鵞鳥湖の夜2020/10/09


鵞鳥湖の夜

「鵞鳥湖の夜」 ヒューマントラストシネマ有楽町
2012年、中国南部。再開発から取り残された鵞鳥湖(がちょうこ)周辺の地区で、ギャングたちの縄張り争いが激化。刑務所を出て古巣のバイク窃盗団に戻った男チョウ(フー・ゴー)は、対立に巻き込まれ、逃走中に誤って警官を射殺してしまう。全国に指名手配された彼は、妻と会おうとするのだが、うまくいかない。そんな彼の前に、見知らぬ女アイアイ(グイ・ルンメイ)が妻の代理としてやって来る。鵞鳥湖の水辺で娼婦として生きる彼女と行動をともにするチョウだったが、警察や報奨金を狙う物たちに追われ、後戻りのできない袋小路へと追い詰められていく。
中国ノワール映画。ほとんどの場面が夜でした。雨がとても印象的です。映像がスタイリッシュで、どこを切り取っても絵になっているようでした。音楽も独特で、特に追い詰められているところなどは、歌舞伎の四谷怪談や、女殺油地獄などのように、和風な鳴り物みたいに感じました。謎の女アイアイ、味方なのか、よくわからないままに話は進んでいきます。時間が前後して、説明されていきます。
水浴嬢という風俗的な仕事を初めて知りました。グイ・ルンメイは美しかったです。チョウの奥さん可愛らしい。フー・ゴーはかっこいい。ちょっと阿部寛っぽく見える時もあります。「チイファの手紙」にも出ていました。なかなか血なまぐさいですが、芸術的でミステリアスな映画でした。肉の入った麺、おいしそうに食べていました。
好きなタイプの映画です。

★★★★☆ 4+