彼らが本気で編むときは、2017/02/28

彼らが本気で編むときは、
「彼らが本気で編むときは、」 TOHOシネマズ錦糸町
11歳の女の子トモ(柿原りんか)は、母親と2人暮らし。ある日、母は家を出ていってしまう。トモは叔父のマキオ(桐谷健太)を訪ねると、マキオは恋人のリンコ(生田斗真)と暮らしていた。元男性であるリンコは、トモをこころよく迎えてくれる。初めはとまどったトモだったが、リンコは母親のように愛情をそそいでくれて、いつしか家族のようになっていくが…。
荻上直子監督大好きです。フードスタイリストは飯島奈美さんなので、おいしそうな料理が出てきます。
トランスジェンダーは、今は認められているような気もしますが、そうでもないのが現実なんでしょうか。普通か普通でないというのは、人数の差であって、少数だから間違っているわけではないと思うのです。ほれた相手が同性だったけど、それを受け入れる寛容なマキオが良いですね。生田斗真さんは、普通の女性よりも所作が繊細でした。
この映画を見て思い出すのは「チョコレートドーナツ」。ゲイカップルが母親に見捨てられたダウン症の少年と一緒に暮らそうとして、司法や偏見と闘う話でした。育児放棄するような母親ならば、他の人と暮した方が良いと思います。トモたちの、奇妙な共同生活の様子を見るのが心地良かったです。桜の花がきれいでした。

★★★★☆ 4

仮面病棟2017/02/28

仮面病棟
「仮面病棟」 知念 実希人・著 実業之日本社文庫
外科医・速水秀悟は、先輩医師の代わりに当直を務めていた。療養型病院なので、緊急患者はいないから、楽なバイトのつもりだったのだが、その夜ピエロの仮面をかぶった強盗犯がたてこもった。犯人が自ら撃ってさらってきた女性の治療を要求し、急いで治療する秀悟。脱出の方法をさぐっているうちに、その病院には何か秘密があることに気が付く。強盗犯の本当の目的は何か…。
閉ざされた病院内で、犯人との心理戦。入院患者と人質女性を守るため、秀悟は最善策を選ぼうとするが、残っていた院長は何かと反対する。
徹頭徹尾、ほとんど病院の中で、武器を持った犯人に対抗するために、常に緊張感がありました。終わってみれば意外な結末があったけど、面白いというほどではありませんでした。予想通りすぎたから。でも夢中になって読めたので、娯楽作としては良いのではないかなと思います。書いているのは現役医師の方だそうです。