セールスマン2017/06/14

セールスマン
「セールスマン」 Bunkamuraル・シネマ
劇団に所属し、作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演している役者夫婦(シャハブ・ホセイニとタラネ・アリシュスティ)。ある日、引っ越したばかりの自宅で夫が不在中に、妻が何者かに襲われる。警察へ通報するのを妻が嫌がるので、夫は独自に犯人を探し始める…。
仲の良かった夫婦の感情がすれ違い、思わぬ方向へ話が転がっていく内容でした。監督は「別離」「ある過去の行方」のイランのアスガー・ファルハディ。本作は「別離」に続き、2度目のアカデミー外国語映画賞を受賞。第69回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で男優賞と脚本賞を受賞しています。
「彼女が消えた浜辺」「別離」「ある過去の行方」と見てきましたが、どの話もハッピーな気分にはならないけど、感情表現にひきつけられる映画です。「ある過去の行方」はパリが舞台だったけど、他の3つはイランの生活や考え方がわかって興味深いのです。今回の映画では引越しをしなければならない理由が、住んでいた建物が崩壊しそうになったため。ゆらゆらと揺れてアパートの住民がみんな避難して、揺れが治まった後は、ガラスにヒビが入っていたり、壁が落ちていたり、日本ではちょっと信じられない感じ。普通の家でそんなことが急に起こって引っ越さなくてならないとは。
そしてどの作品にも共通するのは、目鼻立ちがハッキリした美しい女性が出てくること。メイクもくっきりしています。イラン風のメイクなんだろうか、お友達もきれいにメイクしています。妻役のタラネ・アリシュスティは「彼女が消えた浜辺」にも出ていました。と思ったら、ダンナ様役のシャハブ・ホセイニも出ていたようです。
みんなの言い分がわかるし、それほど悪い人がいるわけでもないのに、ふとしたきっかけで、日常が変わってきてしまうことを思い知らされました。もしも、あの時、こうしていればと後で悔やんでもどうにもならないのです。

★★★★☆ 4+

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_ 象のロケット - 2017/07/05 21:51

イランの首都テヘラン。 若き教師エマッドと妻ラナが暮らすアパートが、倒壊の危機に晒される。 地元の小さな劇団に所属する二人は、劇団仲間の紹介で賃貸物件に引っ越すが、そこには前の住人である女性の荷物が大量に残されていた。 ある日、その家でラナが正体不明の侵入者に襲われてしまう。 ラナは心身共にダメージを負い、エマッドは犯人探しに奔走することに。 ある日、犯人と思われる一人の男が浮かび上がった…。 サスペンス。