緋色の残響 ― 2024/09/19
「緋色の残響」 長岡 弘樹 双葉文庫
強行犯係の刑事にして一人娘の母親である羽角啓子。中学生の娘、菜月の将来の夢は新聞記者。菜月がかつて通っていたピアノ教室で、女子生徒が急死した。死因は食物アレルギー。不慮の事故かと思われたが、菜月のある行動によって真実が明らかに。
母も娘も、鋭い観察力を持っています。菜月は、母の影響もあって、同世代の子どもとは考え方や行動も違うし、しっかりしています。簡単には狼狽えないです。しょうがないけど、母娘の周囲では事件が多発し過ぎます。学校関係でも、殺人や殺人未遂など、知り合いが事件に巻き込まれたり、犯人だったりと。短編連作だけど、全て母娘の話で、流れは繋がっていました。どれもよく練られた話で、面白かったです。母娘関係や、刑事の仕事なども、良かったです。忙しい母のため、1人でなんでもできる菜月です。事件が起これば、何日も帰らない事もある母、信頼しあっているし、気遣いもあります。どちらが解決するのか、良いコンビです。
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