落下の解剖学2024/03/03



「落下の解剖学」 TOHOシネマズ日本橋
雪深い山荘で著名な作家のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)の夫サミュエル(サミュエル・タイス)が転落死する。視覚障害のある息子ダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)が発見。果たして事故なのか、自殺か、他殺か。起訴さられたサンドラは友人のヴァンサン(スワン・アルロー)に弁護を依頼。無実を主張するが、隠された秘密が露わになっていく。
フランス映画ですが、サンドラはドイツ人でした。大半は法廷劇で、観ていても、真実はわかりにくかったです。しかし、一筋縄にはいかず、いろいろな事を深読みしてしまいます。夫が倒れているのを見て、サンドラがびっくりして、駆け寄って来るところからして、彼女が殺したとは思えないのだけど、後から法廷で新たな証言や証拠が、それでもわからないのです。名演は息子と犬。いつもダニエルと一緒にいる犬は、盲導犬なのか、ダニエルの安全を守っていました。それだけじゃなく、迫真の演技でした。カンヌでパルムドッグ賞受賞していました。作品は最高賞のパルムドール賞を受賞しています。あまり顔に出ないし、どう考えているのか。あの態度の意味はどうしてか、余韻が残ります。

★★★★☆ 4

ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人2024/02/26



「ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人」TOHOシネマズシャンテ
貧しい家庭の私生児として生まれ、娼婦同然の生活を送っていたジャンヌ(マイウェン)は、美貌と知性で貴族の男たちを虜にし、社交界の階段を駆け上がっていく。ヴェルサイユ宮殿に足を踏み入れ、時の国王ルイ15世(ジョニー・デップ)と対面する。恋に落ち国王に請われたジャンヌは、彼の支えになっていく。公式の愛人、公妾となったジャンヌだが、庶民出身者ゆえの苦労や反感にあう。
主演女優のマイウェンが監督、脚本でした。マイウェンの前に少女時代が別の女優さんが演じていて、その人が美しかったです。マイウェンもきれいなんですけどね。ジャンヌの息子アドルフ役と、王太子役がカッコよかったなぁ。ベルサイユ宮殿の美しいこと、衣装はシャネルらしいが、豪華絢爛でした。全体的にはやや暗い映像が多くて、ゆったり進むので、結構寝てしまいました。

★★★☆☆ 3

ボーはおそれている2024/02/21



「ボーはおそれている」 TOHOシネマズ日比谷
神経質なボー(ホアキン・フェニックス)は、先ほどまで電話で話していた母が怪死したことを知る。なんとか母のもとへ向かおう、
とするのだが、次々と困難がふりかかる。現実か妄想か、悪夢の中を彷徨よっているような中で、ボーは無事に辿り着くのか。
病気なのか、不条理な世界。歪な親子関係で、何が起こっているのか、信じがたいです。想像を超えていく内容でした。でもボーの気持ちになって、辛かったです。ファンタジックな映像もあり、カラフルでした。

★★★★☆ 4-

カラーパープル2024/02/19



「カラーパープル」 TOHOシネマズ日本橋
1909年、14歳のセリー(ファンテイジア・バリーノ)は、出産するも、すぐに子どもはよそへ預けられる。その後、父はセリーをミスター(コールマン・ドミンゴ)と呼ばれる子持ちの中年男に嫁がせるが、奴隷のような生活が始まる。生き別れとなった仲良しの妹ネティ(リトルマーメイドのハリー・ベイリー)との再会を心の支えに耐え忍ぶ。ある日、ミスターと昔親しくしていて、有名歌手となったシャグ(タラジ・P・ヘンソン)が、やって来て交流を重ねる。男に屈しないソフィア(ダニエル・ブルックス)にも影響されて、セリーは人生を変えていこうとする……。
もとはスピルバーグ映画、ウーピー・ゴールドバーグを初めて観た映画です。それをミュージカル化しているのですが、歌もダンスも圧巻の素晴らしさです。特にジャグのステージが良かったです。ミスターの息子がお店を始めて、そこでジャグが歌うのです。
基本はスピルバーグ作品と原作の通りなのでしょうが、ミュージカルとした事で、エンタメ性が、上がっていると思います。スピルバーグのは、前に観たけど、もうあんまり覚えてないのですけどね。
ウーピー・ゴールドバーグもカメオ出演していました。人種差別や女性である事が、生きづらい時代、虐げらる者の不屈の精神、早く報われて欲しいと願いながら観ました。良い話でした。

