モアナと伝説の海2 ― 2024/12/12
「モアナと伝説の海2」 TOHOシネマズ日比谷 字幕
海と特別な絆で結ばれた主人公モアナは、すべての海をつなぐ導く者となり、彼方の島にいる人々を探していた。呪いによって分断されている事を知り、仲間と共に、世界を再びひとつにする航海に漕ぎ出していく。
前作から3年後の設定らしいです。モアナには幼い妹ができていて、可愛かったです。あと臆病なブタのプアも好きです。南の島の独特な文化やファッション、美しい海など、見どころが多いです。ミュージカル仕立てで、歌やダンスもいっぱいでした。前の方の席で観たら、スピードや躍動感がすごくて、アトラクションみたいでした。楽しめました。まだ続くのかもしれないと思いました。
★★★★☆ 4
アット・ザ・ベンチ ― 2024/11/25
「アット・ザ・ベンチ」 テアトル新宿
川沿いにポツンとたたずむ古ぼけたベンチ。幼なじみの男女(仲野太賀、広瀬すず)が、久しぶりに会って、もどかしく話をする。別の日、別れ話をするカップル(岡山天音、岸井ゆきの)に割り込んでくる人(荒川良々)が。また別の日、家出をしてきた姉と、探しに来た妹(今田美桜、森菜々)が、大げんかをしている。ベンチの撤去計画のためにやって来た役所の職員(草彅剛、吉岡美穂)たち。様々な人々の日常の一コマの5編のオムニバス。
舞台はベンチのみ、その近隣の風景が映ります。住宅地に近い場所。公園だった場所が、ベンチ一つ残して、撤去されています。
写真家の奥山由之の監督作。ビックリするほどの豪華な顔ぶれでした。神木隆之介も出てきます。みんな主役級の人たちです。会話劇ですが、面白かったです。クスッと笑えるところもあります。姉妹の喧嘩は見ていて辛かったですけどね。もみじマートというスーパーは本当にあるのかな。
ベンチ一つで、こんなシャレた映画を作る事もできるのですね。86分の短めな映画ですが、見応えがありました。
★★★★☆ 4
グラディエーターⅡ英雄を呼ぶ声 ― 2024/11/18
「グラディエーターII英雄を呼ぶ声」 新宿ピカデリー
将軍アカシウス率いるローマ帝国軍の侵攻により、愛する妻を殺されたルシアス(ポール・メスカル)。自身も捕虜となるが、マクリヌス(デンゼル・ワシントン)という謎の男に出会い、ローマに赴き剣闘士となる。殺さなければ殺される。自分の力のみが物を言うコロセウムでの戦いに身を投じていく。
「グラディエーター」の24年ぶりの続編。監督は同じリドリー・スコット。変わらずに壮大な物語が、迫力ある映像で展開されました。1作目を観てなくても、結構説明されるから、大丈夫そうです。私は観たけど24年前だったから、細かい事覚えていません。
今回の主役はポール・メスカル。これまで観た「アフターサン」や「異人たち」とは打って変わって、筋肉も付いて、ガッチリした体だし、イメージが違っていました。ローマを納めている皇帝が非道な兄弟なんだけど、名前がゲタとカラカラって、不思議な名前でした。
コロセウムに水を張って船で戦う時もあり、ここに水を入れられるの?とちょっと驚きました。動物はいかにもCGという、凶暴な猿?が出てきました。巨大なセットを作って撮影していたそうなので、かなりお金もかかっているし、エキストラもいっぱいいたと思います。大衆や軍隊など、人が多いシーンが多数。コロセウムでの戦いが、怖いけど迫力がありました。こんな殺し合いを見て、観客が喜ぶのも、どうかと思うけど、なかなか面白い映画でした。
★★★★☆ 4
DOG DAYS 君といつまでも ― 2024/11/15
「DOG DAYS 君といつまでも」 シネスイッチ銀座
不動産会社で働くミンサン(ユ・ヘジン)は自宅の1階を動物病院「DOG DAYS」に貸し出しているが、彼は犬嫌い。院長のジニョンと口論が絶えない。その病院に来ていた婦人にたしなめられる。その人が有名建築家ミンソと知ると、紹介してもらおうと、ジニョンに協力を申し出て、保護犬のチワワを預かることになる。一方建築家の愛犬ワンダが行方不明になってしまい、配達員のジヌが、捜索を手伝う。ワンダは養子縁組したばかりの家族に保護されていた……。
