包丁人侍事件帖 将軍の料理番2014/07/13

将軍の料理番
「包丁人侍事件帖 将軍の料理番」 小早川 涼・著 学研M文庫
江戸城の台所人・鮎川惣介は、天性の嗅覚の持ち主で、食べるのも大好きなぽっちゃりした男。将軍の家斉に気に入られ、時々呼び出されては、料理を持参し、話相手(聞き役)を務めている。
惣介の幼なじみの御広敷の添番・片桐隼人は剣の腕が確かで、生真面目な男。この2人が大奥で起こった盗難事件を調べていると、陰謀の臭いが漂い始める…。
江戸時代と言っても、サラリーマンに似ているところもあります。惣介は休みの日に家のことをしないで、ゴロゴロしていると、奥方の機嫌が悪くなったり、つい妻の料理に口を出してケンカしてしまったりします。2人の子どもは生意気ざかり。うるさい上司にガミガミと注意されながら、仕事をしています。隼人は美しい奥方がいて、子どもなし、隼人自身もスッキリと男前のようですが、あまり融通がきかないというか。対照的な2人が、事件を調べて行く話なんですが、惣介の鼻が事件の謎を解く鍵になります。
時代もの、料理もの、ミステリー、殺陣もあるし、盛り沢山です。中でも料理は作り方も素材も詳しく描かれていて、おいしそうです。でも、すらすら読めませんでした。これと言って悪いところもないんだけど、ほろりとするところもあまりないように思います。シリーズでいっぱい出ているし、人気の本なんだと思います。もっと読みすすむと良さがわかるのかもしれません。