子宝船 きたきた捕物帖二2024/10/05



「子宝船 きたきた捕物帖二」 宮部 みゆき PHP文芸文庫
持つ者は子宝に恵まれると噂の宝船の絵。しかし赤子を失ったある家の宝船の絵から弁財天が消えたという。時を置かずして弁当屋一家3人が殺される。江戸深川の富勘長屋に住む岡っ引き見習いの北一は、与力の命を受け、事件の真相に迫っていく……。まだ未熟な北一が、相棒・喜多次な力を借りながら、不可解な出来事を解き明かしていく。シリーズ第2弾。
ちょっと間があいてしまって、人間関係を思い出しながら、読みました。同じ作者の他の作品からも、登場する人物があり、読んでなくても、問題はないけど、ファンの人には嬉しいですね。「桜ほうさら」と「ぼんくら」の登場人物が出てきます。特に「ぼんくら」で印象深い政五郎親分と、なんでも記憶している“おでこ”は、こちらの本でも活躍します。その後の事がわかります。1巻目に登場した人物たちの事も、ちょっとずつ謎が解き明かされいきます。それでも、まだ謎のままですが、北一の本業は、文庫売り、その文庫に絵を描いてくれるお屋敷に住む“若”。喜多次もまだ謎多き人物です。亡くなった千吉親分の奥さんなど、気弱でまだ未熟な北一は周囲の人に助けられて、成長していくストーリー。江戸で起こる事件や怪異を調べるミステリー要素も高い、人情ものでした。この時代は冤罪も多いだろうし、人に恨みを買ったり、どこで事件に巻き込まれていくかわからず、大変だなぁと思いました。でも面白かったです。

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