異人たち ALL OF US STRANGERS2023/10/27



「異人たち ALL OF US STRANGERS」 ヒューリックホール東京
夜になると人の気配が遠のく、ロンドンのマンションに一人暮らす脚本家アダム(アンドリュー・スコット)は、12歳になる前に両親(ジェイミー・ベル、クレア・フォイ)を交通事故で亡くし、孤独に生きてきた。
ある日、同じマンションの住人、ハリー(ポール・メスカル)を知り、ありふれた日常に変化が訪れる。ハリーとの関係が深まるにつれて、アダムは子供の頃の世界に引き戻され、生まれた家を再訪した時、死別した両親が当時のままの姿で現れる。想像もしなかった再会に安らぎを覚えるアダムだったが……。
山田太一原作の「異人たちの夏」をイギリスで映画化。日本での公開は2024年だけど、東京国際映画祭で観る事ができました。大林宣彦監督の映画が好きだったので、同じ話をどう映画にしているか楽しみにしていました。
ファンタジーっぽいけど、ホラーでもあるかも。両親は当たり前のように大人になったアダムを招き入れ、幼い頃の思い出などを語り合います。何度も訪れて一緒の時を過ごします。不思議な世界ですが、私は日本映画を観ているから、すんなりわかりましたが、初めての人はちょっとわかりにくいような気がします。説明は少なく、だんだんわかってくるのかもしれません。孤独な生活ぶりで、暗いけど、どんどん惹き込まれていきます。大きなマンションなのに、人が2人しか住んでいないらしいのです。
寂しい人生を歩んできた主人公は、心許せる相手ができたり、両親に甘えたり、つかの間幸せを感じます。癒しというよりは、私には補填と感じました。両親は幽霊なのか、幻覚なのか、不思議な話です。「異人たちの夏」では片岡鶴太郎と秋吉久美子の両親が素敵でしたが、イギリス版も両親が良かったです。「リトルダンサー」のジェイミー・ベル!ハリー役は「アフターサン」のポール・メスカル。設定は現代風になっていましたが、印象に残る映画となりました。

★★★★☆ 4+