牧歌礼讃/楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン+藤田龍児2022/05/16



「牧歌礼讃/楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン+藤田龍児」
東京ステーションギャラリー
アンドレ・ボーシャン(1873-1958)藤田龍児(1928-2002)
2人の画家の展覧会です。時代も活動拠点も違うのですが、牧歌的で楽園のような風景、自然を丁寧に描いているところに共通するところがあるようです。
それほど期待していなかったけど、見てみたらすごい良かったです。私は両方知らない画家でした。特に藤田龍児が気に入りました。若い頃から画家として活躍していた藤田龍児は、50歳目前に脳血栓により、右半身不随となります。一時は絵の道を諦めるのですが、数年後、左手に筆を持ち替えて再起を図ります。それをきっかけに、画風も変わっていき、抽象的な絵から、牧歌的な明るい絵を描くようになったそうです。それからの絵が良いのです。穏やかな日常な絵にも見えるのですが、どこかファンタジックな雰囲気がするのです。絵本の世界のようにも感じました。木の形が独特で、幹が細く下の方には枝がなく、上に葉が茂っているの絵が多かったです。白い犬が描かれているのも多かったです。どこかに赤色が効いていて、さし色のようになっていて、かわいいのです。


  《静かなる町》藤田龍児

アンドレ・ボーシャンはフランスの画家で、自然や花が丁寧に描かれていて、明るい色調でした。でも人物の絵が微妙なんです。そこも味わいがあるのですけどね。ちょっとアンリ・ルソーが思い浮かんできました。


  《芸術家たちの聖母》アンドレ・ボーシャン