沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ二2018/06/04


沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ二

「沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ二」 夢枕 獏・著 角川文庫
劉家の一連の怪異は、どうやら遡ること60年前、玄宗皇帝と楊貴妃の悲恋に、端を発しているらしい。その謎を解くため空海は、のちの大詩人・白居易(白楽天)や盟友・逸勢と共に、楊貴妃の墓を暴くことを決意する。そこには妖しい呪いがかけられているうえに、石棺の中には楊貴妃の姿はなかった……。
不思議な現象が次々と怒るのだけど、空海は臆することもなく、穏やかに対応するし、不思議な現象を自らも行う事ができます。
 落ち着き払った様子がなんとも魅力的です。字や文章が大変美しく、語学も堪能で、唐の言葉は現地の人の発音と変わりないくらいに話せているらしいです。
2巻では、楊貴妃の死の秘密を知るものとして、安倍仲麻呂が残した手紙が出てきます。安倍仲麻呂もとても優秀な人物だったことがわかります。難関の「科挙」に合格して、異国人ながら、唐の皇帝の側近になっていたのですね。
そして、私が映画「空海」を見てもよくわからなかったことが、この本でわかってきて面白いです。楊貴妃の身にどんなことがあったのか。その後のことも、知りたいです。

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