37セカンズ2020/02/29


37セカンズ

「37セカンズ」 シネスイッチ銀座
脳性麻痺のユマ(佳山明)は、母親(神野三鈴)の世話を受けながら、車椅子で生活している。友人の漫画家のゴーストライターとして仕事をしているが、自立のために、アダルト漫画を描いて編集部に持ち込むと、リアルさに欠けると言われる。
性体験をしようにも、うまくいかず、知り合った女性や介護士のおかげで、外の世界を知るようになる……。
障がいのある人の悩みや現実を描きつつ、お話は意外な方向へ。全体を見ると、とても良い話でした。気がつけば、悲しいわけでもないのに、泣けていました。
ユマは、過保護過ぎる母から自由になりたい気持ちもあるし、もちろん母親は、愛情があって、深く心配しているのがわかります。多くのことを外の世界で、知ることができて、おだやかな気持ちになっていきます。挑戦と成長の物語ですね。
ちょいちょい、ツッコミたいところもあるのですが、面白かったです。
主人公は同じ脳性麻痺の女性で、声がかわいらしく、表情が変わっていく様子が良かったです。

★★★★☆ 4-

スウィング・キッズ2020/02/28


スウィング・キッズ

「スウィング・キッズ」 TOHOシネマズ錦糸町オリナス
1951年、朝鮮戦争当時、巨済島捕虜収容所に新しく赴任してきた所長は、対外的イメージアップのために戦争捕虜でダンスチームを結成するプロジェクトを計画する。収容所のトラブルメイカーであるロ・ギス(D.O.)、通訳のヤン・パンネ、民間人捕虜のカン・ビョンサム、中国人捕虜シャオパンは、前職はブロードウェイタップダンサーの黒人下士官ジャクソンの指導のもと、寄せ集めダンスチーム「スウィング・キッズ」が結成された。彼らに公演の話が舞い込むが……。
日本でもリメイクされた「サニー 永遠の仲間たち」のカン・ヒョンチョル監督。主演はK-POPグループ「EXO」のD.O.です。EXOは、知っているけど、1人1人は、よくわかっていませんでした。D.O.カッコいいし、演技も良いし、ダンスもすごかったです。何よりオーラがありました。
ダンスにかける抑えきれない情熱、友情や絆など、良かったです。
コメディっぽいところもあるけど、捕虜収容所の話だし、シビアでした。
ポップな音楽にのって、タップダンスを堪能できます。

★★★★☆ 4+

ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像2020/02/22


ラスト・ディール

「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」 ユーロライブ(試写会)
年老いた美術商オラヴィ(ヘイッキ・ノウシアイネン)は、家族よりも仕事を優先して生きてきた。そんな彼のもとに、音信不通だった娘から電話がかかってくる。その内容は、問題児の孫息子オットーを、職業体験のため数日間預かってほしいというお願いだった。そんな中、オラヴィはオークションハウスで1枚の肖像画に目を奪われる。価値ある作品だと確信するオラヴィだったが、絵には署名がなく、作者不明のまま数日後のオークションに出品されるという。オットーとともに作者を探し始めたオラヴィは、その画風から近代ロシア美術の巨匠イリヤ・レーピンの作品といえる証拠を掴む。「幻の名画」を手に入れるべく資金集めに奔走する……。
フィンランド映画。画家のイリヤ・レーピンに興味を持ちました。名前を聞いたことある程度でした。画商の仕事って、こういう風になっているのかと思いつつ見ました。でも、絵の知識がなくても楽しめます。主人公がおじいさんだし、全体的に暗めのトーンです。派手なクライマックスではないですけど、静かな感動がありました。こうなったら良いなぁと思う方へはいかないのですが、結果的には良い話でした。好きです。すれ違ってしまった年老いた父とその娘、決して思いやってないわけではないのだろうけど、仕事に夢中になって、ないがしろにしてきてしまったのだと思います。孫息子オットーは活躍してくれるて、父娘だけでは、わかりあえなかった関係を、彼がいることによってつなげてくれています。
クラウス・ハロ監督は「ヤコブへの手紙」「こころの剣士を」と見てきて、お気に入りの監督になりつつあります。調べてみたら、主人公のオラヴィはヤコブへの手紙のヤコブ役の人でした。

