蜜のあわれ2016/04/11


蜜のあわれ

「蜜のあわれ」 バルト9
自分のことを「あたい」と呼び、変幻自在の金魚の実態を持つ少女(二階堂ふみ)と、少女から「おじさま」と呼ばれている老作家(大杉漣)の日常。2人はとめどもない会話をし、仲睦まじく一緒に眠ったり、一緒に踊ったりする。ある時、「おじさま」と関係があった女性(真木よう子)が現れる。その人は幽霊らしい…。
二階堂ふみ演じる「あたい」はコケティッシュで、無邪気、おこづかいをせびったりもするけれど、作家のよりどころでもあります。原作は室生犀星で、妄想が生んだ魅力的な少女という感じがしました。二階堂ふみありきで、成立するかわいさです。様々な赤い衣装がどれも似合います。昔の言葉づかいも良いです。
老作家は「あたい」に翻弄されるけれど、それも楽しいのかもしれません。
芥川龍之介役で高良健吾、金魚売りに永瀬正敏と脇を固め、官能的で文学的なファンタジーの世界でした。でも、ちょっと眠くなりました。時代設定もあり、テンポがゆったりしているせいなのかと思います。

★★★☆☆ 3


劇中着用の衣装が展示されていました。かなり細いです。