マイ・ニューヨーク・ダイアリー2022/05/14



「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」 ヒューマントラストシネマ有楽町
作家を夢見るジョアンナ(マーガレット・クアリー)は、老舗出版エージェンシーでJ・D・サリンジャー担当の女性上司マーガレット(シガニー・ウィーバー)の編集アシスタントとして働き始める。ジョアンナの業務は世界中から大量に届くサリンジャーへの熱烈なファンレターの対応処理。心揺さぶられる手紙を連日読む彼女は、簡素な定型文を返信することに気が進まなくなり、ふとした思いつきで個人的に手紙を返し始める。そんなある日、ジョアンナは、サリンジャー本人から電話を受ける……。
「ライ麦畑でつかまえて」の小説家J・D・サリンジャーを担当する女性エージェントと新人アシスタントを描いたジョアンナ・ラコフの自叙伝を基に映画化しています。
隠遁生活をしているというサリンジャーですが、この映画で見る限り、良い人そうです。実際に会ったことがある作者が書いているのだから、実像に近いのでしょう。
ジョアンナ役のマーガレット・クアリーが可愛かったし、ファッションが良かったです。
厳しい上司と仕事するということで「プラダを着た悪魔」と比較されている方が多いようですが、ちょっと違うタイプの映画だと思います。
自分がどの方向に進んでいくか、仕事や恋愛に悩むので、若い女性が共感して見れるのではないでしょうか。
心情が映像化されるのか、彼女の妄想なのか、踊ったりするシーンが面白かったです。

★★★★☆ 4-

ツユクサ2022/05/06



「ツユクサ」 TOHOシネマズ日本橋
小さな港町で暮らす五十嵐芙美(小林聡美)は、気心の知れた友人たちと他愛のない時間を過ごしたり、歳の離れた小さな親友・航平(斎藤汰鷹)と遊びに出かけたり、車の運転中に隕石がぶつかるという信じがたい出来事に遭遇したりと、楽しい毎日を送っている。しかし彼女がひとりで暮らしているのには、ある哀しい理由があった。ある日、彼女は町に引っ越してきた男性・篠田吾郎(松重豊)と運命的な出会いをする。
ゆったりとしていました。芙美は、断酒会に入っていて、事情がありそうだなぁと思っていました。小林聡美、江口のりこ、平岩紙が職場の同僚で、一緒にお弁当を食べていて、説得力あります。本当に友達になりそうな組み合わせです。子役の航平クンも良かったです。
バーのマスターが泉谷しげる、会社の上司がベンガルと、あまり話に関係はなくても、良い味わいをプラスしています。小林聡美と松重豊が仲良くなっていくと、ちょっと見ていて気恥ずかしくも感じます。彼の方にも事情があって楽しいだけの話ではないけど、再生の物語という感じがして良かったです。

★★★★☆ 4

パリ13区2022/05/05



「パリ13区」 新宿ピカデリー
高層マンションやビルが並び、アジア系移民も多く暮らすパリ13区。コールセンターで働く台湾系フランス人のエミリー(ルーシー・チャン)のもとに、ルームウェアを希望するアフリカ系フランス人男性のカミーユ(マキタ・サンバ)がやってくる。2人はすぐに親密な関係になるが、気持ちには温度差がある。同じ頃、法律を学ぶためにソルボンヌ大学に復学したノラ(ノエミ・メルラン)は、年下のクラスメイトたちに溶け込めず、更にポルノスターと勘違いされ、学内に広がってしまい、居場所がなくなってしまう。
ずいぶんセクシーなシーンが多いと思ったら、18禁でした。パリが舞台でも、エッフェル塔や凱旋門など、いわゆるパリらしい所は出てきませんが、リアルな若者たちの恋愛模様でした。日本の映画に比べたら、グッと大人向きです。モノクロ映像に音楽が被さって、なんともスタイリッシュなんです。話もどうなっていくのかと、気になりました。
監督はジャック・オディアール、「ディーパンの闘い」くらいしか観てなかったけど、こういう作品も撮るのかと感動しました。脚本は「燃ゆる女の肖像」の監督であるセリーヌ・シアマ。そう言えばノラ役は「燃ゆる女の肖像」の画家役だった人でした。初めにエミリーの家にカミーユが来るのは、ルームウェア希望だったようだけど、カミーユと言う名前は男性でも女性でもあるから、多分女性希望だったのに男が、来ちゃったと言うことなのかなぁ。家に来た理由が初めはわかりませんでした。あとノラが人違いされた事が、初めはノラが秘密のバイトをしていたのがバレたのかと思っていました。わかりにくいのか、わざとそう感じるように作っているのかなぁ。とにかく、斬新で面白かったです。

