アイム・スティル・ヒア ― 2025/08/24

「アイム・スティル・ヒア」 TOHOシネマズシャンテ
1971年軍事政権下のブラジル・リオデジャネイロ。元下院議員のルーベンス・パイヴァ(セルトン・メロ)は、妻のエウニセ(フェルナンダ・トーレス)と5人の子どもたちと幸せに暮らしていた。しかし、スイス大使誘拐事件を契機に、国の空気が一変する。抑圧の波が広がる中、ある日、ルーベンスは軍に逮捕され連行される。愛する夫の行方を追うエウニセだったが、彼女自身も軍に拘束され、数日間にわたる過酷な尋問を受ける。極限の状況の中で沈黙を貫き、夫の行方を捜し続けた。エウニセは軍事政権による横暴を暴くため、また夫の失踪の真相を求め、不屈の人生を送る。
家族7人、海の近くで暮らす、裕福そうな家族。下の子はまだ小学生くらい、仲が良くて、いつもにぎやか。そんなシーンが続くが、ある日突然、父親が連れていかれ、暗転します。
不安になる家族をまとめ、何が起こっているのか、調べ始めるエウニセ。ずっと声を上げ続ける事で、やがて歴史を動かす力に変わっていきます。
演じるフェルナンダ・トーレスが素晴らしかったです。
しっかり者で、夫を深く愛しているのが伝わってきますし、自分の釈放後は、辛いながらも、強く生きていこうとします。表情や態度で、彼女の心情が痛いほど伝わってきました。いつもオシャレでカッコよかったです。
実話ベースで、最後に実際の家族の写真が出てくると、本当の話だと言うことが胸に迫ってきます。
ルーベンスとエウニセの息子のマンセロの回顧録が原作となっています。1つの家族の話だけど、同じように家族が行方不明になった多くの人がいたのだと思います。
アカデミー国際長編映画賞を受賞作。「セントラル・ステーション」のウォルター・サレス監督作。「セントラル・ステーション」主演のフェルナンダ・モンテネグロはフェルナンダ・トーレスの実の母親。今作にも出演しています。
★★★★☆ 4+
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