学年誌100年と玉井力三2022/10/18



「学年誌100年と玉井力三」 日比谷図書文化館
日本独自の出版文化である児童雑誌「学年誌」。1922(大正11)年に初めて学年別学習雑誌として『小學五年生』と『小學六年生』が創刊されました。その発行部数が最も多かった1950年代から70年代にかけて表紙画を手がけたのが洋画家・玉井力三を中心にした展覧会です。
流行や世相を反映した姿の男の子と女の子が笑顔で表紙を飾るスタイルの表紙を描き続けました。
ニコニコ笑顔の少年・少女、知っている絵だけど、知られざる画家でした。ずっと見ていたけど、そんなに意識して見ていなかったです。写実的で、流行も入れて、季節も考えられていました。夏はプールやスイカを持っていたり、秋は運動会、12月はクリスマス、1月は振袖という風に。オリンピックや、万博の時は、それとわかるような絵になっていますし、時々、他の人も一緒に描かれていたりしました。長嶋茂雄とか。野球が人気なのがわかります。バレーボールを持っているのもありました。「めばえ」「幼稚園」など、小学生以下の雑誌には、もう少し小さい子どもの絵になっています。近頃はまだあるのかなと思ったら、今も出ているのですね。今はポケモンなどイラストや写真を使った表紙になっていました。


京都祇園もも吉庵のあまから帖42022/10/18



「京都祇園もも吉庵のあまから帖4」 志賀内 泰弘・著 PHP文芸文庫
楽しいはずの修学旅行で、終始沈んだ表情の女の子が抱える事情とは。
病のため職を失った男が、無銭飲食をしようとするのだが…。
声を失った舞妓と、駆け出しの料理人の淡い恋。
京都・祇園の片隅にひっそりと佇む甘味処「もも吉庵」を中心にした人情物語。
シリーズ第4弾。
それぞれに事情があり、もっとこうしたら良いのにと思っても、なかなかうまくいかないものです。もも吉庵のすぐ近くに仕出し専門の料理屋があり、そこで修業中の少年は、施設で育ち、母に捨てられたと思って育っています。苦労が多いし、料理人としては一番下っ端です。母が会いに来ても拒否してしまいます。舞妓になったばかりのもも奈と仲良くなるのですが、もも奈(奈々江)はトラウマで声を出すことができません。
麩もちぜんざいは、毎回出てくるけど、それだけではなく、京都の有名な和菓子が、たくさん出てきます。架空のお菓子もあるだろうけど、実際のお菓子が多いのだと思います。京都のお菓子に詳しくないので、知らないものばかりです。恐らく、作者は甘党なのではないかなぁ。