猫の文学館 12019/10/30


猫の文学館 1

「猫の文学館1」 和田 博文・編 ちくま文庫
大佛次郎、寺田寅彦、太宰治、内田百閒、向田邦子、村上春樹他、猫の出てくるエッセイや短編を集めたもの。村上春樹以外は、少し前の作家に思えました。
猫が好きな人には良いのかもしれませんが、ただかわいいだけじゃなくて、猫に酷いと思うような話もありました。
一番良かったのは大佛次郎のいくつかの話で、名前しか知らない作家でしたが、こういう文章を書く人だったのかと興味深かったです。「鞍馬天狗」シリーズなどを書いた人だったのですね。知っているのは横浜の港の見える丘公園に、大佛次郎記念館があったからです。大変な猫好きだったようです。
全体的に、少し昔の話やエッセイなので、家に女中さんがいるというのが多かったです。あと、当時はネズミ退治のために、猫を飼う人が多かったようです。
いろいろな作家さんのほんの短い話ばかりでした。好みなのとそうでもないのがありました。