虹色ほたる~永遠の夏休み~2012/05/25

虹色ほたる
「虹色ほたる~永遠の夏休み~」を観てきました。
交通事故で父親を亡くした小6のユウタは、夏休みに父との思い出の場所、山奥のダム近くへカブトムシを取りに出かけた。そこで不思議な老人と出会った直後に、突然の豪雨があり、足をすべらせて気を失ってしまう。目覚めた時そこは30年以上前の世界だった。まだダムに沈んでいない町。そこで出会った少女さえ子から家に来るように言われる。近所のケンゾーも現れ、翌日にカブトムシを取りに行く約束をしてくる。わけがわからないユウタは、その夜にまた老人に会ったので、どういうことかと問いただすと、1ヶ月で元の世界に戻れることを告げられる。
ダム建設が決まっている最後の夏。一度も見たことがなかったホタル見物。豊かな大自然に囲まれ、かけがえのない仲間とともに過ごす日々。友情や淡い恋心など、一刻も早く戻りたいと思っていたユウタだったが、いつしか最高の夏休みを過ごしていた。しかし、さえ子には秘密があった…。
都会の子が過ごす田舎での夏休み、想像はできるところはあったけど、失われつつある日本の原風景に感動しました。人々のぬくもりや、つながりが密だった時代。花火大会や夏まつり、昆虫採集、冷たい湧水や、もぎたてのトマトなど。宝物のような夏の思い出。1977年にタイムスリップしているので、まだ失われているというわけじゃないけど、ある年代以上の日本人にとっては誰もが懐かしく思うような映画だと思います。
ユウタはいかにも現代っ子でした。照れたり、かっこつけたりすることがリアルです。だんだんと成長していく様子がわかります。絵が簡素なんで、好みが分かれるかもしれないです。私も予告編を観ていて、絵がイマイチと思っていたのですが、だんだん観ているうちに馴染んできます。特にさえちゃん(さえ子)がしたったらずな声も含めて可愛らしく見えてきました。風景は綿密に描いてあるのですが、人物はシンプルにわざとそういう風にしているのだと思います。動きもたどたどしく見えました。ホタルのシーンはいくつかあるけど、ケンゾーに連れて行ってもらう秘密の場所へ初めて行った時がきれいでした。もっと語りたいけど、詳しくは是非劇場へ。知らない方が面白いと思います。

★★★★☆