動物病院を中心に、出会った犬や人たちの群像劇。孤独を抱える人たちが、ふとしたきっかけで出会い、かけがいのない関係が生まれていくような、ハートウォーミングな話でした。犬たちもお利口さんで、演技しています。養子になったばかりの女の子がかわいくて、なかなか気を許してくれなくて悩んでいる夫婦が、ワンダが来たことで、子どもが笑ってくれて、円滑になって行くものの、建築家ミンソにしてはワンダは大切な家族。犬嫌いのミンサンは、次第に犬がかわいく思えらようになっていく。他に恋人の大型犬を預かっているバンドマンもいて、平行してみんなの話が語られ、関わりもありました。すごい話ではないけど、ほっこりできる映画でした。
★★★★☆ 4
ロボット・ドリームズ ― 2024/11/12
「ロボット・ドリームズ」 ヒューマントラストシネマ渋谷
ニューヨーク、マンハッタンで暮らす孤独なドッグは、通販番組を見て、友達ロボットを注文する。組み立てて、一緒に過ごすうちに、ロボットとの友情が深まってく。しかし、夏の終わり、海水浴を楽しんだ帰りにロボットは動けなくなり、ビーチも翌夏まで閉鎖されてしまう。離れ離れになったドッグとロボットは、再会を心待ちにしながら、それぞれの時を過ごす。やがてまた巡りくる夏。ふたりを待ち受ける結末とは。
スペイン、フランスの合作ですが、舞台はニューヨーク。擬人化された動物たちの世界。ドッグもロボットもゆるめの絵だけど、街並みはとてもきれいに描き込まれています。音楽はうるさいくらいに賑やかですが、セリフはありません。どちらかというと、大人向けのアニメでした。出会いと別れを繰り返し、人は幸せを探していきます。とても良い話だったのですが、ちょっと眠くなってしまって、前半はあまりわからなかったです。余裕があればもう一度観たいです。ニューヨークの名所をめぐり、この映画に一番近いのは「パストライブス」のような気がします。アースウインド&ファイアーの歌セプテンバーが、とても良いです。妄想というか幻覚が多くて、あれこれは現実ではないのかと、何度も思いました。だからロボットドリームズなのかな。ロボットがドッグを慕う心を持っていて、かけがえのない友情が芽生えているのが、伝わってきました。
★★★★☆ 4
動物界 ― 2024/11/10
「動物界」 ヒューマントラストシネマ有楽町
近未来。原因不明の突然変異により、人間の身体が徐々に動物化していく奇病が蔓延していた。さまざまな種類の“新生物”は凶暴性を持つため施設で隔離されており、フランソワ(ロマン・デュリス)の妻ラナもそのひとりだった。ある日、移送中の事故で、隔離していた彼らが野に放たれてしまう。行方不明のラナを捜すフランソワと16歳の息子エミール(ポール・キルシェ)だったが、エミールの身体き変化が起こり始める。
ロマン・デュリスが好きなので観に行ってみました。息子役の子も可愛かったです。
感想は少しネタバレになります。あまり知りたくない方は観てから読んでくださいね。
分野でいうとSFスリラーでしょうか、フランスらしからぬ異色の映画でした。ハリウッド映画だったら、B級っぽくなりそうだけど、なんだかオシャレになっていました。新生物が1人1人違くて、かっこよかったからかな。どんな姿なのかと、興味深いです。少しずつ変化するようで、完全に変わってしまうと、人間の気持ちも忘れてしまいそう。伝染するわけではないけど、なんか吸血鬼やゾンビものに通じるところがあります。
妻が変わってしまっても、変わらずに愛し続ける事はできるのか、息子はどうなるのか、原因は?などあんまり突き詰めてないで、やり過ぎない感じがフランス映画らしくて良かったかも。
★★★★☆ 4
ゴンドラ ― 2024/11/08
「ゴンドラ」 シネマカリテ
緑あふれる山の谷間をつなぐ、古い2つゴンドラ(ロープウェイ)。2人の女性乗務員が勤務し、行ったり来たり。1人はまだ新人のよう。すれ違う度に、何かを見せたり、音楽を演奏したり、はたまた停車地でチェスを順番に指したりする。次第に2人は親しくなっていく……。
ほとんどセリフがない映画でした。音楽は賑やかです。舞台はジョージア(旧グルジア)。セリフがないけど、表情で伝わる事が多いので、想像するのが楽しかったです。2人の女性が、工夫を凝らして、相手をびっくりさせたり、楽しませようとしていきます。クスッと笑ってしまう事も多かったです。映像がきれいですし、主役の2人が超美人。子どもたちも可愛かったです。ゴンドラとその近くだけで、こんなに豊かな話ができるのですね。とても気に入りました。
