シラノ2022/03/01



「シラノ」 TOHOシネマズ日比谷
17世紀フランス。剣の腕に優れ、詩を書く才能に恵まれている騎士のシラノ(ピーター・ディンクレイジ)は、自身の外見に自信が持てず、思いを寄せるロクサーヌ(ヘイリー・ベネット)に打ち明ける事が出来ずにいた。その気持ちを知らないロクサーヌは、シラノと同じ部隊のクリスチャン(ケルビン・ハリソン・Jr.)に惹かれている。シラノは文才のないクリスチャンに代わって、自分の思いをこめた手紙を書いて、恋の仲立ちをする事になる……。
世界中で愛されている舞台劇「シラノ・ド・ベルジュラック」を「つぐない」のジョー・ライト監督がミュージカル映画化。
手紙が題材の映画は好きです。全体的には良かったですが、ロクサーヌがあまり魅力なかったです。好みの問題でしょうが。日本も平安時代などは、短歌を送り合うから、文才がないとモテないようですから、見た目だけでなく、どのように自分を思ってくれているかを、表現できないとならないのでしょう。気持ちを知るためには、言葉が大切なんですね。

★★★★☆ 4-

金の糸2022/03/02


金の糸

「金の糸」 岩波ホール
ジョージア映画界を代表する女性監督ラナ・ゴゴベリゼ監督が、日本の陶器の修復技法「金継ぎ」に着想を得て、過去との和解をテーマに描いた人間ドラマ。ジョージア・トビリシの旧市街の片隅にある古い家で娘夫婦と暮らす作家のエレネ(ナナ・ジョルジャゼ)は、79歳の誕生日を迎えたが、そのことを家族の誰もが忘れていた。娘は姑のミランダにアルツハイマーの症状が出始めたため、この家に引っ越させて、一緒に暮らすという。ミランダは、ジョージアのソビエト時代に政府の高官だった女性だ。そんなエレネの最近の楽しみは、かつての恋人アルチルとの電話でのおしゃべり。
足が悪くて、杖をついて歩いているエレネは、ほとんど家の中で過ごしています。ご近所さんとのふれあいもあるし、植物が家の中にいっぱいあって、まるで中庭かサンルームのような素敵な家でした。ひ孫も一緒に暮らしていて、とても可愛いいです。エレネは素敵な人でした。
金継ぎの陶器のポスターを飾って、日本にはこういう風に、壊れた陶器を蘇らせる方法があると説明していました。その金継ぎの部分を金の糸と言って、タイトルもそうなっているのだと思います。日本人には嬉しいです。一度壊れてしまったものは、元には戻らないけど、違う方法で復活する方法もあると言う事でしょうか。過去は直せないけど、悲劇を乗り越えていけるのかもしれません。そう言う事を言いたいのかもしれまんせんが、そんなにハッキリとした語りはないです。歴史の中で、対立や分断があった事がわかってきます。
雰囲気は好きな映画でしたが、ゆったりとした音楽、スローなテンポで、まるで催眠術にかかったように、眠くなってしまい、記憶が飛んでしまった所もありました。

★★★★☆ 4-

ナイル殺人事件2022/03/03


ナイル殺人事件

「ナイル殺人事件」 TOHOシネマズ日本橋
エジプトのナイル川をめぐる豪華客船の中で、美しき大富豪の娘リネット(ガル・ガドット)が何者かに殺害される。容疑者は彼女の結婚を祝うために集まった乗客全員だった。名探偵エルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)が調査と推理で事件の真相に迫っていく……。
ミステリーの女王アガサ・クリスティによる名作「ナイルに死す」を、同じくクリスティ原作の「オリエント急行殺人事件」を手がけたケネス・ブラナーの監督・製作・主演で映画化。
原作も読んでいなかったし、昔の映画も観ていないので、観てみようと思いました。ポアロのトレードマークの口ひげの理由も知りました。
エジプトの遺跡をアップで見る事ができるし、豪華客船の旅を覗き見できて、それだけでも面白かったです。
ポアロの推理は冴えるけど、解決する前に、次々と殺人が起こってしまうのは、金田一耕助の本を思い出してしまいました。真相はわかるけど、事件を阻止することはできないのですね。すぐ解決しては、映画にならないか。

★★★★☆ 4-

夕立ち 橋廻り同心・平七郎控42022/03/04



「夕立ち 橋廻り同心・平七郎控4」 藤原 緋沙子・著  祥伝社文庫
シリーズ第4弾。
逢瀬を重ねた男に裏切られた女、捨て子と知った少女、愛するがゆえに女の前から姿を消した男の決意。藩危急の蜜書と共に江戸の土を踏んだ若侍を待ち受けていたものは。悲喜こもごもの人生模様が交差する江戸の橋を預かる、北町奉行所橋廻り同心の人情裁き。
主人公は、いろいろな事件に関わってしまいます。仕事ではないので、ボランティアに近いですが、話を聞くと、ほっておけない事情があります。今回の本は、どれも割と良いエンディングを迎えました。事件が解決し、これから明るい兆しが見えてきた感じがしました。印象的だったのは、最後の密書を持って江戸へやってきた侍の話です。密書を奪おうと追手に命を狙われている所を、平七郎が助けます。密書の行方を追って、一筋縄ではいかない展開でした。

