春画先生 ― 2023/10/23

「春画先生」 シネスイッチ銀座
肉筆や木版画で人間の性的交わりを描いた「春画」の研究者である「春画先生」こと芳賀一郎(内野聖陽)は、妻に先立たれて以来、更に研究に没頭していた。そんな芳賀から春画鑑賞を学ぶ事になった春野弓子(北香那)は、春画の奥深い魅力にのめり込んでいくと同時に、芳賀に恋心を抱くようになる。やがて、芳賀の執筆している「春画大全」の完成を急ぐ編集者の辻村(柄本佑)や、芳賀の亡き妻の姉である一葉(安達祐実)の登場により、大きな波乱がら巻き起こる。
有名な浮世絵師は、みんな春画も描いています。この映画では、たくさんの春画が登場し、勉強になりました。R15+でした。
話は唐突で、極端なところが多いですが、結構笑えて、面白かったです。奇想天外な偏愛ラブコメディでした。春画鑑賞会では、回転寿司のように、絵が回転してきて、みんなで順番に鑑賞していて、不思議な光景でした。
★★★★☆ 4-
オペレーション・フォーチュン ― 2023/10/20

「オペレーション・フォーチュン」TOHOシネマズ日比谷
MI6御用達の敏腕エージェント、オーソン・フォーチュン(ジェイソン・ステイサム)に下された新たなミッション。それは100億ドルで取り引きされる謎のブツを追跡、回収すること。コーディネーターのネイサン、天才ハッカーのサラ、スナイパーや運転手なんでもこなすJJたちと、即席チームを率いて行動する。途中ハリウッドスターのダニー(ジョシュ・ハートネット)を無理やり仲間に引き込み、億万長者の武器商人グレッグ(ヒュー・グラント)に接近。巨大な陰謀が絡み合っていきます。無事に回収できるのか……。
安心して見ていられる強いジェイソン・ステイサム。無駄のないスピーディーな動きで、敵を制圧していきます。慣れた仲間じゃないけど、チームも次第にまとまっていきます。今や大スターとなったジェイソン・ステイサムですが、デビューは今作のガイ・リッチー作品。いつもスタイリッシュで面白いガイ・リッチー監督作。今回も満足しました。まずオープニングが、大きな足音が続いて、音楽はないけど、リズミカルで、引き込まれて行きます。大胆に接近して情報を盗んだり、嘘を吐いたりして、懐に飛び込んで行きます。スパイアクションを楽しみました。
★★★★☆ 4
SISUシス 不死身の男 ― 2023/10/15

「SISUシス 不死身の男」 ユーロライブ(試写会)
第2次世界大戦末期1944年、ソ連に侵攻されたらナチスドイツに国土を焼き尽くされたフィンランド。老兵アアタミ・コルピ(ヨルマ・トンミラ)は、掘り当てた金塊を持って、愛犬と荒野を旅していた。しかし、ナチスの戦車隊と遭遇し、金塊と命を狙われる。アアタミはかつて精鋭部隊の一員として名を馳せた伝説の兵士だった。執拗に襲ってくる敵を次々と血祭りにあげていく。
SISUとはフィンランド特有の言葉で、全ての希望が失われた時に現れる不屈の精神というような意味。確かにこの映画の主人公は、不死身ではあるけどちらかと言うと不屈の男でした。え、これは死ぬでしょと思っても、何度も生き延びて、執念を燃やしてきます。痛そうなシーンが多かったです。91分の短めの映画ですが、ハリウッドのようなスピード感はなく、独自のペースで展開します。章立てになっています。広い荒野で戦う事が多くて、自然豊かな場所でした。何もない荒野だから、隠れる事もできません。予想を超える攻撃方法が多くて、鮮やかな戦い方で、敵を脅やかします。面白かったです。「イコライザー」に引けをとりません。男臭い映画かもしれませんが、女性たちも出てきて、カッコよかったです。かわいい犬も出ていますが、実生活でも主役の俳優さんの愛犬なんだそうです。
★★★★☆ 4