★★★★☆ 4+

手紙と線路と小さな奇跡2022/05/05



「手紙と線路と小さな奇跡」 シネマート新宿
線路はあるが駅がなく、電車が通過だけする村に住むジュンギョン(パク・ジュンミン)。村に駅を作って欲しいと大統領に何度も手紙を書いていた。機関士の父テユン(イ・ソンミン)は、頭から駅など作ってくれるわけがないと思っている。姉ボギョン(イ・スギョン)に急かされて、なんとか遠い高校に通う日々。ジュンギョンは数学に非凡な才能があり、その事を見抜いたクラスメイトのラヒ(イム・ユナ)は、何かとジュンギョンに近づいてくる。ジュンギョンが手紙を書いている事を知ると協力を申し出る。高校生クイズに優勝して大統領賞獲得し、駅の実現を直接お願いしようと、努力するが……。
ネタバレを見ないで行った方がより感動します。家族の物語で、泣けました。かわいい女の子から言い寄られているのに、ジュンギョンは鈍感です。いろいろ事情がある事がわかってきます。ところどころ笑えました。主役の男の子がとても良かったです。もっと書きたいけど、ネタバレになるといけないので、やめておきます。とにかく良いので、観てくださいね。

★★★★☆ 4

カモン カモン2022/04/24


カモン カモン

「カモン カモン」 TOHOシネマズ日本橋
ニューヨークでひとり暮らしをしていたラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン・フェニックス)は、妹から頼まれて9歳の甥ジェシー(ウッディ・ノーマン)の面倒を数日間みることになり、ロサンゼルスの妹の家で甥っ子との共同生活が始まる。好奇心旺盛なジェシーは、疑問に思うことを次々とストレートに投げかけてきてジョニーを困らせるが、その一方でジョニーの仕事や録音機材にも興味を示してくる。それをきっかけに次第に距離を縮めていく2人。仕事のためニューヨークに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが……。
ジョニーは、いろいろな子どもにインタビューしているのだけど、子ども達の答えが想像以上に大人びていました。
甥っ子のジェシーも家族の問題で母と一時的だけど離れて、小さな胸に不安や苦しみを抱いています。感受性豊かなのか、落ち着きなく時にジョニーを悩ませます。子どもと過ごす大変さを感じます。でも母も、伯父さんであるジョニーも、すごく愛情があります。理解するように頑張っています。ちょっと重苦しかったです。
美しいモノクロームの映像で、ちょっと昔っぽく感じました。ロサンゼルスも、ニューヨークもなんとも素敵な街です。
ジェシーは、かわいいくて天使のようだけど、小悪魔的にジョニーは翻弄されてました。成長したジェシーはどんな子になるのか、伯父さんの事は好きでいてくれると思います。

