ソウルフルワールド2024/04/22



「ソウルフルワールド」 TOHOシネマズ日本橋 吹替版
ニューヨークでジャズミュージシャンを夢見ながら音楽教師をしているジョーは、ついに憧れのジャズクラブで演奏するチャンスを手にする。しかし、その直後にマンホールに落下してしまい、ソウル(魂)たちの世界に迷いこむ。そこには現世に生まれる前のソウルたちがいた。人間として生まれるのを拒み続けている22番と呼ばれるソウルの担当になったジョー。生きる目的を見つけられない22番と、夢をかなえるために元の世界に戻りたいジョー。正反対の2人の冒険が始まる。
死後の世界と言うか、まだその直前の所で、アレコレ足掻いていた結果、22番と出会って協力を頼む。今までは誰が担当しても、22番は頑なにソウルの世界にい続けたのに、思いがけないトラブルが起きます。ちょっと笑ってしまう事が次々と出てきました。笑えるけど、テーマは生きることの喜びとは何かと言うこと。心揺さぶられるというほどではないけど、ささやかな瞬間にも人生のきらめきがあるのではと思わせてくれました。22番のその後ももっと知りたかったです。ジャズの演奏はかっこ良かったです。

★★★★☆ 4

パストライブス/再会2024/04/20



「パストライブス/再会」 TOHOシネマズ日比谷
ソウルに暮らす12歳のノラとヘソン。お互いに思い合っていたが、ノラが家族で海外移住する事になり、離れ離れに。24歳の時にオンラインで再会を果たす。ニューヨークとソウル、簡単に会えずに、すれ違ってしまう。更に12年後、ノラはアーサーと結婚しているが、ヘソンはノラに会う為に、ニューヨークを訪れる。24年ぶりに実際に会った2人の再会の7日間……。
アメリカ、韓国の合作。大人の恋愛ものと言う感じがしました。時間は経過していくけど、映画は割とゆったりとしていました。じっくり撮っているというか。セリフは少な目で、表情やしぐさから心情が伝わるのが良かったです。でもどこかクールなノラの気持ちはよくわからないけど、揺れ動いているのも伝わるところがありました。韓国を体現していれようなヘソン。韓国を離れ、自由な思想を持つノラ。夫婦ともにライターなので、会話がシャレています。旦那さんはノラの事が大好き、心配しつつ優しく見守っています。ニューヨーク観光も素敵です。会話に出てくるだけだけど、韓国の会社って大変そうです。男性は兵役もあるし。
この映画は終わり方が良いです。オープニングも良かったけど、終わり方で全体がまとまりました。

★★★★☆ 4+

クラユカバ2024/04/17



「クラユカバ」丸の内TOEI
私立探偵の壮太郎(声:神田伯山)は、人探しの為、情報屋の少女に協力してもらうが、戻ってこない。その頃、世間を騒がす集団失踪事件が頻発していた。目撃者なし、意図も不明。現場には不気味な轍が残っていた。手がかりを求め、荘太郎は街の地下領域・クラガリへと潜り込む。そこには地下都市があり、爆進する装甲列車と指揮官のタンネと出会う。
「クラメルカガリ」と同じ監督・塚原重義作品。こちらも世界観が素晴らしい。昔の日本に蓄音機から流れるような音楽、テンポ良く不思議な世界が展開していきます。失踪事件の目的は、私にはハッキリわからなかったけど、面白かったです。「クラメルカガリ」「クラユカバ」どちらも好きです。1作が1時間位の上映時間なので、続けて鑑賞しました。短いけど、見どころも多いし、物足りなさも感じなかったです。神田伯山さんは、話術で魅了する人でしょうから、違和感なく声も良かったです。

