こぼれ萩 立場茶屋おりき122020/12/20



「こぼれ萩 立場茶屋おりき」 今井 絵美子・著 ハルキ文庫
シリーズ第12弾。盂蘭盆会を前に立場茶屋おりきでは、亡き人の霊を迎える準備を進めていた。そんななか、臨月を迎えた懇意にしている芸者の幾富士に異変が……。その他、妻の病という困難を抱えつつ、支え合う夫婦や、若い女性による火付け事件の顚末等。
蕎麦屋の方に来た客が、幼い2人の子どもを残して、戻ってこない。下の子はまだ赤ちゃん。前にも子どもを残してお父さんがいなくなったことがあるけど、そちらの方は解決して、帰っていったけど、今度もどうなることやらという話でした。
震災で孤児になった子どもの為に、生活の面倒をみて、勉強もできる養護施設あすなろ園をやっているので、とりあえずそこに行かせて、今や大きくなっている子もいて、面倒をみてくれます。おりきの養女となったおきちは、次期女将候補でもあるので、女中見習いを始めたが、淡くて苦い初恋を経験します。子どもの成長も感じます。

パリのどこかで、あなたと2020/12/20


パリのどこかで、あなたと

「パリのどこかで、あなたと」 YEBISU GARDEN CINEMA
隣り合うアパートメントで暮らしているが互いに面識のないメラニー(アナ・ジラルド)とレミー(フランソワ・シヴィル)。がんの免疫治療の研究者であるメラニーは、過去の恋愛を引きずりながらも仕事に追われる日々を送っている。一方、倉庫で働くレミーは、同僚が解雇されたのに自分だけ昇進することに罪悪感を抱えていた。ストレスからメラニーは過眠症に、レミーは不眠症に陥り、それぞれセラピーに通い始める。マッチングアプリで出会った男性たちとデートを重ねるメラニーと、職場で出会った女性が気になるが、距離を縮められないレミーだったが……。
「スパニッシュ・アパートメント」等のセドリック・クラピッシュ監督が、パリを舞台に不器用な男女の出会いを描いたラブストーリー。
「ワンダーランド駅で」という1998年のアメリカ映画が好きなのですが、それに似ていると思いました。しょっちゅうすれ違っているのに、出会わない2人、今回の映画では、建物は違うけど、すぐ隣りのような位置に住んでいます。同じスーパーに行っているし、同じ電車で通勤しています。住まいの後方に見えるモンマルトルの丘、サクレクール寺院、パリでの生活がのぞいている気分です。パリの街を見るのも楽しかったです。
しかし、主人公2人は、なかなかハッキリせず、ちょっと精神的に参っている様子が、長いかもしれません。すぐ近くに、幸せがありそうなのに、みつけられないもどかしい映画なのです。白い子猫が出てきますが、とっても可愛かったです。

★★★★☆ 4