★★★★☆ 4+

グッドライアー 偽りのゲーム2020/02/17


グッドライアー 偽りのゲーム

「グッドライアー 偽りのゲーム」 TOHOシネマズ日比谷
インターネットの出会い系サイトを通じて知り合った老紳士のロイ(イアン・マッケラン)と未亡人のベティ(ヘレン・ミレン)。実はベテラン詐欺師のロイは、夫を亡くした資産家ベティから全財産をだまし取ろうと策略をめぐらせていた。世間知らずのベティは徐々にロイのことを信頼するようになるのだが、単純な詐欺のはずだった計画は徐々に思いがけない方向へと進んでいき……。
イアン・マッケランも、ヘレン・ミレンも好きな俳優さんです。先はなんとなく予想できるのですが、どうやって、そしてどのような事情があるのかが、興味深いです。ロイはかなり非情な男です。ベティの前では、善人で弱い男のふりをして、いわば演技の中でまた違う役を演じているわけです。その変わり身はすごいです。もちろんヘレン・ミレンも良かったので、つまらないわけはないですね。

★★★★☆  4

ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密2020/02/14


ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密

「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」 TOHOシネマズ日比谷
世界的ミステリー作家ハーラン・スロンビー(クリスタファー・プラマー)の85歳の誕生日パーティーが彼の豪邸で開かれた。その翌朝、ハーランが遺体となって発見される。依頼を受けた名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)は、事件の調査を進めていく。莫大な資産を抱えるハーランの子どもたちとその家族、家政婦、専属看護師と、屋敷にいた全員が事件の第一容疑者となったことから、裕福な家族の裏側に隠れたさまざまな人間関係があぶりだされていく。
莫大な資産を持つおじいさんが亡くなり、自殺か殺人か、怪しい人だらけの周囲の人たち、果たして真相は?昔ながらのミステリー風で、名探偵が解き明かす、王道風なんだけど、なかなかひねりが効いていて、楽しかったです。
お屋敷は、内装がゴテゴテしていて、わかりやすい金持ち、時に大きくなる音楽、あえての演出なのだと思います。アガサ・クリスティーの世界を思わせます。
映画通を唸らせる新旧のスターたちが共演しています。007やキャプテンアメリカのクリス・エヴァンス、ドン・ジョンソンや、クリストファー・プラマー、ジェイミー・リー・カーティス、トニ・コレットなど。クセのある役が多いです。面白かったです。

★★★★☆ 4

パラサイト 半地下の家族2020/02/13



「パラサイト 半地下の家族」 TOHOシネマズ錦糸町オリナス
キム(父・ソン・ガンホ)一家は家族全員が失業中で、貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師として採用され、妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へ……。
アカデミー賞作品賞や監督賞など、すごい勢いですが、面白かったです。
アカデミー賞発表前に見に行ったのですが、ブログが遅くなりました。
似たような家族構成なのに、この違い、パラサイトというタイトルから、だいたいの予想はついていましたが、お金持ち家族に取り入っていく展開は、想像以上に速いテンポでした。更に後半の展開は畳みかけるような意外さでスピードアップしていきました。
一見コメディっぽくもあるのですが、ホラーっぽくもあり、社会派映画でもあります。韓国ならではの事情もあって、日本とは違うところも多いです。
ラストのとらえ方も人によって様々なのではないかなぁ。

★★★★☆ 4+

フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて2020/02/11



「フィシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて」
ヒューマントラストシネマ有楽町
イギリスのコーンウォール地方の港町に旅行に出かけた音楽マネージャーのダニー(ダニエル・メイズ)は、漁師たちのバンドのライブを見かけ、一緒に出かけた仲間の上司から、彼らと契約を結ぶよう命じられ、置き去りにされる。よそ者に冷たくダニー達の態度も悪かった為、なかなか心を開いてくれない漁師達だったが、時間をかけてなんとか契約を果たす、しかし……。
イギリスに実在する漁師バンドの実話を基に映画化。
歌声も良いのだけど、コーンウォールの自然が良かったです。太陽が眩しいような風景のシーンが多くて、全体的に明るいトーン。実際、イギリスだったら、もっと天気悪い映画が多いような気がします。
都会で仕事をして、うわべだけの付き合いをしていたダニーは、漁師町で暮らし、仲間に入れてもらい、バンドが素晴らしいものだと信じるよいになっていきます。なんとか、バンドの音楽を届けようと努力していきます。好きな女性もできるのですが、いろいろ問題が起きます。
とても、面白かったです。

