サイダーのように言葉が湧き上がる2021/07/28


サイダーのように言葉が湧き上がる

「サイダーのように言葉が湧き上がる」 TOHOシネマズ上野
俳句以外では思ったことをなかなか口に出せない少年チェリー(声:市川染五郎)は、ヘッドホンで外部との接触を遮断して生きている。ある日彼は、見た目のコンプレックスをマスクで隠す少女スマイル(声:杉咲花)とショッピングモールで出会い、SNSを通じて少しずつ言葉を交わすように。そんな中、バイト先で出会った老人フジヤマが思い出のレコードを探し回る理由を知った2人は、フジヤマの願いをかなえるためレコード探しを手伝うことに。一緒に行動するうちに急速に距離を縮めていくチェリーとスマイルだったが、ある出来事をきっかけに2人の思いはすれ違ってしまう。
郊外の巨大ショッピングモールが舞台。人とのコミュニケーションが苦手な少年と、出っ歯を気にしていて、歯の矯正中なのが恥ずかしくて、マスクを手放せない少女。気恥ずかしくなってしまいそうな、青春ものでした。両方とも幼い感じだし、純情過ぎました。ポスターの絵もそうですが、独特なカラフルな色合いで、きれいでした。リアルよりもイラスト風で良かったです。
現代風に、呼び名がハンドルネームで、SNSでも使っている名前でした。チェリーはもちろん本名ではなくて、さくらという苗字だったと思います。その名前で俳句を作っては発表しています。スマイルはLIVE動画投稿をしていて、フォロワーもたくさんいます。チェリーが母の代打で、ショッピングモール内の老人施設(デイケア施設)で、アルバイトをしています。もう慣れている感じなので、長いのかもしれません。そこでお年寄りたちと一緒に俳句を作ったりしています。コミュニケーションが苦手と言っても、ちゃんと同世代の友達はいるようです。フジヤマのレコードを探して、フジヤマの若い頃の思い出と、若い2人の青春がリンクしているようです。

★★★☆☆ 3

83歳のやさしいスパイ2021/07/24


83歳のやさしいスパイ

「83歳のやさしいスパイ」 シネスイッチ銀座
妻を亡くして新たな生きがいを探していた83歳の男性セルヒオ(セルヒオ・チャミー)は、80~90歳の男性が条件という探偵事務所の求人に応募する。その業務内容はある老人ホームの内定調査で、依頼人はホームに入居している母が虐待されているのではないかという疑念を抱いていた。セルヒオはスパイとして老人ホームに入居し、ホームでの生活の様子を毎日ひそかに報告することなるが、誰からも好まれる心優しい彼は、調査を行うかたわら、いつしか悩み多き入居者たちの良き相談相手となっていく。舞台となった老人ホームの許可を得て、スパイとは明かさずに3カ月間撮影されたドキュメンタリー。
主人公セルヒオが、良い人そうで、おばあちゃん達の話をよく聞いてあげていました。認知症の人にも、誠実に対応していました。老人ホームは、なかなか良い環境に見えました。多分チリの老人ホーム。ぼーっとしてる人も多いけど、みんな思い思いに自由にゆったりと過ごしています。大きな事件もないけど、入居者の気持ちがわかります。でも、ちょっと眠くなってしまったなぁ。

★★★☆☆ 3

シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち2021/07/23


シャイニー・シュリンプス!

「シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち」 ヒューマントラストシネマ有楽町
元オリンピック銀メダリストの水泳選手マチアス(ニコラ・コブ)は、同性愛者に対する心ない発言への罰として、ゲイのアマチュア水球チーム「シャイニー・シュリンプス」のコーチに就任する。弱小チームの彼らを3カ月後に開催される世界最大のLBGTQ+五輪「ゲイゲームズ」に出場させようとするが、パーティ好きで勝ち負けにこだわらない個性的なメンバーたちをまとめあげるべく、悪戦苦闘する……。モデルとなった水球チームのメンバーであるセドリック・ル・ギャロが監督・脚本を手がけているそうです。だから、本当にこんな陽気なチームがあるのでしょうね。フランス代表のために対戦したのは、レズのチームで、男勝りな感じでした。ゲイゲームズというのを初めて知りました。LBGTQのための総合競技大会です。来年は香港で開催されるのも決まっているようです。ちょっとお祭り騒ぎのような気もします。
男のシンクロチームの映画「シンク・オア・スイム」を思い出します。よく似ているかもしれません。でも、それより私が一番に思い出したのは「誰もが愛しいチャンピオン」という映画です。ハンディキャップを持つ選手たちのバスケットボールチームを、イヤイヤコーチすることになった主人公が、彼らの良さを知っていくというストーリーです。「シャイニー・シュプリングス!」でも、アスリートであるマチアスは、仕方なくコーチを引き受けるのです。早く解放されたいし、自分の練習に集中したいのですが、陽気な彼らに引っ張りまわされていきます。キャラクターが強烈でしたが、辛い事も、明るくしていくパワーがあって、爽やかでした。

★★★★☆ 4

竜とそばかすの姫2021/07/19


竜とそばかすの姫

「竜とそばかすの姫」 TOHOシネマズ日比谷 IMAX鑑賞
過疎化が進む高知の自然豊かな田舎町。17歳の女子高生すずは幼い頃に母を事故で亡くし、父と2人で暮らしている。母と一緒に歌うことが大好きだった彼女は、母の死をきっかけに歌うことができなくなり、現実の世界に心を閉ざすようになっていた。ある日、全世界で50億人以上が集う仮想世界「U」と出合ったすずは、「ベル」というアバターで参加することに。仮想世界では自然と歌うことができ、自作の歌を披露するうちにベルは世界中から注目される存在となっていく。そんな彼女の前に、「U」の世界で恐れられている竜の姿をした謎の存在が現れる。
主人公すずとベル役はシンガーソングライターとして活動する中村佳穂さん。声がすごくきれいで良かったです。歌の魅力がかなり評価を左右すると思います。映像も美しかったです。日本らしい風景も良いのだけど、仮想世界がよくできていました。映像表現は、サマーウォーズの時より、進化していると思います。IMAXで見たから、余計にきれいだったのかもしれません。美女と野獣がずいぶん盛り込まれていました。あと細かいところが、説明不足だし、疑問に思う事も多かったけど、歌声とビジュアルに圧倒されました。

★★★★☆ 4

ライトハウス2021/07/18



「ライトハウス」 TOHOシネマズシャンテ
1890年代、ニューイングランドの孤島。4週間にわたり灯台と島の管理をおこなうため、2人の灯台守が島にやってきた。ベテランのトーマス・ウェイク(ウィレム・デフォー)と未経験の若者イーフレイム・ウィンズロー(ロバート・パティンソン)は、初日からそりが合わずに衝突を繰り返す。険悪な雰囲気の中、島を襲った嵐により、2人は島に閉じ込められてしまう。外界と遮断された灯台で2人は徐々に狂気と幻想に侵されていく。
モノクロの世界で、構図が絵になる良さでした。なんか、昔の映画を観ている気分。ジャンルはホラーです。
ロバート・パティンソンがいつものイメージとは違って、別の人のようです。ヒゲのせいかもしれません。仕事は過酷で、カモメがしつこく迫ってくるし、いつも不安を煽るような音が鳴っています。荒れ狂う海が、2人を島に閉じ込めていて、だんだんおかしくなっていきます。トーマスが厳しくて、何を考えているか、わかりません。

