月とコーヒー2019/10/24


月とコーヒー

「月とコーヒー」 吉田 篤弘・著 徳間書店
喫茶店“ゴーゴリ”の甘くないケーキ。世界の果てのコインランドリーに通うトカゲ男。映写技師にサンドイッチを届ける配達人。青いインクをつくる青年。
世の中の片隅で起きている小さな出来事、時にはSFのような話もあり、どれも短かいお話で、ハッキリした結末もないのだけど、とても面白かったです。
コーヒーはよくでてきます。インクを作っている青年の話は、他の話とつながりがあるのですが、他は独立した話です。夜寝る前に1話ずつ読むのにピッタリです。静かな気持ちになって、じっくり味わえます。

ガリーボーイ2019/10/24


ガリーボーイ

「ガリーボーイ」 新宿ピカデリー
インドで活躍するアーティスト・Naezyの実話をもとに、スラムで生まれ育った青年がラップとの出会いによって人生を一変させる姿を描いた青春サクセスストーリー。ムンバイの貧しい家庭で生まれ育った青年ムラド(ランビール・シン)。
医学生のサフィナ(アーリアー・バット)と内緒で付き合っている。ムラドも大学へ通ってはいるものの、インドで貧しい若者が生きる道は難しく、人生を半ばあきらめていたが、大学構内でフリースタイルラップのパフォーマンスをしていた学生MCシェール(シッダーント・チャトゥルベーディー)との出会いをきっかけに、ラップの世界にのめり込んでいく。親からの反対や友情、恋など様々な葛藤を抱えながらも、フリースタイルラップの大会で優勝を目指す……。
超格差社会のインドでも、スターになる人もいるのですね。家柄で扱いが違うというのがよくわかりますが、大学へ行って勉強しても裕福になるのは難しいのかなぁと思いました。大学へ行っているのも、時代は変わってきているのでしょうか。
主人公の父は、裕福な家の運転手をしているようだけど、奥さんがいるくせに、若い新しいお嫁さんを連れてくるというのが驚きでした。いろいろインド社会のことが見れて良かったです。話はサクセスストーリーだから、想像通りに進んでいくのですが、出演者がイケメン、出会ったMCシェールも、かっこ良かったです。出てくる女性もきれいでした。そして、ラップって、即興も多くて、心に秘めた感情を爆発させているようで、訴えるのが良いと思いました。歌っているシーンや音楽を聴いていシーンが、ミュージックビデオのようにオシャレな映像で見せてくれました。

★★★★☆ 4