★★★★☆ 4

バッドボーイズ フォー・ライフ2020/02/09


バッドボーイズ フォー・ライフ

「バッドボーイズ フォー・ライフ」 TOHOシネマズ日比谷
大ヒットアクション映画「バッドボーイズ」の17年ぶり新作となるシリーズ第3弾。
マイアミ市警の敏腕刑事コンビ、マイク(ウィル・スミス)とマーカス(マーティン・ローレンス)。ブランド物のスーツを着こなし、得意のドライビングテクニックでポルシェを飛ばすマイクに対し、マーカスは、そろそろ引退を考えている。そんな中マイクの命が狙われる……。
前作からだいぶたっているけど、懐かしい気分で鑑賞しました。ド派手なアクションと、軽快なノリで楽しめました。話もちょっとひねりが効いています。更に続きを作ってしまうのかなぁと思う終わり方です。マーティン・ローレンスは、年相応かもしれないけど、ウィル・スミスは、若い頃とあまり変わらない気がしました。

★★★☆☆ 3+

無垢なる証人2020/02/07


無垢なる証人

「無垢なる証人」 シネマート新宿
弁護士のスノ(チョン・ウソン)は、新しい弁護士事務所に入って期待されている。
殺人事件の担当になって、容疑者の無罪を立証しようとするが、唯一の目撃者の少女ジウ(キム・ヒャンギ)が、自閉症で意思の疎通が難しい。事件のことを聞き出そうと、何度も会って話をしようとするうちに、次第に彼女のことを理解するようになっていく…。
これ、とっても良い映画でした。父の借金等もあり、もともと人権派の弁護士だったスノは、より出世を望める仕事をしようと方向転換しています。
ジウに出会ったことで、いろいろ考えさせられるのです。正義を求める気持ちがあるのに、依頼人に有利に進める事を求められます。裁判以外でも、理想と現実の間で揺れ動くのです。弁護士になった頃の気持ちとは、違うところへ来てしまった現在、何が正しいことかを見失いつうあるのです。心から笑えることがなくってきていたのではないでしょうか。事件の真相や主人公や周囲の人たちの変化など、見応えのある映画になっていました。

★★★★☆ 4

オリ・マキの人生で最も幸せな日2020/02/05


オリ・マキの人生で最も幸せな日

「オリ・マキの人生で最も幸せな日」 新宿武蔵野館
1962年、ボクサーのオリ・マキ(ヤルコ・ラハティ)は、世界タイトル戦でアメリカ人チャンピオンと戦うことに。減量に励み、集中して試合に臨むつもりだが、オリはライヤ(オーナ・アイロラ)に恋をしてしまう。フィンランド中がオリに期待し、周囲は勝手に盛り上がるし、減量は思い通りにいかないし、恋は……。
モノクロ映像で、古い映画を観ているようでした。減量にはやっぱりサウナなのかぁ。さすがはフィンランド。オリは困っているけど、それほど切羽詰まった風ではないし、どこかのんびりしているように思えた。マネージャーの家に泊まらせてもらって、ライラと二段ベッドの上下で寝て、世界戦を戦うボクサーの待遇じゃないけど、時代的なものなのかなぁ。4人の子どもがいるマネージャーもお金に困っているようだし、試合に向けて盛り上がるのかといえばそうでもないし、ちょっと私は退屈でした。でも眠くはならなかったです。
マネージャー役が「ボーダー 二つの世界」に出ていたエーロ・ミロノフで、素顔はこういう人なのだなと思いました。「ボーダー」ではメイクしていたから。

★★★☆☆ 3