雪割草 立場茶屋おりき102020/12/13



「雪割草 立場茶屋おりき」 今井 絵美子・著 ハルキ文庫
品川門前町の堺屋が、菊水楼という妓楼に見世を売り出すという噂に、おりきたちは寄合を開いて善後策を話し合っていた。そんな折、今まで「おりき」に何かと嫌がらせをしてきた堺屋の主人が、脳卒中で倒れてしまう。
旅籠や茶屋の話だけではなく、品川門前町の他の店との関わりが、これまでも出てきてはいましたが、懇意にしているところがほとんどだけど、ライバル視してくる店もあります。時代は違っても、商店街の人たちが、みんなで協力して、地域を盛り上げていくのに似ているところがあります。
新たな登場人物もいれば、亡くなる人が多いです。子どもが生まれるところもあれば、家族が亡くなることもあり、主な登場人物だけでなく、その家族の話もたくさん出てきます。困っている人がいれば、手を差し伸べずにはいられない主人公です。
ここで働いている人は、家族のように大切にされ、使用人でも時々、美味しいものが食べることができます。辞めたくない職場です。