アリスのままで2015/06/18

アリスのままで
「アリスのままで」 よみうりホール(試写会)
ニューヨーク、コロンビア大学で教鞭をとる50歳の言語学者アリス(ジュリアン・ムーア)は、講演中に言葉が出なかったことや、ジョギングで、道がわからなくなったりして、不安になる。診療を受けると、若年性アルツハイマーと診断される。献身的な家族に見守られながらも、次第に記憶を失っていき、それに懸命に立ち向かおうとする…。
アカデミー賞主演女優賞を受賞し、感動の物語なのかもしれないけど、ひとごとじゃなくて、忘れていくことが、恐ろしく感じました。愛する夫や、子どもたちに囲まれ、仕事や研究はまさに充実期を迎えているところに、突然つきつけられます。それも、遺伝性のものだということがわかり、こどもにも遺伝する可能性があるのです。自分だったら、または家族だったらと思うと冷静に傍観していられないです。
監督のリチャード・グラツァーはALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し闘病しながらも、撮影したのだそうです。アカデミー賞授賞式の3週間後に亡くなったそうです。主演女優賞を取ったことは、なによりの喜びだったのでないでしょうか。自身も病気と闘病し、アリスの心情を繊細に描いているのだと思います。将来は医学が進歩して治療法がみつかることを祈ります。

★★★☆☆ 3