駆込み女と駆出し男2015/04/09

駆込み女と駆出し男
「駆込み女と駆出し男」 一ツ橋ホール(試写会)
江戸時代後期、鎌倉に離縁を求める女が駆込んでくる幕府公認の縁切寺、東慶寺があった。寺に入る前に御用宿・柏屋で聞き取り調査がある。その柏屋の居候となった見習い医者の信次郎(大泉洋)は、駆込み女たちの手助けをすることになる…。
言葉が難しいところもあって、何と言っているのかわからないところもあるけど、終わってみると、爽やかな映画でした。
登場人物が多くて、たくさんのエピソードがあり、盛り込み過ぎの気もしました。当時の駆込み寺の様子やしくみがよくわかりました。今ならもっと簡単に離婚できたりするけど、この時代では苦労している女性がいっぱいいたと思います。大泉洋が所々で笑わせてくれるし、深い事情のある女たちも、たくましく美しく、友情なども芽生えていきます。脇を固める俳優さんたちも豪華でした。あっさり解決しすぎるところもあったけど、面白かったです。

★★★★☆ 4

龍三と七人の子分たち2015/04/10

龍三と七人の子分たち
「龍三と七人の子分たち」 一ツ橋ホール(試写会)
70歳の高橋龍三(藤竜也)は、引退した元ヤクザ。兄弟分のマサ(近藤正臣)とは、時々会っているが、あるきっかけで昔の仲間に召集をかけることにする。集まったのは、手がプルプルしていたり、足下がおぼつかないが、それぞれに特技のあるクセ者たち。一龍会を結成し、何かと因縁のある若い暴走族あがりの京浜連合と対立していく…。
かなり笑えました。賭けをしたり、「コノヤロー」といきなり怒り出したりしますが、なんだか滑稽です。でも仁義は通します。若い奴らが人を騙してお金を集めてるのは、許せないのです。
北野武監督・脚本・編集です。年寄りが困った行動にでて、ハチャメチャになっていくのだけど、コメディタッチだから、気楽に見れます。しかし、北野監督のこだわりの映像美は、それほど感じられません。誰でも楽しめて良いのだけど、私は「アウトレイジ」シリーズの方が好きです。

★★★☆☆ 3+

豚丼セット2015/04/11


豚大学の豚丼

試写会の後に“豚大学”へ。神保町にもあるのですね。新橋にあるのは知っているけど、入ったことなかったです。


豚丼(中)を食べました。バラのように豚肉が敷き詰められています。
豚丼セットは味噌汁と半熟卵付きです。タレが甘めで、焦げ目が香ばしいのです。
少し食べた後に、半熟卵を投入して、また違った味を楽しめます。豚丼(中)というのは、標準サイズで、大盛りや少な目も選べます。
お店の中はみごとに男の人ばかりで、大盛りらしき丼を食べている人が多かったです。おいしかったです。丼650円で、味噌汁と半熟卵が140円。

インヒアレント・ヴァイス2015/04/12

インヒアレント・ヴァイス
「インヒアレント・ヴァイス」 ワーナー・ブラザース映画試写室(試写会)
1970年代、ロスの私立探偵ドック(ホアキン・フェニックス)のもとに元カノのシャスタ(キャサリン・ウォーターストーン)が現れ助けを求められる。彼女は不動産王の愛人をしているのだが、ドックが調査に乗り出すと、不動産王もシャスタも姿を消してしまう。更に調べを進めると国際麻薬組織の絡む陰謀に巻き込まれていく。
監督はポール・トーマス・アンダーソン、他の出演者は、ジョシュ・ブローリン、オーウェン・ウィルソン、リース・ウィザースプーン、ベニチオ・デル・トロと聞いただけで、映画通はわくわくし、クセのある作品だということが想像できると思います。
「サボテン・ブラザーズ」のマーティン・ショートを久しぶりに見ました。ドックは見るからにヒッピーで、いつもマリファナを吸ってふわふわとしています。ゆるい頭で考えますが、謎を追っていくと、どんどんつながっています。この時代の雰囲気を家やファッションで忠実に再現していて、生活感がリアルです。面白かったのは、ナレーションをしているのが、主人公ではない女の人で、ドックやシャスタの友人の占い師のようなソルティレージュ(ジョアンナ・ニューサム)でした。ドックが昔を振り返るような口調で語られ、ちょっとおとぎ話のような気がしてきます。
ジョシュ・ブローリンがいきなり日本語を話したり、「上を向いて歩こう」の曲がかかったりするのは、日本人にはツボです。
2時間29分とちょっと長めの映画です。こころして見ないと。
Inherent Viceは「物事に内在する欠陥」という意味らしいです。

