閻魔の世直し: 善人長屋2016/05/21

閻魔の世直し
「閻魔の世直し: 善人長屋」 西條 奈加・著 新潮文庫
周囲から「善人長屋」と呼ばれる千七長屋。差配も店子も表向きは堅気だが、実は裏稼業を営む悪党だらけ。ただ1人加助だけが、本当のおひとよしで、真っ正直な善人。
ある日、「閻魔組」と名乗る三人組によって裏社会の頭衆が次々に襲われ、惨殺される事件が発生する。天誅を気取る「閻魔組」は、あまりに非道で目にあまる。善人長屋の面々は、探索を開始する…。
「善人長屋」の続編。長屋の住人はそれぞれに裏稼業があり、得意とする技術があります。このへんは前作を読んでからでないと、わかりにくいと思います。その巧みな技を生かして、閻魔組とその陰で糸を引く者を追い詰めていきます。前作が短編連作だったのに対し、この本は1冊の長編になっています。話の中心となるのは前作同様、差配の娘・お縫。今回は長屋を疑っている定廻同心見習いのことが気にかかるようになります。しかし、その同心の正体がどうにもつかめないで、ヤキモキしますが、最後まで面白かったです。

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