とかげ2024/04/24



「とかげ」 吉本 ばなな 新潮文庫
6編の短編集。表題作の「とかげ」は、主人公が恋人である女性を表しす言葉。本の中でそう呼んでいるだけかもしれないけど驚く。プロポーズをすると、彼女はとある告白をする。幼い頃遭遇した事件がもとで、長い間目が見えなかったという。彼も過去の話を始めると、お互いに痛みを抱えて生きてきて、どうしようもなく惹かれあっているのが、納得できる。ちょっと風変わりな話ばかり、短いのに深みがあって、どれも面白かった。