★★★★☆ 4

スパークス・ブラザーズ2022/04/20



「スパークス・ブラザーズ」 TOHOシネマズシャンテ
「ラストナイト・イン・ソーホー」「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督が初めて手がけたドキュメンタリー映画で、謎に包まれた兄弟バンド「スパークス」の真実に迫った音楽ドキュメンタリー。ロン&ラッセル・メイル兄弟によって1960年代に結成されたスパークスは、実験精神あふれる先進的なサウンドとライブパフォーマンスでカルト的な支持を集め、時代とともに革命を起こし続けてきた。半世紀以上にもわたる活動の軌跡を貴重なアーカイブ映像で振り返るほか、彼らの等身大の姿にもカメラを向け、人気の理由をひも解いていく。 
最近観た「アネット」で音楽を担当していて、出演もしていました。今作はエドガー・ライト監督なので、好きだから行ってみました。「スパークス」の事は、「アネット」以前は知らなかったです。音楽はとても素晴らしかったです。遊び心いっぱいで、ビジュアル、MV、レコードジャケットも個性的でした。多くのミュージシャンが影響を受けているようです。長い間、活躍していて、兄弟の絆も感じます。小さい頃からの写真や、両親の写真も出てきました。
特に音楽業界で有名な方たちが、スパークスの魅力を語ります。でも、そこがちょっとウトウトしてしまうのでした。
最後の方は近頃の活動で、日本にも来日していたらしく、日本の風景を背景にスパークスがいるのが、不思議でした。

★★★★☆ 4

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密2022/04/17



「ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密」 TOHOシネマズ日比谷
ファンタスティック・ビーストシリーズ第3弾。
魔法動物を愛する魔法使いニュート(エディ・レッドメイン)は、恩師のダンブルドア(ジュード・ロウ)と仲間たちとともに、史上最悪の黒い魔法使いグリンデルバルド(マッツ・ミケルセン)に立ち向かい、その中でダンブルドアと彼の一族に隠された秘密が明らかになる。
映画が始まると、あっという間に魔法ワールドに魅了されます。動物たちがかわいいし、スピード感ある魔法アクションが楽しめます。
ハリー・ポッターシリーズも良いけど、ファンタビは、ちょっと大人向けです。ニュートと良い感じになっている女性は、今回はほとんど出て来なかったけど、他の人々が活躍しました。ニュートの兄テセウス役のカラム・ターナーは「さよなら、僕のマンハッタン」で気に入りました。前作よりたくさん出てきて嬉しかったです。グリンデルバルドが、事情によりジョニー・デップから、マッツ・ミケルセンに変わったのは、残念です。ジョニー・デップが演じていたら、どんなだったかなぁと想像しました。マッツ・ミケルセンも大好きですが、タイプが違うから、前作との繋がりに違和感はあります。ホグワーツ城やホグズミード村がたくさん出てきました。若きマクゴナガル先生や、スニッチ、必要の部屋など、ハリー・ポッターシリーズを思い出す繋がりが嬉しいです。

★★★★☆ 4+

ハケンアニメ!2022/04/16


ハケンアニメ!

「ハケンアニメ!」 丸の内東映(試写会)
地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ新人監督・斎藤瞳(吉岡里帆)は、デビュー作で憧れの天才監督・王子千晴(中村倫也)と業界の覇権をかけて争うことに。王子は過去にメガヒット作品を生み出したものの、その過剰なほどのこだわりとわがままぶりが災いして降板が続いていた。プロデューサーの有科香屋子(尾野真千子)は、そんな王子を8年ぶりに監督復帰させるため大勝負に出る。一方、瞳はクセ者プロデューサーの行城理(柄本佑)や個性的な仲間たちとともに、アニメ界の頂点を目指して奮闘するが……。
原作は辻村深月。監督は、自身も劇場長編監督としては2作目の新人監督に近い吉野耕平。
アニメ業界で奮闘する人々の胸アツお仕事ムービーでした。業界の関りが独特で、わかりにくい気もしましたけど、映画は面白かったです。
新人監督ゆえ、ベテランスタッフ達に囲まれて、時に小さくなって仕事をしている主人公だけど、強い意志と本人の成長で、チームワークがよくなっていったと思います。監督となると強い意志が必要だと思いますし、プロデューサーも重要な仕事だと言うことがわかります。
出てくる2つのアニメーションは美しい絵でした。声優陣も本格的でした。瞳の方の作品は、ちょっとエヴァンゲリオン風で、他にもいくつかのアニメをミックスしたような雰囲気でした。
エンドロールの後に映像があるので、最後まで席を立たないで、お待ちください。

