夕食なんだけど2010/11/25

チーズを巻いたハム、パリパリキャベツ塩昆布のせ、
シューマイ、さつま芋と鶏肉を煮たもの。
なんか、居酒屋みたいなだな。
やっと、もらったさつま芋を食べきった。

吉原手引草2010/11/25

吉原手引草
「吉原手引草」松井今朝子・著 幻冬舎文庫
はじめは何もかも明るみに出ていない状況。ある事件をめぐる人々を、取材して
いる男がいる。どうやら、吉原一と謳われた花魁の葛城(かつらぎ)が、忽然と
姿を消してしまったらしい。
遣手、幇間、楼主、女衒など、葛城にかかわりのあった人の話を順番に聞いてい
くという形式で話は進んでいく。
謎を解いていく、ミステリーなのだが、同時に吉原のシステムを、わかりやすく
解説してくれる。吉原に関する小説はいろいろ読んだけど、この本が一番わかり
やすいかも。かわりに吉原の暗い部分はあまり描かれてはいない。
事件と吉原のことだけではなく、葛城がどんな人物で、どのような経過を辿って
吉原一と言われる花魁になったのかが、この本のもうひとつの魅力。
人の心をつかむことが、非常にうまくて、とても利口な女性だったということ。
果たして、真実は…。
恩田陸の「Q&A」という本を思い出しました。何が起きたかは、わからないまま
に、事件に関わりがあった人の話を聞いていくことで、だんだん解き明かされて
いくというところが、共通しています。
取材するひとりひとりにも、ドラマがあり、クセもの揃いでキャラクターの描き分
けが巧みなんです。結論を知ってみれば、すごい感動というほどではなかった
けれど、終始面白さが持続する話でした。直木賞受賞作。