★★★★☆ 4

じゃこ玄米おむすび2015/04/13

じゃこ玄米おむすび
時々行く“おむすび権米衛”で、食べました。
ここのおむすびって大きいので、私は1個で十分です。
惣菜もあったので、味噌汁とおかずをプラス。
写真左下は、おむすび1個です。じゃこ玄米。

パレードへようこそ2015/04/14

パレードへようこそ
「パレードへようこそ」 シネスイッチ銀座
1980年代イギリス。炭鉱閉鎖に抗議するストライキが各地で起こっていて、そのニュースを見たロンドンに住むマーク(ベン・シュネッツァー)は同性愛仲間ととも支援するための募金活動を始める。炭鉱組合に寄付の申し出をしても偏見から無視されてばかり。ウェールズ奥地の炭鉱の村に直接電話をすると、受け入れてくれる。村にも招待されるが、田舎の村では、奇異な目で見る人もいる。しかし、次第に打ち解けあって友情が育まれていく…。
実話を基にしています。どんな映画かあまりよく知らないままに見に行きました。イギリスの炭鉱のストを題材にした映画ってたくさんあって、どれも面白いし「ブラス!」みたいなのかと思ったら、ちょっと違っていました。やや昔の話だから同性愛者も今ほどにカミングアウトしていない時代です。家族との確執や、世間の人の偏見などが描かれています。しかし、メンバーは結束し次々と、支援のためのアイディアを生み出し、仲間や村の人々との絆を深めていくのが、とっても心地良いのです。異文化交流的なところもあります。同性愛者がどうこうではなく結局は、人間性だと思うのです。受け入れられないからと、いやがらせする人の方が、人間性を疑いますね。新しい出会いが、人生を変えていくのも良かったです。
警官が炭鉱ストの人に冷たくて、社会的背景もよくわからないんだけど、とにかく盛り上がるのです。音楽も80年代に流行した歌(カルチャー・クラブとか)や、ウェールズの伝統的な音楽もあって感動的でした。ウェールズは、村を離れると広大な自然があり、その何もないようなところがステキでした。

★★★★☆ 4

あの日の声を探して2015/04/15

あの日の声を探して
「あの日の声を探して」 よみうりホール(試写会)
1999年ロシアに進攻されたチェチェンで、9歳のハジ(アブドゥル・カリム・ママツイエフ)は、目の前で両親が殺されるのを目撃する。トラックに乗せてもらって街へ避難してきたハジは、EU職員のキャロル(ベレニス・ベジョ)に拾われ、家に連れて来られる。戦争のショックで何も話さないハジだったが、キャロルに少しづつ心を開いていく。一方でごく普通の若者コーリャ(マキシム・エメリヤノフ)が軍隊に入隊させられ、戦闘に身を投じていく過程が同時に描かれていて、戦争の悲惨さが映し出されていく。心を閉ざしたハジ、人間性を失わなければ、耐えることができないコーリャ。どちらも戦争の被害者である。
「アーティスト」のミシェル・アザナビシウス監督で、同じく「アーティスト」主演のベレニス・ベジョがキャロルを演じています。今回の映画はコミカルさはありませんが、不満ではないです。重いけど良い映画でした。チェチェンだけではなく、今もテロや紛争は絶えません。罪のない市民が巻き込まれているのです。ハジを演じたアブドゥル・カリム・ママツイエフは、オーディションで選ばれた演技未経験の子だそうですが、セリフを言わなくても、彼の悲鳴や恐れが伝わってきました。