★★★★☆ 4-


完成披露上映会で鑑賞させていただきました。左から吉野耕平監督、尾野真知子、吉岡里帆、中村倫也、原作者の辻村深月。出演者達のチームワークも良さそうでした。なにより原作者が映画の出来に満足しているのが、伝わってきました。

ふたつの部屋、ふたりの暮らし2022/04/14


ふたつの部屋、ふたりの暮らし

「ふたつの部屋、ふたりの暮らし」 シネスイッチ銀座
南仏モンペリエに建つ眺めの良いアパルトマン。最上階の向かい合う部屋を行き来して暮らすニナ(バルバラ・スコバ)とマドレーヌ(マルティーヌ・シュバリエ)は世間的には仲の良い隣人だが、実際は長年愛し合う恋人同士だった。マドレーヌは不幸な結婚の末に夫を亡くし、現在は子どもたちも独立、家族との思い出の品に囲まれながら穏やかに過ごしている。2人は部屋を売ったお金でローマへ移住する計画を立てていたが、マドレーヌは子どもたちに真実を伝えられずにいた。そんな中、マドレーヌを悲劇が襲う……。
ちょっとネタバレしています。
ニナはずっと独身、マドレーヌは孫もいます。脳卒中でマドレーヌが動けなくなり、声も出せない、引き離されそうになったニナは合い鍵を使って、家に忍び込んだりする。介護士はいぶかり、後に娘さんに2人の関係が知られてしまい、余計に反対されるのです。ほとんどマドレーヌの部屋で、同棲生活を送っている感じだったけど、なかなか会わせてもらえなくなり、夜に家に忍び込んでしまうので、見ている方はハラハラします。マドレーヌは話せなくても、意思は通じているし、少しずつ体を動かせるようになってくるのだけど、急に外へ行ってしまったりします。まだそんなに動ける状態じゃないのに、やや遠くへ行くのが、無理がありました。倒れる前は幸せに暮らしていたのに、家族ではないから面倒をみさせてもくれないのです。娘さんも、母の恋人が女性だということを認められないのです。不自由な体で、2人はどういう道を選ぶのか、それが知りたくて映画を観たのですが、中途半端な気がして、モヤモヤしました。

★★★★☆ 4-

アネット2022/04/11



「アネット」 角川シネマ有楽町
人気スタンダップコメディアンのヘンリー(アダム・ドライバー)と有名オペラ歌手のアン(マリオン・コティヤール)は、大恋愛の末に結婚。2人の間にはアネットが誕生する。理想的なセレブカップルの2人だったが、ヘンリーは次第に嫉妬や猜疑心に悩まされていく……。
「ポンヌフの恋人」などのレオス・カラックス監督のロック・オペラ・ミュージカル。2021年・第74回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。

すみません。ちょっとネタバレになるかもしれないので、予備知識なしで観たい方は後で読んでください。
オープニングが素晴らしいです。音楽担当のスパークスや、監督や娘さんも出てきて、みんなが歌いながら、街へ出て進んで行きます。
ラブラブな2人の様子が、ちょっと長く続きますが、だんだん不吉な予感がしてきます。ちょっとホラーっぽいかもしれません。アネットが人形なので、驚きますが、よくできていて「ほんとうのピノッキオ」のピノッキオみたいでした。
日本人俳優も出ているとは知らなかったので、古舘寛治が、出てきて時も驚きました。歌ってもいました。水原希子に似てる人も出ていると思ったら、本人でした。ミュージカルと言ってもかなり異色なんです。シュールな世界で、面白かったです。自分勝手な男の話な気もするのだけど、アダム・ドライバー、カッコ良かったです。エンディングも和気あいあいとしていて、映画を制作しているチームが結束しているのが、伝わってきます。

★★★★☆ 4+