★★★★☆ 4+

ゴールデンカムイ2024/02/11



「ゴールデンカムイ」 TOHOシネマズ上野
日露戦争の戦いぶりから「不死身の杉元」と呼ばれた杉元左一(山﨑賢人)は、戦後北海道で、アイヌ民族から強奪された金塊の存在を知り、ある目的のために、その金塊を追うことに。野生のヒグマに襲われた時にアイヌの少女アシリパ(山田杏奈)に救われる。金塊強奪で、父を殺されたアシリパは、仇討ちのため、杉元と行動をともにするようになる。軍隊や新選組の者たちが、それぞれの思惑を持って金塊を追う……。
日露戦争の悲惨な状況を、教科書では習ったけど、日本がロシアと戦争した歴史を思い出す。全体的にアクションたっぷりだけど、残虐なところもありました。笑いも入れているけど、そんなに笑えません。原作漫画は読んでいませんが、話としてはまだ障りの部分だと感じました。今度も制作していくのでしょう。「キングダム」もあるし、今度「陰陽師0」も公開するし、山﨑賢人さん、忙しいですね。「ゴールデンカムイ」の見どころは華麗なアクションもあるけど、アイヌ文化や、野生動物の料理なども、興味深いです。
面白かったけど「キングダム」の方が好きかな。今後の展開に期待します。

★★★☆☆ 3+

コット、はじまりの夏2024/02/06



「コット、はじまりの夏」 ヒューマントラストシネマ有楽町
1981年、アイルランドの田舎町。大家族の中で暮らす引っ込み思案なコット(キャサリン・クリンチ)は、夏休みに親戚夫婦にあずけられる事になった。優しく歓迎してくれるアイリン(キャリー・クロウリー)と、口下手な夫のショーン(アンドリュー・ベネット)。家事を手伝ったり、ショーンと一緒に子牛の世話をしたりする。2人の温かな愛情を受けて、コットは変わっていく……。
コット役の子、キレイ。無口な少女なんだけど、瞬きやまなざしで、心情を表していてすごい。全体的に静かでゆっくりした展開なんだけど、とっても良かったです。性格は全然違うけど「赤毛のアン」みたいな感じがした。家族みたいになっていくから。よくわからないのは、本当の家族が冷たい事。特に父親はクズ男だった。そして嫌なご近所さんも登場する。ショーンに言われて郵便受けに手紙を取りに行くコットですが、家から郵便受けの距離が驚くほど離れていたなぁ。

★★★★☆ 4+


ヒューマントラストシネマ有楽町では、コラボメニューで、じゃがいものスープが売っていたので、映画を観ながらいただきました。

哀れなるものたち2024/02/05



「哀れなるものたち」 TOHOシネマズ六本木
天才外科医ゴッドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)によって、胎児の脳を移植された女性ベラ(エマ・ストーン)。体は大人でも赤ん坊の行動をする。それでも成長著しいベラは放蕩者のダンカン(マーク・ラファロ)に誘われて、駆け落ち同然で、旅に出る。
さすがはヨルゴス・ランティモス監督、ヘンテコこの上ない、不思議な世界でした。カラーとモノクロが自然に混ざり合っていて、幻想的な美しい映像でした。女性の生き方を問いかけます。解剖シーンなどがリアルで、苦手な人もいるかもしれません。R18+指定で、主役のエマ・ストーンは、惜しげもなく魅せてくれます。制作にも参加していてるそうです。
フランケンシュタインみたいなところもありました。「私が、生きる肌」と言う映画もちょっと思い出しました。いつもパフスリーブのファッションで、似合っていました。誰にとっても見た事がない世界です。テレビ放送はできないような内容なので、気になる人は見に行きましょう。