★★★★☆ 4

博士と彼女のセオリー2015/04/16

博士と彼女のセオリー
「博士と彼女のセオリー」 TOHOシネマズシャンテ
物理学の天才として将来を期待される青年スティーヴン・ホーキング(エディ・レッドメイン)は、ケンブリッジ大学在学中、詩を学ぶ女性ジェーン(フェリシティ・ジョーンズ)出会い、恋に落ちる。しかし、直後にスティーヴンはALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。余命2年の宣告を受ける。それでもジェーンはスティーブンと共に生きることを決め結婚。現代の宇宙論に多大な影響を与える車椅子の天才科学者スティーブン・ホーキング博士の半生と、博士を支え続ける妻ジェーンと物語。
長い期間の話なので、進むのが早く感じました。恋愛してすぐに病気が発症するし、結婚についてもいろいろな迷いや反対もあったのではないかと思うけど、そういうことは詳しくはなかったです。夫婦の絆や献身的に支えた妻のことは印象に残りました。頑張り続けて疲れてしまったことも理解できます。実話をもとにしているので、ただ美しいだけの話ではないですが、ホーキング博士の性格とか、どういう経緯で病気と闘ってきたのかが伝わる映画でした。
エディ・レッドメインは、実在の人物をリアルに演じています。さすがはアカデミー賞の主演男優賞と思いました。「バードマン」を見たいから、マイケル・キートンの演技も気になりますが。

★★★★☆ 4-

紙の月2015/04/16

紙の月
「紙の月」 角田 光代・著 ハルキ文庫
専業主婦だった梅澤梨花は、子どもに恵まれず、銀行のパート社員となって勤務するようになる。仕事ぶりが認められ契約社員となった梨花は、顧客の孫にあたる大学生の光太と出会う。顧客から預かったお金を一時的に借りるつもりが…。
映画は見てないのですが、横領事件の話だと思うだけで、ハラハラしました。いったいいつ発覚するのか?もしかしてここでバレるのではと思うだけで苦しい気分です。梨花を知る友人や元カレなどの話もあり、構成が変わっていて、そちらの人達の事情も興味深いです。でも優れた文学であるとは思うけど、どうしても暗い気持ちになってしまい、あまり読むのがすすまなかったです。きっかけがあれば、誰でも犯罪者に陥ってしまうのかもしれない。自分は大丈夫なのかと自問してしまいます。

大英博物館展2015/04/18


大英博物館展

「100のモノが語る世界の歴史 大英博物館展」 東京都美術館
開会式、特別内覧会、レセプションへ行ってきました。

東京都美術館館長をはじめ、大英博物館の副館長、主催者やスポンサーの方々の挨拶。
三笠宮彬子さまも出席されていました。

スペシャルゲストは広報サポーターを務める田中麗奈さん。テープカットもしていました。


田中麗奈さんのお気に入りは「ヘブライ語が書かれたアストロラーベ」と言っていました。
下の写真です。


時間や方向がわかり天体観測や占いまでできるという優れものです。カタログには中世ヨーロッパのスマホ的存在と書いてありました。
真鍮製で、繊細な美しさです。映画「ライラの冒険」みたい。


ガンダーラの仏像。これはチラシでみうらじゅんさんのわたしが選ぶこの1点になっていました。さすがは仏像マニア。

北斎漫画や柿右衛門の象など日本の物もあります。
200万年前の人類創世期の最初の道具や、初の貨幣、古代の文字。人類の歴史を辿って行くようです。そして近年の物まで出てきます。お金がクレジットカードとなって、いろいろな物が大量生産されて、それも未来の人から見たら、歴史の一部となっていくのですね。博物館の意味や価値というのが改めてわかったような気がしました。
大英博物館は1回だけ行ったことがあるのですが、巨大なんで、こういうのがあったのか、見たものがあるのかまるで覚えていませんでした。


会場の外にある「ルイス島のチェス駒」を模した巨大なオブジェ。


実物はもっと小さなチェス駒です。ハリー・ポッターの1作目に登場していたらしいです。もちろん本物は使っていません。