しあわせの雨傘2011/01/15

しあわせの雨傘
「しあわせの雨傘」を観てきました。
舞台は1977年。主人公スザンヌ・ピジョル(カトリーヌ・ドヌーヴ)は朝のジョ
ギングが日課のセレブな社長夫人。夫のロベール(ファブリス・ルキーニ)は、
雨傘工場を経営している。もともとはスザンヌの父が作った会社。
ある日、工場職員が待遇改善を求めてストライキを起こしているなか、ロベール
が倒れてしまい、今まで仕事をしたこともないお飾りの妻だったスザンヌが、夫
に代わり従業員との交渉や、運営をすることになる。傲慢な夫のやり方と違って
従業員に家族のように接するスザンヌは、従業員からも信頼され、経営を立て
直していく。生き生きと仕事をするようになるスザンヌだったが、夫が復帰してこ
ようとする…。

12月に観た映画「Ricky」と同じフランソワ・オゾン監督。そういえばリッキーの
お父さん役だった人も、ちょっとだけ出てました。
大人のコメディって感じで、ニマニマしながら観てしまいました。色合いや風景
は昔の映画っぽいです。スザンヌを手助けしてくれる市長で議員のババンは、
昔スザンヌと不倫関係もあった人、ジェラール・ドパルデューが演じています。
2人でダンスするシーンなんか楽しいです。思ったよりも単純な話ではなく、な
かなか一筋縄いかないのですが、幸せだと信じこもうと思っていた人生だったけ
ど、仕事をすることで、自分の能力を知り、生きがいを見出して行くというよう
な話でした。ちょっと昔の話だから、しっくりくるのです。
カトリーヌ・ドヌーヴのために作られたような話でした。オゾン監督ならではの
ノリのある映画で、「焼き石に水」とか「8人の女たち」に近いと思いました。
労働紛争や選挙のシーンなんかもあるんだけど、どこかのんびりとして、古き
良き時代って感じがしました。

★★★★☆