★★★★☆ 4+

燈火は消えず2024/01/23



「燈火(ネオン)は消えず」 シネマート新宿
腕ききのネオン職人だった夫ビル(サイモン・ヤム)が亡くなった。香港の夜景の象徴だったガラス製のネオンを愛した夫。妻メイヒョン(シルヴィア・チャン)は、彼がやり残した最後のネオンを完成させようとする。夫の工房へ行ってみると、そこには見知らぬ青年がいた。一人娘は、香港を離れ海外へ移住すると言う……。
仲が良かった夫婦、夫がいなくなった事から、立ち直れない妻。夫がしたかった事は何か、夫の弟子だと言う、知らない青年と共に、ネオンを作る事となる。
香港は、たくさんのネオン看板があった記憶の人が多いだろうが、2010年の建築法改正で、今ではほとんどがなくなっていると言う事に驚きました。では100万ドルの夜景は、今は寂しいものになっている事だろう。導入部分は、ゲームセンターで夫との思い出にふけり、亡くなった事がわかり、打ちひしがれている事が伝わってきました。そこは良かったけど、どうしたいのか、何をしたいのか、ちょっとわかりくかったし、テンポが遅かったです。香港は好きでしたが、中国返還後は行ってないです。内容と相まってしんみりとしました。ネオン看板はとてもきれいでした。娘が子どもの時に父からもらった瓶に入ったネオン、きれいです。妻が完成させたネオン看板も良かったです。過去と現在が交差し、夫との思い出が蘇ってきます。

★★★★☆ 4

サン・セバスチャンへ、ようこそ2024/01/20



「サン・セバスチャンへ、ようこそ」 TOHOシネマズ日比谷
ニューヨークで映画学を教えていて、売れない作家のモート(ウォーレス・リフキン)は、有名なフランス人映画監督フィリップ(ルイ・ガレル)の広報を担当している妻のスー(ジーナ・ガーション)に同行して、スペインのサン・セバスチャン映画祭にやってくる。モートは妻と監督との浮気を疑っている。体調に不安があって現地のクリニックを受診すると、美しい女医さん(エレナ・アヤナ)に夢中になってしまう。健康に問題なくても、なんとかまた診察してもらおうと頼み込む……。
サン・セバスチャンは太陽が輝き、海辺の近くで、素敵な所のようです。軽快な音楽で、不倫や夫婦のすれ違いなどあるけど、全然暗くなりません。妻の浮気を心配していたのに、自分も他の女性にときめいています。相手にされていないと思っていたら、親しげ日本出かけたりします。
ヨーロッパの昔の映画の事がたくさん出てきました。特に夢の中ではヌーベルヴァーグ作品を真似ています。映画祭のこともよく知っている監督ならではの作品でした。

★★★★☆ 4

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎2024/01/16



「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎TOHOシネマズ上野
昭和31年、妻の行方を探している男・ゲゲ郎が哭倉村にやって来る。その村は、日本の財政界を牛耳っている龍賀一族が支配していた。血液銀行に勤める水木は、一族の当主の弔いを建前に密命を背負って村を訪れ、ゲゲ郎と出会う。当主の後継をめぐって醜い争いがおこる中、神社で一族の者が惨殺される。それは恐ろしい怪奇野始まりだった。
「ゲゲゲの鬼太郎」の前日譚。鬼太郎の父は目玉おやじだけど、まだ鬼太郎が生まれる前です。会社で出世しようという野望がある水木ですが、龍賀一族の忌まわしさを知り、ゲゲ郎と共に協力していきます。
まだ目玉の姿ではない鬼太郎の父、不思議な人ですが、強いしかっこいいです。内容は犬神家の一族のような雰囲気だけど、友情の話でもありました。鬼太郎がどのように生まれ、お父さんがどんな人だったかが、わかる映画でした。面白かったです。

★★★★☆ 4