ゴヤの名画と優しい泥棒2022/03/06


ゴヤの名画と優しい泥棒

「ゴヤの名画と優しい泥棒」 TOHOシネマズシャンテ
1961年、世界屈指の美術館ロンドン・ナショナル・ギャラリーからゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この事件の犯人はごく普通のタクシー運転手である60歳のケンプトン・バントン(ジム・ブロードベント)。長年連れ添った妻(ヘレン・ミレン)とやさしい息子(フィオン・ホワイトヘッド)と小さなアパートで年金暮らしをするケンプトンは、テレビで孤独を紛らしている高齢者たちの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもうひとつのある真相が隠されていた。
1961年に実際に起こったゴヤの名画盗難事件の知られざる真相を描いたドラマ。
監督は「ノッティングヒルの恋人」のロジャー・ミッシェル。2021年9月に亡くなったそうです。
税金を使って、ゴヤの高い絵を買うなら、公共料金を免除するべきと考えるのはごもっともと思いました。かなり困った性格の主人公なんだけど、言っていることは正しいです。当時は人種差別も激しく、一緒に働いているパキスタン人だったと思うけど、上司に休憩時間を減らされているのを見て、文句を言います。
そして何と言っても、奥さんのヘレン・ミレンは素晴らしいです。女王や貴婦人の役をやっても素敵ですが、今回は働き者の普通のおばさんとい言う感じでした。過去に家族に不幸があって、心に傷を負っています。息子役は「ダンケルク」の人ですね。ちょっと親子にしては若すぎないかなぁ。
1960年代のイギリスの風景、家のインテリアや、ファッションなども見る事ができて良かったです。
派手さはないけど、好きな作品です。予想外の真相にも驚きました。

★★★★☆ 4

鶏白湯soba2022/03/07



銀座“篝(かがり)”にて、鶏白湯sobaです。久しぶりに食べました。と言うのは、前に行っていたお店がなくなっていたからです。移転していたのか、前からあった支店だったのか、わからないけど、看板をみつけたのです。ちょっとわかりにくい所にありました。
いつも、季節の野菜がのっていて、この日は、竹の子、スナップエンドウ、三つ葉、パプリカ、カボチャでした。

アンチャーテッド2022/03/08


アンチャーテッド

「アンチャーテッド」 TOHOシネマズ日本橋
ニューヨークでバーテンダーとして働くネイサン・ドレイクことネイト(トム・ホランド) は、器用な手さばきを見込まれ、トレジャーハンターのサリー(マーク・ウォールバーグ)から、50億ドルの財宝を一緒に探さないかと誘われる。ネイトは、消息を絶った兄のことをサリーが知っていたことから、一緒に行くことに。同じく財宝を狙う組織との争奪戦の末に、手がかりとなるゴールドの十字架を手にしたネイトとサリーは、500年前に消えたとされる幻の海賊船へとたどり着くが……。
ベースとなっているのはトレジャーハンターのネイサン・ドレイクが伝説の秘宝や古代都市の謎に挑む人気アクションアドベンチャーゲーム「アンチャーテッド」シリーズだそうです。
王道の冒険アドベンチャーで面白かったです。謎解きもいっぱいあって、インディ・ジョーンズみたいです。こういうのこそ映画館で楽しんでほしいけど、日本ではそんなにヒットしていないのか、私が行った時はすいていました。
ドキドキハラハラもあるけど、安心して見ていられるし明るいです。
身体能力バツグンのトム・ホランドのアクションも見どころです。誰を信じていいのかわからなくなりますが、欲にまみれたいろんな敵が、次々に出てきます。続編もできそうな感じです。

★★★★☆ 4

メトロポリタン美術館展2022/03/09



「メトロポリタン美術館展」 新国立美術館
1870年に創立されたアメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館は、先史時代から現代まで、5000年以上にわたる世界各地の文化遺産を包括的に所蔵しているそうです。
今回の展示は、ヨーロッパ絵画部門に属する約2500点の所蔵品から、選りすぐられた珠玉の名画65点(うち46点は日本初公開)を展覧しています。
ルネサンス、スペイン絵画、ロココ、印象派などなど、そうそうたる画家の作品が来ていて、驚きました。
ラファエロ、クラーナハ、ティツィアーノ、エル・グレコ、ルーベンス、ゴヤ、ベラスケス、カラバッジョ、クールベ、ターナー、マネ、ドガ、モネ、ルノアール、セザンヌ、ゴーギャンなどなど。ゴッホやフェルメールまであります。
教科書に出てくるような画家ばかり集まっているのですが、日本初公開作品が多いので、初めて見た絵が多かったです。過去にもメトロポリタン美術館展があったけど、今回のはレバル高いです。
ポスターになっているのは、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの《女占い師》です。
占い師の老婆を見つめる若者が、周りの女性たちから財布や宝飾品を盗み取られる場面です。ラ・トゥールと言えば、もっとロウソクの光に照らされた、夜の人物像のイメージでありましたが、こちらは明るい色調の絵で、中心にいる人物が、ちょっと抜けている裕福なボンボンで、女性たちにいいように騙されているようですね。

ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵2022/03/10



「ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語」
森アーツセンターギャラリー
世界最高水準の日本美術コレクションを誇るボストン美術館所蔵品の武者絵と秘蔵の刀剣が里帰りする展示です。
いやぁ、ボストン美術館すごいですね。日本より日本ものが良い状態で残っています。
菱川師宣、北尾政美、歌川国貞、歌川国芳、歌川広重、月岡芳年など、迫力ある武者絵がいっぱいでした。特に国芳が多かったです。
浮世絵といっても武者絵がテーマなせいか、北斎や歌麿はなかったです。広重は1枚ありました。
刀剣と鐔(つば)も素晴らしく、とても美しい状態です。つばは細かい細工があれていて、本当に芸術品ですね。使うというより、見せびらかすものではないでしょうか。刀剣は近頃人気があるようですが、私はよくわからないですが、とてもきれいで、輝いています。古い物なのに、保管状況が良いのでしょうね。刀で殺し合いをしていた時代は怖いですが、美術的価値はあると思いました。