オルセー美術館所蔵 印象派 ― 2025/11/06
北斎をめぐる美人画の系譜 ― 2025/11/04

「北斎をめぐる美人画の系譜」 すみだ北斎美術館
北斎といえば名所絵などの風景を描いた絵が有名ですが、美人画も多く描いています。北斎だけでなく、浮世絵の他の絵師たちの美人画を集めて展示しています。
北斎の娘、葛飾応為のまだ見たことがない絵の展示があるということで、それを目的に見に行きました。
こちらの絵です。

「蝶々ニ美人図」 葛飾応為
応為の事を描いた映画「おーい、応為」を観たばかり、こちらの絵は個人蔵ですが、長く所在不明になっていたそうで、貴重な機会です。
美人画では、北斎も応為を認めていたと言われています。浮世絵の独特な面長な顔よりも、もっと現代風で、そんなに昔の作品とは思えないのです。とてもきれいで良かったです。
高橋松亭×川瀬巴水〜日本の技と美〜 ― 2025/10/15

「高橋松亭×川瀬巴水〜日本の技と美〜」 大田区立郷土博物館
江戸時代に生まれた浮世絵は伝統美術として海外からも注目を集め、ゴッホをはじめ多くの芸術家に影響を与えました。浮世絵の技術は大正時代に版元の渡邊庄三郎が興した「新版画運動」に継承されていきます。渡邊は明治40年頃からオリジナルの新作版画に着手します。その制作を最初に依頼された絵師が高橋松亭だったそうです。大田区に住んでいたことがある高橋松亭と川瀬巴水の作品をたくさん紹介していました。
新版画が好きです。当時の風景は江戸時代よりも身近に感じます。ノスタルジックな雰囲気がとても良いのです。古き良き日本の風景です。入場無料なのに充実した内容です。
高橋松亭は、数枚は見た事がありましたが、今回の展示で大量に鑑賞できました。川瀬巴水は前から好きでしたが、高橋松亭も好きになりました。
蔦屋重三郎と版元列伝 ― 2025/10/11

「蔦屋重三郎と版元列伝」 太田記念美術館
江戸時代、浮世絵や職人たちを統括し、制作や販売を指揮したのが、版元でした。蔦屋重三郎は、ずば抜けた才覚で、喜多川歌麿や東洲斎写楽をプロデュースし、浮世絵の黄金時代を演出するなど、浮世絵史においても大きな役割を果たしました。蔦屋重三郎を中心に、江戸から明治にかけ、名品を手掛けた他の版元も取り上げています。鱗形屋、草双紙に存在感を鶴屋喜右衛門、美人画や風景画の優品を生んだ西村屋与八などなど、業績や戦略を紹介しています。
大河ドラマ「べらぼう」の世界ですね。北斎、広重、歌麿、写楽をはじめ、新しい版画表現の小林清親などもありました。
現代鳥獣戯画 ― 2025/10/09

「現代鳥獣戯画」 郷さくら美術館
現代日本画の中の動物をテーマにした展示でした。様々な動物たち、表情や動きがある絵でした。とてもきれいな絵が多かったです。犬、猫、狐、馬、鳥、虎などなど。日本画らしい淡い色合いで、動きがあり、絵本の様な世界でした。
永青文庫 近代日本画の粋 ― 2025/10/05

「永青文庫 近代日本画の粋」 永青文庫
永青文庫の設立者・細川護立は、同時代の日本画家に注目し、積極的に蒐集しました。永青文庫のコレクションの中でも不動の人気を誇る菱田春草の「黒き猫」が、修復を終えお披露目となりました。菱田春草もゴッホと同じくらいで36歳の若さで夭折しています。「黒き猫」は代表作と言えると思います。永青文庫が所蔵する春草の他の作品も、一緒に公開しています。
他に横山大観、下村観山など、日本を代表する画家たちの作品も出ています。
こちらの永青文庫は江戸時代から戦後にかけて所在した広大な細川家の屋敷跡にあるの一部です。隣接する肥後細川庭園も見学できて、雰囲気が良いところでした。紅葉の時期など美しいでしょうね。今度またゆっくり行ってみたいです。
ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢 ― 2025/10/04

「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」 東京都美術館
フィンセント・ファン・ゴッホの作品がどのように伝えられてきたのか。ゴッホ家が受け継いできたファミリーコレクションに焦点を当てた展覧会です。ほとんどの作品が、オランダのファン・ゴッホ美術館から来ています。
37歳で亡くなったゴッホの作品は、弟のテオが大部分保管して、テオの死後は、その妻ヨーによって管理され、義兄の作品を世に出すことに人生を捧げます。テオとヨーの息子フィンセント・ウィレム・ゴッホは、コレクションを散逸させないために財団を設立し、美術館の開館に尽力します。
人びとの心を癒す絵画に憧れ、100年後の人びとにも自らの絵が見られることを期待した画家の夢は、テオたち家族が叶えてくれたのです。
ゴッホ以外の作品や、ゴッホが影響を受けた浮世絵なども展示しています。
オランダに行ったのに、ヴァン・ゴッホ美術館には行ってなかったので、初めて見る絵も多くて良かったです。映像で紹介するコーナーがいくつかあって、展示も凝っていました。
幕末土佐の天才絵師 絵金 ― 2025/09/24

「幕末土佐の天才絵師 絵金」 サントリー美術館
土佐の絵師・金蔵(1812-1876)は、幕末明治期に多くの芝居絵屏風を残し、地元高知では「絵金さん」の愛称で親しまれてきたそうです。その画風は同時代の絵師の中でも一段と異彩を放つものです。絵金の屏風絵は今なお夏祭りの間に高知各所の神社等で飾られ、蝋燭の灯りに照らされる作品群は、見る者に鮮烈な印象を残しています。
東京では初の大規模展です。私は初めて知った絵師でした。確かに独特な画風です。きれいですが、辛い芝居が多いのか、血みどろな絵が多かったです。ほとんどが、1つの絵の中にいくつかのシーンが描かれています。
お祭りで展示されていると言うので、高知では知られているのでしょう。本名は金蔵さんです。絵の上手い金蔵さんで、いつしか絵金さんになったみたいです。
サントリー美術館でもお祭り風にしていて工夫されていました。驚く事に、幕末とはいえ、かなり古いのに、色が鮮やかでした。


皆川智彦写真展 東京坂道三十六景 ― 2025/09/17

「皆川智彦写真展 東京坂道三十六景」 キャノンギャラリー銀座
見慣れたはずの東京の坂道が、なんとも幻想的な写真になっていて、とてもきれいで感動しました。夜の写真が多いのだけど、景色だけじゃなく、そこを通る人もアクセントになっています。ちょっと川瀬巴水を思い出しました。東京には素敵な坂道がいっぱい存在するんだなぁ。昔懐かしい風景と、奥に見える高層ビル群の取り合わせも良いです。
藤田嗣治 絵画と写真 ― 2025/08/19

「藤田嗣治 絵画と写真」 東京ステーションギャラリー
藤田嗣治(1886-1968)は世界的に知られた画家。本人はおかっぱ頭に丸メガネ、口元の髭などでおなじみ。多くの写真にも撮られていて、個性的な印象を残す。自画像も多くセルフブランディングで、多くの人に知られている。そして、自分がモデルになるだけではなく、多くの写真を撮っている。絵の参考にする事も多いけど、写真自体も、やはり構図が絵画的で良かった。世界中を旅して、そこに暮らす人々のさりげない日常など、写真が面白かった。絵画と写真の関係に焦点を当てつつ、両方楽しめた。


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