民宿ひなた屋2023/04/24


民宿ひなた屋

「民宿ひなた屋」 山本 甲士・著 潮文庫
プロの釣り師として活躍する夢に破れた古場粘児は、佐賀に帰省して実家が経営する小さな民宿ひなた屋を継ごうとするが、時代の流れもあって既に経営破綻寸前。その上、他の職探しにも失敗し、交際中の女性がケガで入院したため中学生の娘・希実まで預かることに。しかし、気まずい関係だった希実が釣りに興味を示したことをきっかけに、ひなた屋大復活のアイデアが?!
はじめはどういう風に、話が進むのか、民宿の話なのか、釣りの話?他の仕事を探しているようだし、方向性がわからなかったから疑っていましたけど、結果はとっても面白かったです。釣りが中心でもありました。交際相手の娘が、ちょっと引きこもり気味だし、そんなに打ち解けていないようなのです。でも、釣りを通じて交流が深まっていき、世代が違うので、別のアイデアを考えるもとになったりします。希実ちゃんと、粘児さんが、お互いに良いきっかけ作りになって、ひなた屋を盛り立てていきます。釣りのことがよくわからなくても、楽しそうだし、いろいろな方法や、釣り師のマナーなどが興味深いです。この話の後もどんな風になるのか、もっと知りたくなります。結構良いところで、終わってしまう感じがしました。でも良かったです。