★★★★☆ 4

クラメルカガリ2024/04/16



「クラメルカガリ」 丸の内TOEI
零細採掘業者がひしめく炭鉱町、通称「箱庭」で育った少女カガリは、日々迷宮の如く変化する町の地図を書き留める事を生業としている。幼なじみのユウヤも同じく地図作りをしているが、箱庭からの脱却を夢みている。
昨今、頻発する不審な陥没事故は、次第に2人の日常を侵食し始める。
絵が好きな感じでした。明治や大正時代のような、昔の日本らしき雰囲気も良いです。ロボットや銃が出てきて、昔の日本ではないですが、SFがミックスされた温故知新な作品でした。面白かったです。でも謎な部分もいろいろありました。長い話の一部分なのかもしれません。

★★★★☆ 4

オッペンハイマー2024/04/10



「オッペンハイマー」 TOHOシネマズ日比谷
第2次世界大戦中、才能ある物理学者のロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィー)は、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトに参加する。優秀な科学者らを率いて、実験を成功させて、威力を目の当たりにする。更に実戦で投下された事で、恐るべき大量破壊兵器を作り出してしまった事に衝撃を受ける……。
アカデミー賞最優秀作品賞受賞作。時系列があっちこっちに行くし、登場人物が多いから、ちょっと混乱します。感動と言うより、原爆を作った人々や、その裏舞台を見る人間ドラマ。映像やファッションなどがカッコ良かったです。時代のせいか、やたらタバコを吸ってました。かなり音が大きかったです。核が連鎖して爆発していく様子を予想しているのか、オッペンハイマーの頭の中で考えているようなシーンなんでしょうか。
日本人としては複雑な気持ちになります。戦争を終わらせる為に、大量虐殺していいのか。日本がもっと早く降伏していたらなど、考えてしまいます。開発を成功させた中心人物のオッペンハイマーをアメリカ国民が、絶賛しているのが辛いです。オッペンハイマーの私生活も描かせていました。でも聴聞会のようなシーンが多かったです。
主演男優賞、助演男優賞も受賞していますが、ビックリするぐらい多くの有名俳優が出ていて豪華でした。

★★★★☆ 4

あの夏のルカ2024/03/30



「あの夏のルカ」TOHOシネマズ日本橋 吹替
海の中で暮らすシーモンスターのルカは、地上に行ってはいけないと言う教えがありながら、人間の世界に興味を持っていた。偶然知り合った同じシーモンスターのアルベルトに誘われ、その後家族への反発から、海の世界を後にする。身体が乾くと人間の姿になる彼らは、秘密を抱えながら、人間の世界で生活する。知り合った女の子と共に、海辺の町ポルトロッソで目的を叶えるため、レースに挑戦してする。
キャラクターが可愛いかった。海の中の姿も良いけど、少年の姿が良い。幼さが残る少年で、自信もなく人の良さが滲み出ている。絵もきれいだった。
公開が予定されながら、配信になってしまったピクサー映画。
舞台はイタリアの港町、シーモンスターは、人間たちは恐れていて、みつかったら退治される状況。人間の事をよく知らないから、とまどう事もありながら、学んでいく。家族愛や友情、ひと夏の大冒険が、ルカを成長させていく。面白かった。コンパクトにまとめてあるから、展開は早かった。例えば、はじめルカは歩き方がわからないので、練習するけど、あっという間に普通に歩いていた。レースはトライアスロンに似ているけど、ちょっと違って、水泳、早食い(パスタの)、自転車。賞金を貰って、憧れの物を買おうと奮闘する。熱い友情が良かった。勇気を出して踏み出した事が、関係性や彼の人生を変えていく。

★★★★☆ 4

デューン砂の惑星PART22024/03/17



「デューン砂の惑星PART2」 丸の内ピカデリー
惑星デューンをめぐる宇宙戦争。ハルコンネン家によって父を殺された生き残ったアトレイデス家の後継者ポール(ティモシー・シャラメ)。砂漠の民と共に、復讐の機会を待っていた。次第にチャニ(ゼンデイヤ)と心を通わせていくポールだったが、救世主としての運命に導かれていく。
PART1を観てから、ちょっと経っているので、あんまり覚えていなかったけど、面白かったです。SF小説の世界を実写化するのに、最上級にかっこよくした感じです。ティモシー・シャラメもいい男で鑑賞に満足です。そしつ、脇を固める配役も豪華です。クリストファー・ウォーケンは、久しぶりに見ました。ステラン・スカルスガルド、シャーロット・ランプリングなど。「エルヴィス」のオースティン・バトラーは、全然姿が変わっていてビックリです。まだ、話は途中な感じがするので、まだ続くのかな。
「風の谷のナウシカ」の原型のような話です。砂虫の造詣は、迫力ありました。

