蚊遣り火 橋廻り同心・平七郎控72022/04/05



「蚊遣り火 橋廻り同心・平七郎控7」 藤原 緋沙子・著  祥伝社文庫
シリーズ第7弾。
江戸の夏の風物詩―杉の青葉などをいぶして蚊を追い払う蚊遣り火。それを庭で焚く女の姿を、松幡橋の袂からじっと見つめる若い男がいた。前夜、橋向こうの小間物屋の主が殺された。若い男の不審な佇まいに平七郎は素性を洗う。やがてその男清吉と、蚊遣り火の女おちかの悲恋が明らかになると同時に、新たな疑惑が…。
想い合っていたのに、事情により別の男のもとへ嫁いだ娘、仕事を辞めてしまった男、思い通りにならない人生でも、修復できる場合もある。橋廻り同心の平七郎が協力しようと思うが、間に合わないかもしれないとヒヤヒヤとしました。その後はどうなったかをもっと詳しく知りたくなるような、余韻のある終わり方です。
蚊遣り火というのは、よもぎの葉、カヤの木、杉や松の青葉などを火にくべて、燻した煙で蚊を追い払うそうです。この時代は蚊取り線香がまだないですから、家を燻していたのです。
惹かれあっていても、別れを選ぶと言う話もありますが、一応事件は解決する話なので、読んでいても面白いです。

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