリとトナカイのセーターも出てました。
他作品同様に、バタバタとして、ブリジットの失敗やらダメダメそうな様子が出ていますが、後味が良い作りになっていました。ちょい下品過ぎる会話や、本音がバリバリ出ています。
昔の作品の画像が出たら、ヒュー・グラントはカッコよかったなぁと思いました。私はコリン・ファースの方が好きですけど。
都合よく話が進みますが、楽しめました。
★★★★☆ 4-
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