佳代のキッチン2015/06/27

佳代のキッチン
「佳代のキッチン」 原 宏一・著 祥伝社文庫
『いかようにも料理します』という木札を下げて、厨房車で持ち込み食材を料理する「移動調理屋」を始めた佳代。それぞれの土地で、いろいろな事情を抱えた人と出会う。そんな佳代の本当の目的は、15年前に失踪した両親を捜すことだった。両親の足跡を辿りながら、人々のもつれた糸を解きほぐす手伝いをしていく。そして、両親の謎は?
短編連作で、日本のあっちこっちを回りながら、なんともおいしそうな料理が出てくる小説でした。佳代との関わりで、状況が変わった人が多いけど、佳代は決して、積極的に何かを解決しようとするのではなく、どうしてもこうしなければ気がすまないことを、心の声に従って、行動するだけなのです。料理が結ぶ縁がステキでした。そして、両親のことも、少しは理解できるような気がしてきました。