蜜のあわれ2016/04/11


蜜のあわれ

「蜜のあわれ」 バルト9
自分のことを「あたい」と呼び、変幻自在の金魚の実態を持つ少女(二階堂ふみ)と、少女から「おじさま」と呼ばれている老作家(大杉漣)の日常。2人はとめどもない会話をし、仲睦まじく一緒に眠ったり、一緒に踊ったりする。ある時、「おじさま」と関係があった女性(真木よう子)が現れる。その人は幽霊らしい…。
二階堂ふみ演じる「あたい」はコケティッシュで、無邪気、おこづかいをせびったりもするけれど、作家のよりどころでもあります。原作は室生犀星で、妄想が生んだ魅力的な少女という感じがしました。二階堂ふみありきで、成立するかわいさです。様々な赤い衣装がどれも似合います。昔の言葉づかいも良いです。
老作家は「あたい」に翻弄されるけれど、それも楽しいのかもしれません。
芥川龍之介役で高良健吾、金魚売りに永瀬正敏と脇を固め、官能的で文学的なファンタジーの世界でした。でも、ちょっと眠くなりました。時代設定もあり、テンポがゆったりしているせいなのかと思います。

★★★☆☆ 3


劇中着用の衣装が展示されていました。かなり細いです。

コメント

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_ 象のロケット - 2016/04/15 12:50

老作家の書斎にやって来る愛くるしい少女・赤井赤子。 自分のことを「あたい」と呼ぶ彼女は我儘を言ってばかりだが、老作家は彼女とのおしゃべりを楽しんでいる。 ある日、老作家の講演会を聞きに行った赤子は、客席で儚げな和装の女・田村ゆり子と出会う。 老作家の古い知り合いらしいゆり子は、赤子と作家との関係が気になるようで…。 ラブ・ファンタジー。 ≪人を好きになるということは愉しいものでございます。≫

_ 映画的・絵画的・音楽的 - 2016/04/21 21:26

 『蜜のあわれ』を新宿バルト9で見ました。

(1)二階堂ふみが主演の作品というので映画館に行ってきました。

 本作(注1)の冒頭では、花が咲いている庭の木がカーテン越しに映しだされ、また老作家(大杉漣)が原稿を書いている机の上には、花が活けてある花瓶が置か...