特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来2023/04/02


特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来

「特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来」 南原 詠・著 宝島社文庫
特許権を盾に企業から巨額の賠償金をふんだくっていた凄腕の弁理士・大鳳未来。現在は「特許権侵害を警告された企業を守る」ことを専門にし東奔西走している。今回のクライアントは、映像技術の特許権侵害を警告され、活動休止を迫られる人気VTuber・天ノ川トリィ。調べるうちにさまざまな企業の思惑が絡んでいることに気づいた未来は、トリィを守るため、いちかばちかの賭けに出る……。2022年『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
専門用語のような難しい話も多いのに、どんどん読めてしまう面白さでした。作者は違うけど「元彼の遺言状」を思い出す人が多いんじゃないかな。弁護士の新川帆立さんが書いているから、リアルティがあります。「特許やぶりの女王」も作者の南原詠さんは弁理士の方なので、その世界をよく知って描いています。
VTuberの会社に頼まれて仕事をするのが主な内容でしたけど、その世界のことも、ちょうど今はやっているし、面白かったです。とても美しくて、生意気なVTuberが出てきます。歌もダンスも上手く、運動神経バツグン、上から目線で文句を言ってくるけれど、主人公の未来はひるむことなく、デキる女性でした。
この本もテレビドラマになりそうな気がします。