★★★★☆ 4

52ヘルツのクジラたち2024/03/11



「52ヘルツのクジラたち」 TOHOシネマズ上野
傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家へ移り住んできた貴湖(杉咲花)は、虐待されているらしい子どもと出会う。かつて自分も家族に苦しめられていた過去を持つ貴湖は、見過ごす事ができず、救い出す方法を考える。自身を救い出してくれた人との事を想いつつ……。
原作を読んでいて、内容がわかっているのに、泣けてしまいました。想像より良かったのは、海の見える家、素敵なテラスがありました。
登場人物はちょっと少なくなっていたけど、映画にするにはしょうがないですね。若干、説明不足なところは気になりました。原作読んでない人にはわかりにくくないのかなと思いました。演技力確かな杉咲花さんは良かったけど、かなり華奢なんで、志尊淳さんが、ちょっとガッチリしているように見えました。宮沢氷魚さんともかなり身長差がありますね。 
この話は、社会で問題となっている事が、たくさん盛り込まれています。虐待、DV、ネグレクト、介護、偏見など。

★★★★☆ 4

アーガイル2024/03/10


アーガイル

「アーガイル」 TOHOシネマズ日本橋
凄腕エージェントのアーガイルが、謎のスパイ組織の正体に迫る大人気小説「アーガイル」。作者のエリー・コンウェイ(ブライス・ダラス・ハワード)は、愛猫を可愛がる平和主義。だが、新作の物語が実在するスパイ組織の活動とまさかの一致で、エリーの人生は大混乱に。追われる身になったエリーの前に現れたのは、彼女を助けるスパイのエイダン(サム・ロックウェル)。次々と現れる追手を振り切りながら、猫1匹と2人の逃避行は続く……。
「キック・アス」「キングスマン」のマシュー・ボーン監督。スパイアクションなんだけど、かなり笑ってしまうファンタジーな映画でした。話も突飛過ぎるけど、よくできてました。どうして実在組織の秘密をエリーが書いてしまったのか等、ありえねーけど、納得してしまいました。小説の中の話も実写で見ることができて、それが後半に生きてきます。ネタバレはしたくないから、観てねと言いたいです。サム・ロックウェルも55歳位だけど、バリバリアクションしてくれて、ビックリです。都合のいい展開過ぎるけど、楽しかったです。

★★★★☆ 4

落下の解剖学2024/03/03



「落下の解剖学」 TOHOシネマズ日本橋
雪深い山荘で著名な作家のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)の夫サミュエル(サミュエル・タイス)が転落死する。視覚障害のある息子ダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)が発見。果たして事故なのか、自殺か、他殺か。起訴さられたサンドラは友人のヴァンサン(スワン・アルロー)に弁護を依頼。無実を主張するが、隠された秘密が露わになっていく。
フランス映画ですが、サンドラはドイツ人でした。大半は法廷劇で、観ていても、真実はわかりにくかったです。しかし、一筋縄にはいかず、いろいろな事を深読みしてしまいます。夫が倒れているのを見て、サンドラがびっくりして、駆け寄って来るところからして、彼女が殺したとは思えないのだけど、後から法廷で新たな証言や証拠が、それでもわからないのです。名演は息子と犬。いつもダニエルと一緒にいる犬は、盲導犬なのか、ダニエルの安全を守っていました。それだけじゃなく、迫真の演技でした。カンヌでパルムドッグ賞受賞していました。作品は最高賞のパルムドール賞を受賞しています。あまり顔に出ないし、どう考えているのか。あの態度の意味はどうしてか、余韻が残ります。

★★★★☆ 4