神様の裏の顔2024/09/12



「神様の裏の顔」 藤崎 翔 角川文庫
誰もが神様のような人と言う元教師だった坪井誠造が逝去した。その通夜に集った参列者たちが「神様」をしのんでいると、とんでもない疑惑が発覚していく。実は坪井は、凶悪な犯罪者だったのか……。
教え子や、後輩教師、ご近所など、立場の違う人たちの話を結びつけていくと、坪井の本当の姿とは。
ミステリアスで、どう話が進んでいくのかと、興味を持って読めました。軽やかな文章でサクッと読めます。この作者は元お笑い芸人だったそうで、コントを作る人は、お話を作るのも上手いのでしょう。この話の中でも、坪井が経営していたアパートの住人の1人が、売れないお笑い芸人でした。たくさんの人が語る坪井という人、中心ではあるけど、すでに故人。他は主人公と言える人はいなくて、群像劇のようになっています。たくさんの回想はあるものの、お通夜の1日、1夜の話でもありました。面白かったです。

熱烈2024/09/13



「熱烈」 TOHOシネマズ日比谷
中国・杭州で活躍するダンスチーム「感嘆符!」カリスマダンサーのケビンは、練習に参加せず、わがまま放題。ケビンの代役としてかつてオーディションを受けた陳爍(ワン・イーボー)を引き入れ、全国大会目指して練習に励む。仲間たちとの絆を築いていくが、数々の試練が降りかかる。
チームでブレイキンをするプロ集団。かつて一世風靡したコーチ(ホアン・ボー)が指導している。全国大会で優勝して名声を得たいが、スポンサーでもある金持ちのケビンに気をつかっている。陳爍は努力を重ね、代役でも良いし、大会に出れなくても、練習を続けたいと考えている。とても謙虚な人。たくさんの仕事をし、家計を支え、合間に練習している。
ダンスバトルが、迫力がありました。観客も近いし、ライバル同士もすぐ近くで踊る事があるので、ぶつからないか、心配してしまいます。身体全体を使ってグルグル回るし、片手だけで、身体を支えてピタッと静止するし、みんなすごい身体能力があります。ダンスだけでも面白かったです。主役のワン・イーボーは、「無名」の時とは、全然違っていて、ダンスが素晴らしかったです。ライバルとなるケビンもカッコ良かったです。家族愛や、恋愛模様も入れ込んでいるけど、基本はスポ根ものでした。中国アニメ映画「ライオン少年」に近いと思いました。「ベスト・キット」にも通じます。王道ストーリーです。でも、最後の技は、ちょっと想像と違ったけど、全体的には楽しく熱い映画でした。

★★★★☆ 4+

紙博の消印他2024/09/14



店長がバカすぎて2024/09/15



「店長がバカすぎて」 早見 和真 ハルキ文庫
谷原京子28歳。吉祥寺の書店の契約社員。多忙なのに薄給。お客様からのクレームは日常茶飯事。店長の山本は非敏腕。人を苛立たせる天才だ。毎日辞めてやると思いながらも、本が大好きな京子は奮闘する。
書店員の悲哀が、わかりやすく描かれています。でもどこの職場でも同じ、人間関係や、トラブルにいつも悩まされています。上司が使えない奴、気に食わない奴というのも、どこにでもあります。ちょっとしたミステリーもありました。尊敬する先輩同僚や、後輩がいるのが楽しそうです。本屋で働く人は、みんな本好きなようです。個性的な登場人物もたくさん出てきました。主人公の実家が神楽坂の小料理屋というのは、羨ましいです。

ぼくのお日さま2024/09/16



「ぼくのお日さま」TOHOシネマズシャンテ
雪の降る田舎町。ホッケーが苦手な吃音の少年タクヤ(越山敬達)は、フィギュアスケート練習中の少女さくら(中西希亜良)に心奪われる。自分でもホッケー靴のまま、フィギュアスケートの真似をして、何度も転んでいる。それを見ていたフィギュアコーチの荒川(池松壮亮)は、フィギュア用のスケート靴を貸して練習につきあうようになる。やがて荒川の提案で、タクヤとさくらはペアでアイスダンスの練習を始める事になる。タクヤはまだ拙かったが、何度も練習し、なんとか揃って北野だが……。
ひと冬の話で、多分北海道だと思いますが、とても美しい雪景色でした。映像美の連続です。柔らかい光に包まれたスケート場で滑る2人、室外の自然の中のスケートリンクに行くのも、良かったです。みんなが楽しそうで、一番盛り上がったところかな。ひたむきな少年と少女、それを見守るコーチ、楽しいだけではなく、喜びと苦味がありました。さくらは顔も美しいけど、スケートの動きがきれいでレベル高いです。タクヤと、その仲の良い友達も天使のようなピュアさ。池松壮亮と若葉竜也がまた光ります。奥山大史監督の前作「僕はイエス様が嫌い」も良かったけど、今作も気に入りました。

★★★★★ 5-

巨人vs中日2024/09/16



16日東京ドームにて、巨人vs中日観戦へ。優勝争いをしている巨人。岡本選手や吉川選手のホームランがあって、危なげなく勝ちました。巨人ファンには嬉しい試合でした。巨人7-1中日。私は本当は中日に勝って欲しかったけど。しょうがないなぁ。

トルコライス2024/09/17



野球観戦前に、秋葉原の“長崎トルコライス食堂”へ行って、トルコライスを食べました。東京ではトルコライスを出しているお店は少ないので、友達に教えてもらったので、早速連れて行ってもらいました。種類がいろいろありました。大人のお子様ランチの様に楽しいです。味も美味しかったです。

ガーリックシュリンプとズッキーニソテーのピッツァ2024/09/18



“トゥーザハーブス”アトレ亀戸店にて。季節メニューだと思う。ガーリックシュリンプとズッキーニソテーのピッツァを食べました。飽きない味で、美味しくいただきました。

緋色の残響2024/09/19



「緋色の残響」 長岡 弘樹 双葉文庫
強行犯係の刑事にして一人娘の母親である羽角啓子。中学生の娘、菜月の将来の夢は新聞記者。菜月がかつて通っていたピアノ教室で、女子生徒が急死した。死因は食物アレルギー。不慮の事故かと思われたが、菜月のある行動によって真実が明らかに。
母も娘も、鋭い観察力を持っています。菜月は、母の影響もあって、同世代の子どもとは考え方や行動も違うし、しっかりしています。簡単には狼狽えないです。しょうがないけど、母娘の周囲では事件が多発し過ぎます。学校関係でも、殺人や殺人未遂など、知り合いが事件に巻き込まれたり、犯人だったりと。短編連作だけど、全て母娘の話で、流れは繋がっていました。どれもよく練られた話で、面白かったです。母娘関係や、刑事の仕事なども、良かったです。忙しい母のため、1人でなんでもできる菜月です。事件が起これば、何日も帰らない事もある母、信頼しあっているし、気遣いもあります。どちらが解決するのか、良いコンビです。