無暁の鈴2025/06/13



「無暁の鈴」 西條 奈加 光文社時代小説文庫
家族に疎まれ寒村の寺に預けられた武家の庶子・行之助は、手ひどい裏切りにあって村を捨てた。絶望から“無暁(むぎょう)”と名を変え、ひょんなことから一緒になった万吉と、江戸に向かう。悶着をきっかけにやくざの沖辰一家の世話になる。波瀾万丈の人生、信じるものを見失った無暁が、たどり着く境地とは。
寺で修行した無暁は、頼まれて経を読む事があり、僧のような事をして暮らしていく。辛い出来事も多いですが、ホッとするパートもあり、どんどん引き込まれて読んでしまいます。この時代の苦しさもヒシヒシと伝わってきました。飢饉など、生きることが大変でした。大切な人との別れがあり、幸せになる事を、期待しながら、そう簡単にはいかないもので、話の中では長い月日が経っていました。多くの出会いがあって、成長していく様子を追っていき、面白かったです。

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