★★★★☆ 4-

プロミシング・ヤング・ウーマン2021/07/15


プロミシング・ヤング・ウーマン

「プロミシング・ヤング・ウーマン」 TOHOシネマズ日比谷(先行上映)
コーヒーショップで働き、平凡な生活を送っているかに見える女性キャシー(キャリー・マリガン)。実はとてつもなく切れ者でクレバーな彼女には、周囲の知らないもうひとつの顔があり、夜ごと外出する謎めいた行動の裏には、ある目的があった。明るい未来を約束された若い女性(=プロミシング・ヤング・ウーマン)だと誰もが信じていた主人公キャシーが、ある不可解な事件によって約束された未来をふいに奪われたことから、復讐を企てる。
可愛らしいルックスのキャリー・マリガンですが、いつのまにか、凄味が増していました。冒頭から、どうしてこういう行動をしているのかと、疑問に思いつつ見ていきますと、詳しい説明はないけど、なんとなくわかってくるようになっています。学校を辞め、夢を断たれただけじゃなく、大切な友人への想いもあります。行動の仕方が突飛でが、綿密な計画を遂行します。
全体的にポップでカラフルな印象ですが、内容は重く、考えさせられます。キャシーのファッションもかっこよかったり、かわいらしかったり、なんでも似合って、オシャレでした。予想を上回るラストで、見終わった直後は、どうなのかと思ったけど、だんだんとてもよくできているように思えてきました。キャシーがハーレイクインみたいに見えてきました。そういえばこの映画の製作にはマーゴット・ロビーも名を連ねていました。監督は女性だろうなあと思ったら、やっぱりそうでした。女優でもあるエメラルド・フェネルの長編映画監督デビュー作だそうです。

★★★★☆ 4

劇場編集版 かくしごと-ひめごとはなんですか-2021/07/13


劇場編集版 かくしごと

「劇場編集版 かくしごと-ひめごとはなんですか-」 バルト9
久米田康治の同名コミックを原作とするテレビアニメ「かくしごと」の劇場版。テレビアニメ版を編集して新規カットを追加し、テレビアニメ版では描かれなかったもうひとつのラストを描く。
下品な作風で人気を集める漫画家・後藤可久士は、小学4年生の娘・姫と2人で暮らしている。姫を溺愛する可久士は、何をするにも姫のことが最優先だ。そんな可久士は、自分が漫画家であること、そして姫の母親の行方について、絶対に姫に知られないよう隠し続けていたが……。
純朴で可愛らしい娘の姫は、父親が隠している事には、全く気が付かず、父がうろたえながら、懸命に動いている事に、おかしみを誘います。
テレビアニメは見ていなかったのですが、友人のオススメで見てみました。予告編を見ても、風景がとてもきれいです。テレビアニメ見ていなくもわかりますが、かなり省略されているのは感じます。
知っている場所が出てくるとまた面白いです。代官山蔦屋書店、豊洲のキッザニア、江ノ電等。おしゃピー(おしゃれピープル)に気後れしてしまうところは、共感します。前半は笑わせておいて、後半には姫が高校生になっていて、秘められていたことが、わかってくると、グッときてしまいます。絵も人物はあえてかわいらしいのですが、風景などはとてもリアルで美しいです。最後に大瀧詠一の歌が流れて、夏の爽やかな空気を感じる映画でした。

★★★★☆ 4-

RUN ラン2021/07/11



「RUN ラン」 TOHOシネマズ日本橋
郊外の一軒家で母と暮らすクロエ(キーラ・アレン)は、生まれつきの慢性の病気により、車椅子生活を余儀なくされていた。しかし、前向きで好奇心旺盛な彼女は大学進学を望み、自立しようとしていた。ある日、クロエは自分の体調や食事を管理し、進学の夢も後押ししてくれている母親ダイアン(サラ・ポールソン)に不信感を抱き始める。母に飲まされている薬の正体を知り、愕然とする……。
娘を病気に追い込んで、周囲から同情をひいたり、かいがいしく世話をすることで心の安定をはかる一種の虐待、代理ミュンヒハウゼン症候群の話かと思ったら、それだけでもなく、いやちょっと違います。怖い話でしたが、面白かったです。
ハラハラします。クロエは、母の事を疑い始め、行動を起こすけど、インターネットや、スマホがない状態で、外へ連絡を取るのが難しいのです。近所に家もないです。頭の良い子だと思うのですが、体が自由に動けないし、勉強も母の指導のもと、家でずっとしてきたようで、友達もいないようです。母の狂気がおぞましいですが、クロエを応援しながら見る映画でした。ラストは、どうなんでしょう。好悪が分かれるかもしれないけど、それを含めて、私は面白かったです。
パソコン画面上でドラマが展開する斬新なサスペンススリラー「search サーチ」のアニーシュ・チャガンティ監督の作品です。