試写会の後は LiLiCoさんがゲストで、トークショーがありました。
イコライザー THE FINAL ― 2023/10/12

「イコライザー THE FINAL」 TOHOシネマズ日比谷
シチリアで大怪我をしたロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)は、アマルフィ海岸沿いの静かな田舎町に辿り着く。家族や親戚のように親しく接してくれる町の人々。しかし、小さな町にも悪の魔の手が忍び寄っていた。自分を救ってくれた人たちの為、マッコールは仕事を再開する。
シリーズ3作目、残酷なシーンも多いけど、強いマッコールを見るのが、気持ち良いです。本当にファイナルなのかな。デンゼル・ワシントンは、年を重ねてもかっこいいです。イタリアの海辺の町が素敵でした。階段が多いけど、絵になる町です。マッコールがカフェで紅茶を頼むと、紅茶はイギリス人か老人しか頼まないと言われていたけど、イタリアではそう言う感じなのかな。
★★★★☆ 4
アンダーカレント ― 2023/10/10

「アンダーカレント」 グランドシネマサンシャイン
かなえ(真木よう子)は、家業の銭湯を夫婦で経営していたが、ある日突然、夫(永山瑛太)が、失踪してしまう。一時休業していたが、銭湯をどうにか再開させる。数日後、堀(井浦新)と名乗る謎の男が、銭湯組合の紹介で現れ、一時的に住み込みで働く事に。かなえは友人に紹介された探偵の山崎(リリー・フランキー)に依頼し、夫の行方を捜しながら、堀と共に銭湯を継続していく。
今泉力哉監督作品にしては、ちょっと重い気がしました。軽妙な笑いがいつもあるけど、今作ではリリー・フランキーさんが、一手に引き受けているようでした。胡散臭い探偵の役だったけど、この映画の本髄を伝える役割りでもありました。
庶民的な町にあるみんなの銭湯と言う雰囲気が良かったです。裏に家があって、食事するシーンが何度かありますが、家庭的な料理で美味しそうでした。主人公の抱える何か、謎の男、夫の失踪など、ちょっとミステリアスで、引き込まれました。ちょっと長い映画でしたが、面白かったです。
★★★★☆ 4+
ロスト・キング 500年越しの運命 ― 2023/10/08

「ロスト・キング 500年越しの運命」 TOHOシネマズシャンテ
フィリッパ・ラングレー(サリー・ホーキンス)は職場で理不尽な評価を受けていた。ある日、息子の付き添いでシェイクスピア劇「リチャード三世」を鑑賞した彼女は、悪名高きリチャード3世も、実際の姿とは別に不当に扱われてきたのではないかと疑問を抱き、歴史研究にのめり込んでいく。リチャード3世の遺骨は近くの川に投げ込まれたと長らく考えられてきたが、フィリッパは彼の汚名をそそぐべく遺骨探しを開始する。
500年にわたり行方不明だった英国王リチャード3世の遺骨発見の立役者となった女性の実話をもとにしています。
調査にのめり込んだフィリッパには、リチャード3世の姿が見えていて、語り合うような演出になっています。幻覚が見える危ない人にも思えるけど、それが面白いなと思いました。彼女は2人の子どもがいて、スティーブ・クーガン演じる別居中の夫と協力して面倒をみています。その夫婦の関係も良かったです。なんといっても主人公を演じるサリー・ホーキンスの取り憑かれた様に情熱を注いでいくのが合っていました。
結末に近いあたりが、実話に近いのかもしれないけど、モヤモヤしました。彼女の功績がすごい事なのに、やはり正当な評価を得るのには時間がかかるようです。スコットランドのエディンバラ、綺麗な街でした。
★★★★☆ 4-
バーナデット ママは行方不明 ― 2023/10/06

