枯れ葉 ― 2023/12/08
「枯れ葉」 ユーロスペース
フィンランドのヘルシンキ。アンサ(アルマ・ポウスティ)は、理不尽な理由で仕事を失い、ホラッパ(ユッシ・パタネン)は、酒に溺れながら、どうにか工場現場で働いている。ある夜、カラオケバーで出会った2人は、惹かれ合う。しかし、名前も知らないまま、不運が重なり、すれ違ってしまう……。
久しぶりのアキ・カウリスマキ監督作品。カンヌ映画祭で審査員賞を取っていたので、新作があるのかと、待っていました。先行上映で観ました。いつものように、言葉が少ない映画でした。微妙な表情の変化で、気持ちが伝わってきます。常に労働者に寄り添っていて、ささやかな幸せを得られるかどうか見守っている気分です。ラジオを聴くと、ロシアのウクライナ侵攻のニュースが流れていて、最近の撮影なのが、わかります。時代が昔のように感じる事もあれば、ニュースによって、現代な事がわかります。登場する犬が、おとなしくて可愛かったです。なんか、人間の言葉を理解しているのかなぁと思えます。クセのある音楽もいつも良いです。若い2人組の女性が無表情で歌っていた曲が気に入りました。
★★★★☆ 4+
上映後はトークショー、主演女優のアルマ・ポウスティさんと松重豊さんがゲストです。松重豊さんは、アキ・カウリスマキ監督の大ファンだそうです。アルマ・ポウスティさんは、「トーベ」でムーミンの作者トーベ・ヤンソン役を演じていました。可愛らしい人でした。監督の撮影技法など、興味深い話だったし、松重さんの熱心なトークが聞けて、良かったです。
SISUシス 不死身の男 ― 2023/10/15
「SISUシス 不死身の男」 ユーロライブ(試写会)
第2次世界大戦末期1944年、ソ連に侵攻されたらナチスドイツに国土を焼き尽くされたフィンランド。老兵アアタミ・コルピ(ヨルマ・トンミラ)は、掘り当てた金塊を持って、愛犬と荒野を旅していた。しかし、ナチスの戦車隊と遭遇し、金塊と命を狙われる。アアタミはかつて精鋭部隊の一員として名を馳せた伝説の兵士だった。執拗に襲ってくる敵を次々と血祭りにあげていく。
SISUとはフィンランド特有の言葉で、全ての希望が失われた時に現れる不屈の精神というような意味。確かにこの映画の主人公は、不死身ではあるけどちらかと言うと不屈の男でした。え、これは死ぬでしょと思っても、何度も生き延びて、執念を燃やしてきます。痛そうなシーンが多かったです。91分の短めの映画ですが、ハリウッドのようなスピード感はなく、独自のペースで展開します。章立てになっています。広い荒野で戦う事が多くて、自然豊かな場所でした。何もない荒野だから、隠れる事もできません。予想を超える攻撃方法が多くて、鮮やかな戦い方で、敵を脅やかします。面白かったです。「イコライザー」に引けをとりません。男臭い映画かもしれませんが、女性たちも出てきて、カッコよかったです。かわいい犬も出ていますが、実生活でも主役の俳優さんの愛犬なんだそうです。
★★★★☆ 4
試写会の後は LiLiCoさんがゲストで、トークショーがありました。
さかなのこ ― 2022/09/04
「さかなのこ」 TOHOシネマズ日比谷
小さい頃から魚が大好きなミー坊(のん)、父は他の子と違う事を心配するが、母は優しく見守り背中を押してくれる。中学生になると不良に絡まれたり、闘争に巻き込まれたりするが、ミー坊の純粋さで、和ませてしまう。
やがて一人暮らしをし、いくつかの仕事に就くが、なかなかうまくいかず、しかし、出会いや再会により悩みながらも、自分の進むべき道を探していく。
タレント、学者として活躍するさかなクンの人生を映画化。さかなクン自身も近所にいた変わったおじさん役で、出演しています。ミー坊の子ども時代を演じている子も可愛かったです。突飛だけど、ずっと面白かったです。井川遥が演じているお母さんが、すごいと思います。人と違うけど常にミー坊のやりたい事を優先してあげます。
さかなクンの実際の同級生だったドランクドラゴンの鈴木拓も先生役で出品。芸人は他にもかが屋の賀屋、シソンヌの長谷川も出てました。
同級生役で柳楽優弥、磯村勇斗、岡山天音などが、学生時代の役から頑張っています。
冒頭に男か女かどっちでもいいと言う言葉が出ます。さかなクンの事を女ののんが演じたのは、とても良かったと思いました。純粋なところが、さかなクンとのんには共通している気がします。それに男か女かはどっちでもいいと言うのは、今の時代的です。普通か普通じゃないか、普通でなければいけないわけはないです。多様性を自然に受け入れていきたいと思います。
★★★★☆ 4
テアトル新宿では、映画に使用した衣装が展示されていました。
ハケンアニメ! ― 2022/04/16
「ハケンアニメ!」 丸の内東映(試写会)
地方公務員からアニメ業界に飛び込んだ新人監督・斎藤瞳(吉岡里帆)は、デビュー作で憧れの天才監督・王子千晴(中村倫也)と業界の覇権をかけて争うことに。王子は過去にメガヒット作品を生み出したものの、その過剰なほどのこだわりとわがままぶりが災いして降板が続いていた。プロデューサーの有科香屋子(尾野真千子)は、そんな王子を8年ぶりに監督復帰させるため大勝負に出る。一方、瞳はクセ者プロデューサーの行城理(柄本佑)や個性的な仲間たちとともに、アニメ界の頂点を目指して奮闘するが……。
原作は辻村深月。監督は、自身も劇場長編監督としては2作目の新人監督に近い吉野耕平。
アニメ業界で奮闘する人々の胸アツお仕事ムービーでした。業界の関りが独特で、わかりにくい気もしましたけど、映画は面白かったです。
