ベルファスト ― 2022/04/07
「ベルファスト」 TOHOシネマズシャンテ
俳優・監督・舞台演出家として世界的に活躍するケネス・ブラナーが、自身の幼少期の体験を投影して描いた自伝的作品。ブラナーの出身地である北アイルランドのベルファストを舞台に、激動の時代に翻弄されるベルファストの様子や、困難の中で大人になっていく少年の成長などを、力強いモノクロの映像でつづった。
ベルファストで生まれ育った9歳の少年バディ(ジュード・ヒル)は、家族と友達に囲まれ、映画や音楽を楽しみ、充実した毎日を過ごしていた。笑顔と愛に包まれた日常はバディにとって完璧な世界だった。しかし、1969年8月15日、プロテスタントの武装集団がカトリック住民への攻撃を始め、穏やかだったバディの世界は突如として悪夢へと変わってしまう。住民すべてが顔なじみで、ひとつの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断され、暴力と隣り合わせの日々の中で、バディと家族たちも故郷を離れるか否かの決断を迫られる。
モノクロ映画かと思ったら、映画や舞台はカラーになっていました。主人公のバディがのびのびと育って、元気いっぱい、おまけにかわいい男の子でした。
兄がいて、美男美女の両親です。おじいちゃんとおばあちゃん(ジュディ・ディンチ)がまた良いのです。バディに教える言葉がどれも素晴らしいです。ちょっとズルも教えるおじいちゃんでしたが、特におじいちゃんの言葉が少年の人生で大切な教えとなっていくと思いました。
モノクロのベルファストの街も素敵なんですが、突如暴動が起こり、宗教的な対立に悩まされます。ベルファストで生まれ育った両親、特に母は出て行きたくないのです。
ほとんどモノクロのせいか、「ROMA/ローマ」を思い出す映画でした。「ROMA/ローマ」はアルフォンソ・キュラソン監督の子ども時代だったのですが、メキシコのローマでの話です。「ベルファスト」は「ニュー・シネマ・パラダイス」もちょっと思い起こします。
ケネス・ブラナーが監督している映画はいくつか観ているいるけど、最近なら「ナイル殺人事件」(監督・主演)とかですね。監督作を全作品観ているわけではないですが、「ベルファスト」が一番良いのではないでしょうか。
★★★★☆ 4+
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