線は、僕を描く2022/10/20


線は、僕を描く

「線は、僕を描く」 一ツ橋ホール(試写会)
大学生の青山霜介(横浜流星)は絵画展設営現場のアルバイトで水墨画と運命的な出会いを果たす。白と黒のみで表現された水墨画は霜介の前に色鮮やかに広がり、深い喪失感を抱えていた彼の世界は一変する。巨匠・篠田湖山(三浦友和)に声を掛けられて水墨画を学ぶことになった霜介は、初めての世界に戸惑いながらも魅了されていく。
砥上裕將の青春小説「線は、僕を描く」を、横浜流星の主演、「ちはやふる」の小泉徳宏監督のメガホンで映画化。
出てくる水墨画が、とても素敵でした。白と黒の世界なのに、深い味わいがあります。すぐに弟子になるわけではないですが、湖山先生の家は広くて、建物も庭も日本風で、立派でした。弟子である江口陽介演じる西濱は、食事も作り、庭の手入れもしています。水墨画のイベントの設営など、何をやっても上手そうでした。和風の食事が美味しそうです。立派な器にのっていて、みんなの分の食事を易々と作っています。それが凝ったお料理でした。湖山の孫である千瑛(ちあき)を清原果耶が演じているのだけど、着物も似合って、水墨画を描く人に合っている気がします。そういえば、彼女が主演の「宇宙でいちばんあかるい屋根」という映画の時も、水墨画が出てきました。書道教室が出てくる話でした。
霜介が抱える問題が何か、水墨画の世界に出会って、止まっていた時間が動き出していくような、良いお話でした。
エンドロールに名前が出てくるのが、墨で書いた手書き文字なんです。絵も入っていて、すごくかっこよかったです。書道も水墨画も素敵だなぁ。若い人が見て、水墨画を始めようと思う人がいたら良いですね。

★★★★☆ 4