きりきり舞い2016/05/02

きりきり舞い
「きりきり舞い」 諸田 玲子・著 光文社文庫
主人公の舞は「東海道中膝栗毛」の作者・十返舎一九の娘。父は酒びたりで、わがままで気難しい。
父、義母、舞の3人の生活に、父の押しかけ弟子の浪人や、友達のお栄(葛飾北斎の娘)が、婚家を出てきて居候を決め込む。舞の縁談はみんな父が壊してしまい、十八歳の舞は、あせっている。武家の若者に見初められ、うまくいくことを願っているが、父や居候たちの、奇人ぶりに翻弄されていく…。
有名な戯作者なのに、借金に追われる十返舎一九。葛飾北斎は変わった人だと思っていたけど、十返舎一九もかなりの変わり者。舞は小町と言われる美人なのに、縁談がうまくいかず、父に会わせるのを拒否。実在の人物たちを面白く色づけているのだと思う。お栄さんも、個性的で困った人だったようだ。ドタバタと事件が起きていって、舞を困らせる。十八歳で嫁にいき遅れていると言われるこの時代は厳しいね。

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