神の名のもとに2023/10/18



「神の名のもとに」 メアリー・W・ウォーカー・著 講談社文庫 
カルト教団「ジェズリーズの家」の近くで、小学生を乗せたスクールバスが、銃で武装した男たちに取り囲まれ、子供たちは地面に掘った穴の中で人質になった。一緒に人質になったスクールバスの運転手・デミングおじさんは、子供たちの為に、お話を作って聞かせたり、いざと言う時の為に備えていた。この教団の主宰者を過去にインタビューした事があるライターのモリー・ケイツは、調査を始め、新事実を突き止めていくと、心ならずも、救出作戦に巻き込まれていく……。
人質は「ハルマゲドンの日」に、いけにえとして捧げる為のようで、50日後にその日がくるらしい。狂った考えのカルト集団、生き延びる為に、どうするか、ハラハラとする話でした。アメリカのクライムサスペンスをを観ているようで、面白かったですが、暗い気持ちになります。人質たちの厳しい状況、不潔だし食事も少なく、喘息の子供に薬も与えられないのです。デミングおじさんは、それまでは子供と親しく付き合う事もなかったけど、幼い子供たちを必死に奮い立たせ、助けるようとします。彼の過去の話や、ライターのモリーの話、救出に向かう凄腕の助っ人、果たして人質たちはどうなるかと、引き込まれました。