僕僕先生2010/04/20

僕僕先生
「僕僕先生」(仁木英之・著)を読みました。
舞台は中国、唐の時代。
家が金持ちで働く気も、勉強する気もない青年王弁(おうべん)は父親から
いつも説教されているが、どこ吹く風。
近くの山に仙人が住み着いたと噂を聞いた父親が、届け物をするために、
息子を使いやることにした。
山を登っていくと、そこには姓は僕、名も僕という美少女がいた。
幼い姿とは裏腹に、何年も生きているという仙人はその少女のことだった。

またまた、楽しい本に出会いました。
難しい言い回しを使っているわりに、なんともわかりやすい本で、漫画を
読んでいるみたいに、するすると読めます。
表紙と挿絵が(中にちょっとだけあります)が、愛らしいのです。
なんでもお見通しの仙人なので、王弁の考えていることまで、見透かされ
てしまいます。いやらしいことを考えてもわかっちゃいます(笑)。
ぐうたらだけど、純真なところもある王弁は僕僕の弟子になるのです。
僕僕のつかみどころのないところと、振り回される王弁の会話も楽しいし、
登場人物も漫画のように思い浮かんで、王弁が出会う不思議なことを一緒に
体験しているようです。ラストも良かったーと思うような終わり方です。
全体に流れるほんわかした感じがやみつきになります。
続きの話も出版されているみたいなので、読むのが楽しみです。