グローリー 明日への行進2015/06/11

グローリー
「グローリー -明日への行進-」 ニッショーホール(試写会)
1964年ノーベル平和賞を受賞したキング牧師(デビッド・オイェロウォ)の指導の下、黒人の選挙権を求めて、アラバマ州セルマでデモ行進が行われた。しかし、警官隊によって暴力で弾圧。その映像が全米に流れ、アメリカ国民は大きな衝撃を受けた。キング牧師の呼びかけにより、再び行われたデモ行進の参加者は2万5000人にまで膨れ上がる。事態はやがて大統領をも巻き込み、世論を動かしていく。
マーティン・ルーサー・キング・Jr.牧師の実話を基にした映画。名前は知っているが、実際はどんな人からよくわかっていなったけど、「非暴力」という志を貫き、39歳でその人生を終えた偉人。指導者であり、一人の家庭人でもあり、苦悩と闘いながら、なすべきことのために行動した人物だったことが伝わってきます。セルマの事件(血の日曜日事件)は、他の映画でも出てきますが、詳しく語られていました。そして、なぜ非暴力なのかということが、よくわかりました。危険であっても非暴力を貫くことで、良い方向へ導こうとしたのです。わずか50年前は、こんなにも差別的な扱いだったのかと驚きます。選挙の為に、有権者登録をしに行くと、妨害されるのです。命の危険もあったと思います。
今があるのは、こういう人たちが脈々と築いてきた努力だと思います。その頃の、実際の映像も流れました。最後に流れる歌が良かったです。アカデミー賞主題歌賞を受賞しています。

★★★☆☆ 3

コメント

トラックバック

_ ここなつ映画レビュー - 2015/07/07 18:02

清く正しい。言い換えれば作品としては何の変哲も無い。もちろん、非暴力を貫いたキング牧師は素晴らしいし、偉大な人物である。そしてその偉大さをあたかもちょっとしたリーダーシップを備えた一市民のように描いている所がとてもいい。アメリカ史の恥部とも言える部分を気負う事なく描いた点は、評価に値すると思う。キング牧師役のデビッド・オイェロウォもそれに応えて熱演。差別者と被差別者の構造が、個人ベースでなく集団の力を借りて劇的に変化していく。モンゴメリーまでの行進シーンはその戦略も含めて圧巻。行動することによって多くの犠牲は出るが、行動しなくては何も始まらない。対価は行動する者にのみもたらされる。正の対...