「バーナデット ママは行方不明」 TOHOシネマズ日本橋
シアトルに暮らす専業主婦のバーナデット(ケイト・ブランシェット)は、一流企業に勤める夫(ビリー・クラダップ)や親友のような関係の愛娘に囲まれ、幸せな毎日を送っていた。しかし、彼女は極度の人間嫌いで、隣人やママ友たちとぶつかって、トラブルを起こしている。かつては天才建築家だった彼女は、現在の生活に息苦しさを覚えていた。やがてある事件をきっかけに、家族の前から姿を消し、南極に向かう……。
タイトルの行方不明から、ママがどこかに行ってしまうのは想像つくけど、それまでが結構長くて、バーナデットの病んでいる様子を見ていて辛かったです。「TAR/ター」も頭脳明晰な人が病んでいる感じだったけど、タイプは違うけど、状況に苦しんでいるのは共通しています。どうしてかが、はじめはよくわからなかったし、ヘンな行動をとっていて、旦那さんが心配しています。娘との関係は良かったです。「TAR/ター」よりも先に撮った映画だけど、日本の公開はこちらの方が遅かったようです。全体的に雰囲気が明るいし、終わってみれば爽やかな映画なんだけど、バーナデットの強引な行動は、理解しがたかったです。でもケイト・ブランシェットは何を演じても素敵です。ビリー・クラダップも良かったです。
★★★★☆ 4-
ダンサー イン Paris ― 2023/10/02

「ダンサー イン Paris」 ヒューマントラストシネマ有楽町
パリ・オペラ座でエトワールを目指すエリーズ(マリオン・バルボー)は、恋人の裏切りを目撃し、動揺したまま踊る事になり、バランスを崩して足首を負傷してしまう。医師から踊れなくなるかもしれないと告げられる。失意のなか、友人から料理のアシスタントの仕事に誘われてブルターニュを訪れた彼女は、独創的なコンテンポラリーダンスをする集団と出会い、誘われて練習に参加するようになる……。
挫折と再生の物語。パリオペラ座のバレエダンサーの人が主演しています。演技も自然で上手いし、バレエが本当に美しいです。コンテンポラリーダンスも素晴らしいです。躍動感的で、力強く集団で踊ります。
パリの家のベランダがオシャレ、街並みもさすがはパリ、ブルターニュに行っても、海辺で癒されます。
お料理も出てきますが、手が込んでいて、美味しそうでした。風景や恋愛模様も含めて、フランスらしさがいっぱいでした。
★★★★☆ 4
ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック! ― 2023/10/01

「ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!」TOHOシネマズ日比谷
ミケランジェロ、ドナテロ、ラファエロ、レオナルドは、不思議な液体「ミュータントジェン」に触れたことでミュータントとうなったカメたち。地下や路地裏で身をひそめて過ごしているが、中身はティーンエイジャー。普通の高校に行ったり、人と関わる事に憧れている。彼らの育ての親ネズミのスプリンターを師匠に武術の腕を磨いている。そんな彼らの前にミュータント軍団が現れ、仲間がいた事を喜ぶが、人間社会を乗っ取る野望を聞かされ、対決していく……。
ストリートミュージックにのってテンポの良い映画でした。武術の手本が、ジャッキー・チェンをはじめ、いろいろな映画が出てきて、楽しかったです。かわいいカメに比べて、人間はあまり可愛くないし、敵対するミュータント軍団は、ちょった気持ち悪かったです。でも醜い姿に優しい心を持っている者もいる。
タッチをあえて残したような絵がオシャレで、芸術的でした。
★★★★☆ 4-
ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン ― 2023/09/27

「ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン」 角川シネマ有楽町
騎士に憧れている売れない役者のルスランは、自由を求めて王宮を抜け出してきた王女ミラと運命的な出会いをし、恋に落ちる。しかし悪の魔法使いチェルノモールがミラを連れ去ってしまう。ミラの愛の力を自分の魔力に生かそうと狙っていた。ルスランはミラを救うため手がかりを求めて旅に出る。
ウクライナのアニメだそうです。吹替しかなかったので、吹替版で鑑賞しました。ポスターの絵もそうだけど、ディズニーアニメっぽかったです。内容は王道ストーリーでした。よくまとまっているけど、どこかで聞いたことあるような感じもしました。面白かったけど、主人公のルスランがあまりかっこよくないかな。さえない男がだんだん成長していくとか、変わっていくとかが多いと思うけど、あまり成長していない気がしました。絵はきれいで、人物は目が大きくて、かわいかったです。
★★★★☆ 4-
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