神様の裏の顔 ― 2024/09/12
「神様の裏の顔」 藤崎 翔 角川文庫
誰もが神様のような人と言う元教師だった坪井誠造が逝去した。その通夜に集った参列者たちが「神様」をしのんでいると、とんでもない疑惑が発覚していく。実は坪井は、凶悪な犯罪者だったのか……。
教え子や、後輩教師、ご近所など、立場の違う人たちの話を結びつけていくと、坪井の本当の姿とは。
ミステリアスで、どう話が進んでいくのかと、興味を持って読めました。軽やかな文章でサクッと読めます。この作者は元お笑い芸人だったそうで、コントを作る人は、お話を作るのも上手いのでしょう。この話の中でも、坪井が経営していたアパートの住人の1人が、売れないお笑い芸人でした。たくさんの人が語る坪井という人、中心ではあるけど、すでに故人。他は主人公と言える人はいなくて、群像劇のようになっています。たくさんの回想はあるものの、お通夜の1日、1夜の話でもありました。面白かったです。
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