再会の奈良 ― 2022/02/10

「再会の奈良」 シネスイッチ銀座
2005年、中国に暮らす陳ばあちゃん(ウー・イエンシュー)が、孫娘のような存在で、日本で暮らしているシャオザー(イン・ズー)を頼って単身奈良にやって来た。
1994年に日本に帰した中国残留孤児の養女・麗華からの連絡が数年前から途絶え、それを心配してやって来たという。麗華を捜し始めた2人は、元警察官の一雄(國村隼)と知り合い、麗華捜しを手伝ってもらうころになるが……。
河瀬直美とジャ・ジャンクーがプロデュース、新鋭ポンフェイ監督。日中合作映画。
奈良が舞台という事もあって、河瀨直美監督作品に似ている気がしました。永瀬正敏も出ていたのも、河瀨直美監督の「あん」に出ていたから。ジャ・ジャンクー監督作品や河瀨直美監督作品が好きな方には良いかもしれません。ジャ・ジャンクーは「山河ノスタルジア」「長江哀歌」などを観ました。
中国からやってきたおばあちゃん役のウー・イエンシューは、近頃は「花椒の味」で観ました。「妻の愛、娘の時」にも出ていて、印象的な女優さんです。ちょっとガンコな人の役が多そうです。ほがらかな奈良の町は良いのですが、中国残留孤児の人の大変さがにじみ出てきます。中国で、養女となって、陳おばあちゃんに育てられたのに、大人になってから、言葉もわからない日本に来て家族を探す困難さがわかります。すぐに血縁家族がみつかれば良いけれど、そうでない人もたくさんいました。日本で暮らす若いシャオザーにしても、生活が大変そうです。アルバイトしながら、家では内職もしています。内職のお金もほんのわずかです。話は期待とは別な方向へどんどん傾いていきました。
★★★★☆ 4-
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