★★★★☆ 4+
八犬伝 ― 2024/11/05
「八犬伝」 TOHOシネマズ上野
人気戯作者の滝沢馬琴(役所広司)は、友人である絵師・葛飾北斎(内野聖陽)に、構想中の新作に着いて語り始める。8つの珠を持つ「八犬士」が運命に導かれるように集結し、里見家にかけられた呪いと戦う物語だった。その内容に引き込まれた北斎は続きを聴くために、たびたび馬琴のもとを訪れる。即席で描く絵が、馬琴にもイマジネーションを与える。28年かけて、クライマックスを迎えようとしたとき、馬琴の視力が失われつつあり、絶望的な状況に陥る。その時、息子の妻・お路(黒木華)から、意外な申し出を受ける。
「八犬伝」は、滝沢馬琴作だけど、この映画は山田風太郎が原作。滝沢馬琴の事と彼の作った話が、交互に語られていきます。
「八犬伝」は日本の古いファンタジーの世界です。まさにヒーローもので、当時の読者が楽しみに待っていたのだろうなと思います。28年もかかっているとは知らなかったです。壮大な物語なんでしょうが、ダイジェスト版のようにまとめてありました。出演者は豪華でした。水上恒司は、ヒゲやカツラで、わかりませんでした。板垣李光人は、女性より美しかったです。馬琴の妻は寺島しのぶ、息子は磯村勇斗などなど。多くのキャストが、織りなす壮大な物語でした。当時としては、滝沢馬琴は長寿だったと思うので、白内障かなと思いました。この時代は治す方法はなかった事でしょう。同じく長寿の葛飾北斎は大丈夫だったのだろうか。
★★★★☆ 4
花嫁はどこへ? ― 2024/11/03
「花嫁はどこへ?」 新宿ピカデリー
2001年、とあるインドの村。プールとジャヤ、結婚式を終えた2人の花嫁は、同じ満員電車で花婿の家に向かっていた。同じ赤いベールで顔が隠れていたことから、プールの夫ディーパクが、勘違いしてジャヤを連れ帰ってしまう。置き去りとなってしまったプールは内気で従順、ディーパクに頼りきりだったので、彼の住所もわからない。駅にいた人に助けられ、売店の女主人を手伝うことに。ジャヤの方はディーパクの家で泊めてもらい、謎の行動をしている。
インドは広いから、住所がわからないと、一生そのままになってしまうのではと、心配しました。手を差し伸べてくれる人がいなければ、浮浪者になってしまうかも。駅員さんに相談しても、実家に連絡するのは、拒否。インドならではの価値観がうかがえます。勉強したり、社会進出する女性は、インドでは、少ないし、女性の大変さが伝わってきます。プールも、新しい価値観を手に入れたのではないでしょうか。ジャヤの真意はなかなか明かされず、どうしてディーパクに付いてきたのか、何をしようとしているのか、ミステリアスでした。知的で美しい女性でした。プールは可愛らしいタイプ、とくに声が可憐でした。駅の売店の女主人は、厳しくあたられるけど、本当は情に熱くて、数日一緒にいただけなのに、家族のようでした。ディーパクの友達たちも、一生懸命協力し、多くの人に助けられて、良い結末に向かって行ったと思います。インド映画に多いミュージカル調なところはなくて、約2時間でした。面白かったです。
★★★★☆ 4+
最後の乗客 ― 2024/10/30
「最後の乗客」 ユーロスペース
タクシードライバーの間で、深夜、人気のない歩道に立ちずさむ若い女性の噂話が囁かれていた。いつも通りタクシーのハンドルを握る遠藤(冨家ノリマサ)は、閑散とした通りで、1人の女性を乗せる。走り出すや、路上に飛び出して来たのは小さな女の子と母親。どうしても乗せて欲しいと言い、同乗させると、行き先は両者とも「浜町」。奇妙な客と秘密を乗せたタクシーは、目的地へ向かうが……。
上映時間55分の短い映画です。でも、そんなに短くも感じなかったです。あの日に、どうなったのか、詳しい事は語られないけど、多くの人の平穏な日常が断ち切られてしまったのだと思います。特にエンドロールは、それを感じさせます。どの様な仕掛けがあるのか、ミスリードしやすい作りで、そういう事だったのかと、驚きがありました。タクシードライバー役は「侍タイムスリッパー」にも出ていた冨家ノリマサさん、ご活躍ですね。
★★★★☆ 4
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