新人監督ゆえ、ベテランスタッフ達に囲まれて、時に小さくなって仕事をしている主人公だけど、強い意志と本人の成長で、チームワークがよくなっていったと思います。監督となると強い意志が必要だと思いますし、プロデューサーも重要な仕事だと言うことがわかります。
出てくる2つのアニメーションは美しい絵でした。声優陣も本格的でした。瞳の方の作品は、ちょっとエヴァンゲリオン風で、他にもいくつかのアニメをミックスしたような雰囲気でした。
エンドロールの後に映像があるので、最後まで席を立たないで、お待ちください。
★★★★☆ 4-
完成披露上映会で鑑賞させていただきました。左から吉野耕平監督、尾野真知子、吉岡里帆、中村倫也、原作者の辻村深月。出演者達のチームワークも良さそうでした。なにより原作者が映画の出来に満足しているのが、伝わってきました。
SCREENを飾ったハリウッド・スターたち ― 2021/04/29
「SCREENを飾ったハリウッド・スターたち」 国立映画アーカイブ
映画好きならおなじみの雑誌、近代映画社の月刊誌「SCREEN」の誌面を飾る写真や、来日の時の記録、映画祭やサイン入りポートレイト等、有名スターの写真展です。
ジョン・ウェイン、エリザベス・テーラー、オードリー・ヘプバーン、スティーヴ・マックィーン、クリント・イーストウッド、ジョディー・フォスター、マイケル・J・フォックス、ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ…。
今も活躍しているスターの若かりし頃や、亡きスターの写真もあって、懐かしかったです。
ポスターになっている写真、誰だかわかりますか?感じが違っているけど、私はクリント・イーストウッドじゃないかと思ったら、気になってきたので、見に行ってきました。クリント・イーストウッドでした。若いですね。
男と女 人生最良の日々 ― 2020/01/19
「男と女人生最良の日々」 スペースFS汐留(試写会)
1966年製作のオシャレ恋愛映画「男と女」の続編。キャストとスタッフが再結集。元レーシングドライバーのジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニアン)は、老人ホームで暮らしているが、かつて愛していたアンヌ(アヌーク・エーメ)のことを追い求めている。息子は、アンヌを探し出し、父に会いに行ってほしいとお願いする……。
過去の映像を散りばめながら、その後のことがわかるようになっていました。やっぱり「男と女」は、名作だったなぁと、しみじみ思いました。フランシス・レイの音楽も素晴らしいです。今作でも、自動車に乗っているシーンで、有名な曲が流れて、ステキでした。構図もかっこいいです。子ども達も60才近くになっていて、同じ子役だった2人が出ています。昔の映画をあらためて観たくなります。
★★★☆☆ 3+
上映後のトークイベント。ゲストは宮野真貴さんと高橋幸宏さんでした。
「天気の子」展 ― 2019/09/30
「天気の子」展 松屋銀座8階イベントスクエア
映画「天気の子」の絵コンテ、設定、作画、美術背景をはじめとした制作資料を展示しています。
企画書では、こういうイメージだったのかぁとか、細かい設定を決めていった過程や、美しい背景パネルなど、じっくり見れます。部屋の中の様子など、アニメで見た時は、あっという間に画面が切り替わってしまうけど、細かいところまで、描きこまれています。部屋の間取り図などもきちんと決められていることがわかりました。
小さな恋のうた ― 2019/05/18
「小さな恋のうた」 よみうりホール(試写会)
米軍基地のある沖縄の小さな町で、ボーカルの亮多(佐野勇斗)を中心とした高校生バンドが人気を集めていた。自作の歌を歌いこなし、観客たちを熱狂される実力をもった彼らに、東京進出の話が舞い込み、メンバーは喜びあった。しかし、ある悲劇が起こり、バンドは行く先を見失ってしまう。そこに1曲のデモテープと米軍基地に住む1人の少女が現れ……。
沖縄出身のバンド「MONGOL800」の人気楽曲「小さな恋のうた」をモチーフにしています。
まさに青春映画。初めは佐野勇斗演じる主人公が、熱い男で、うっとうしいくらいでしたが、途中でトーンが変わっていきます。対比させるようになっているのだと思います。わざとミスリードするようなことろもあり、工夫されています。
楽曲がもともと有名な人気曲なので、ノリも良かったです。
粗削りなバンドが、だんだん成長していくような感じもして、バンドもの青春映画の王道かもしれないけど、楽しめました。
バンドメンバーは他に森永悠希(ちはやふるのつくえくん)、眞栄田郷敦(千葉真一の息子で、新田真剣佑の弟)など。バンドを応援してくれるスタジオ・ライブハウスのオーナー役は世良公則でした。
★★★☆☆ 3+
上映後に、森井輝プロデューサー、森永悠希、佐野勇斗、橋本光二郎監督が、サプライズで舞台に登壇しました。
マチルド、翼を広げ試写会のおまけ ― 2018/12/27
クリスマスの試写会で、クリスマスプレゼント付きでした。マスコミ用プレスシート、ポストカード、クッキーが入っていました。
クッキーはこんな感じで、映画の題材になっているフクロウ、ガイコツ、指輪が描かれていました。味もおいしかったです。
エンジェル、見えない恋人の前売特典 ― 2018/08/02
前売特典のクリアファイルが、可愛かったから「エンジェル、見えない恋人」のチケットを買ってしまった。
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