現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展2014/06/29



「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」 東京国立近代美術館
台湾のヤゲオ財団の現代美術コレクションだそうです。
チラシの作品はマーク・クイン 《ミニチュアのヴィーナス》 ヨガのポーズであって、中国雑技団ではないよ。


アンドレアス・グルスキー《V&R》


外にもこんな大きいのが。どこかで見た顔じゃないですか。
スーパーモデルのケイト・モスがモチーフらしい。

ハーブ&ドロシー2014/06/29



「ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人」 東京国立近代美術館講堂


「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」 東京都国立近代美術館講堂

「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」のイベントで「ハーブ&ドロシー」の上映がありまして、実はこれを見るために、東京都国立近代美術館へ足を運んだのでした。

日本では2010年と2013年に公開されたドキュメンタリーです。見逃していたけど、見たいと思っていたのです。

現代アートのコレクターであるハービー・ヴォーゲルとドロシー・ヴォーゲル夫妻。
郵便局員の夫と図書館司書の妻は、大好きなアートを給料の中から買っていって、1LDKのアパートにコツコツと集めていった。

この2人のキャラクターが良くて、見た感じもチャーミング。しかし、現代アートに精通していて、一瞬にして、本質を見抜くような審美眼があるのだ。

30年以上かけて集めたコレクションは、ベッドの下や、壁や天井を埋め尽くしていく。猫や亀も飼っているんだけど、生活の中にアートが溢れているのだ。
国立美術館から申し出により、寄贈を決意する。

「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」は続編で、国立美術館で収蔵しきれなかった作品を全米50州の美術館に寄贈するプロジェクトを計画。コレクションを受け取った全米各地の美術館の反応や2人の人生のその後が描かれています。

アートコレクターといえば、普通は庶民とかけかはなれた、お金持ちの人だと思うのだけど、つましい生活をしながら、名もなきアーティストの作品を収集していた。その審美眼からか、後に有名になった人も数多いのだけど、2人はそれらを売ることはしない。投資というわけじゃないのだ。好きな物を買って集めるだけ。たくさんの美術館から購入したいという話があっても、売ればコレクションがバラバラになってしまう、結果的にニューヨークのアートシーンを彩るまとまった作品が流出されずにすんでいるのだ。コレクション全体が2人の作り出した作品であるということが、2つの映画を通してよくわかりました。

夫妻はアーティストと、密接な関係を持っていて、家族のように応援し、情報交換し、しょっちゅう会ったり、電話で話しています。

過去の映像や2人の昔の写真、アーティストのインタビューを交えて、構成されています。アートの歴史を見るだけじゃなく、2人のラブストーリーでもありました。

★★★☆☆ 3+