希望荘2019/09/13


希望荘

「希望荘」 宮部 みゆき・著 文春文庫
離婚した杉村三郎は私立探偵事務所を設立。ある日、亡き父が生前に残した「昔、人を殺した」という告白の真偽についての調査依頼が。
杉村三郎シリーズ4冊目。短編連作形式。
これまでの話は、企業で働いていて事件に巻き込まれることが多い人だったけど、いよいよ探偵事務所を自分で始めたという話でした。そこに至るまでの経緯や、新天地でのご近所さんや大家さんとの関係など、なかなか面白いです。「水連」のマスターが私はなんとなく好きなんだけど、一緒に移ってきて「侘助」というお店を始めて、また出てくるのがうれしいです。モーニングがあって、ホットサンドがおいしい喫茶店っていうのが、また良いなぁと思っています。行きつけにしたい近所のお店という感じがします。新しい登場人物も増えてきて、引っ越したばかりでも、たくさん知り合いが増えています。話は犯罪ものではあるけど、いつも、予想できないような真実が暴かれていきます。頭が良いけど、驕ったところがなく、人間味を感じさせる人柄が魅力だと思います。
このシリーズは、人気が高いと思いますが、私もこのシリーズが大好きです。まだ探偵として始めたばかり、オープニングといういう感じがするので、これからの活躍を見て行きたいです。
この本の表紙絵を描いている人も好きです。吉永南央の紅雲町珈琲屋こよみシリーズも同じ人ですね。