彼女が消えた浜辺2010/09/19

彼女が消えた浜辺
「彼女が消えた浜辺」を見てきました。イラン映画です。
カスピ海沿岸での週末のバカンスを過ごすために、友達家族で車で
やってくる。3組の家族と、最近離婚した男性1人、その男性に
紹介するために独身女性が1人。家族の中には小さな子どもが3人
いる。独身女性のエリは子どもの保育園の先生で1泊だけと言って
ちょっと無理やり連れてこられた感じ。他の家族は3泊の予定で来
ている。着いてみると泊まる予定の別荘が満室だったりして、長年
使われていなかったちょっと朽ちかけた別荘に泊まることになる。
手分けして掃除し、割れたガラス窓をふさいだりしながらもみんな
休暇を楽しんでいる。エリを紹介されたアーマドはエリのことを
気に入っているし、みんなが協力する姿勢。
翌日、子どもの1人が海で溺れ、大騒ぎになるが救助される。
ホッとしたのもつかの間、エリの姿が忽然と消えてしまう。
警察や救助隊が捜索を行うが、捜索と共に浮かび上がってくるのは、
エリという呼び名以外、彼女のことを何も知らないということだった。
彼女は海で溺れたのか、それとも1人でテヘランに帰ったのか、
自分の意思で姿を消したのか…。
深まる謎に、仲良くしていた仲間たちも、精神的に追い込まれていく。
後悔にさいなまれたり、自分の保身をはかったり、他人を非難したり。

イランという国のことをよく知らないので、それだけで興味深かった
です。車はプジョーやSUVで、バツイチのアーマドはドイツに住ん
でいるみたいで、エリート家族の集まりなんだと思います。
でも保母さんであるエリの旅行用バッグはルイ・ヴィトンで、ちょっ
と意外に思ったりします。
女性はみなスカーフのような布で髪をかくしていること。
バレーボールに興じていても、髪を覆ったままなのです。
男女の婚約や交際の考え方にしても、日本とはかなり違いがあるよう
です。楽しい話じゃなく、終始眉間にシワを寄せて見てしまうような
映画でしたが、この集団心理劇のような内容に、ドキドキしてしまい
ます。エリの表情の変化がいろいろと意味深な感じです。
荒れた海をみんなで探しまわるシーンでは、必死になっていることが
ヒシヒシと伝わってくるし、カメラも一緒に走っているので、すごい
臨場感なんです。
果たしてその結末は、え、こういう終わり方?ってところもありまし
たが、ドキュメンタリー風のサスペンスみたいな感じでしょうか。
はじめは、誰と誰が夫婦なのか、よくわからなかったけど、エリを
はじめ女の人は彫りが深くてみんなきれいでした。メイクの仕方も
キリッとした感じで良かったです。
自分は面白かったけど、どうかなぁ。

★★★★☆

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