★★★★☆ 4

青葉家のテーブル2021/07/06


青葉家のテーブル

「青葉家のテーブル」 TOHOシネマズ日比谷
シングルマザーの春子(西田尚美)と息子リク、春子の飲み友達めいこと、その恋人で小説家のソラオという4人で共同生活を送る青葉家。ある夏の日、春子の旧友である知世(市川実和子)の娘・優子(栗林藍希)が、美術予備校の夏期講習へ通うため、青葉家で居候を始める。ちょっとした“有名人”の知世とは20年来の仲となる春子だったが、2人の間には気まずい過去があった。
ECサイト「北欧、暮らしの道具店」で2018年4月より配信された短編ドラマ「青葉家のテーブル」を長編映画化。
配信ドラマは見ていないのですが、北欧雑貨や、おいしそうな料理の数々を予告編で見て、見たくなりました。
美大の予備校へ通うことで、2週間だけ共同生活に参加することになった、高校2年生の優子が、わりと中心になっていました。同じ予備校に通うことで、友人になる上原実矩さんが演じる与田さんが、すごく良かったです。髪はピンクにしていて、いかにも美大を狙っている感があって、絵の才能もあります。ちょっと普通っぽい優子に比べると、我が道を行く感じが出ています。それに、人の良いところも出ていました。優子は、自尊心は高いけど、周囲には認めてもらえないことが不満で、かわいいのだけど、イタい女の子に感じてしまいます。そういう青春時代が、自分の事を思い出して、気恥ずかしくなってしまいます。自分の行く道を模索する話なんでしょうけど。そして、対照的に描いているのは、母たちの関係です。
お笑い芸人が出てくる映画(ドラマも)が、この頃多いですが、こちらの映画は蛙亭の男の人が出てきました。役はあっているのかもしれませんけど、先日の「ザ・ファブル」に続いて、気になってしまいます。なんで蛙亭の人?って。でも片桐仁さんも出ていたし、こちらも元ラーメンズですものね。美味しそうな料理、おしゃれな部屋やお店、ファッション、プールなど、見どころはいろいろありました。

★★★☆☆ 3+

ピーターラビット2 バーナバスの誘惑2021/07/03


ピーターラビット2 バーナバスの誘惑

「ピーターラビット2 バーナバスの誘惑」 TOHOシネマズ日比谷 字幕
「ピーターラビット」の続編。ピーター(声:ジェームズ・コーデン)の大好きなビア(ローズ・バーン)が、宿敵マグレガー(ドーナル・グリーソン)と結婚した。父親面をしてしかりつけてくるマグレガーに嫌気が差したピーターは、生まれ育った湖水地方を飛び出して都会にたどり着く。そこで亡き父の親友だったというバーナバスと出会ったピーターは、地下組織を率いる彼から、都会で生き延びるための盗みを教わり、バーナバスに認めてもらおうとするのが……。
93分という短い映画です。そのせいか、後半に向けて、テンポが速くなっていきます。
ピーターたちやその仲間たちは、毛並みまで美しく、実写の人物たちと馴染んでいます。前作でも思ったけど、CGはすごいなぁと思います。リアルなうさぎだけど、ピーターラビットらしさもあって、他の仲間たちも、絵本を知っていれば、お馴染みのメンバーが、動いてしゃべっています。でも、話はもっと現代風になっています。
湖水地方は美しく、都会も出てきました。ファーマーズマーケットなども良かったです。マグレガーさんに反発して、イキがっているピーター。大切なことは、愛してくれている人の言葉をちゃんと聞くことですね。
たれ耳のうさぎ、ピーターのいとこのベンジャミンがかわいかったです。

★★★☆☆ 3+